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35.おじさんからの依頼⑤

「そうなんですね、てっきりそう言う関係だと思っていました。すみません」


 ステューシーさん。

 おじさんとはそんな関係じゃないって、何とか分かってくれたみたい。

 誤解が解けて良かったよ。


「ご兄妹みたいな感じだったんですね。言われてみれば確かにそちらの方がしっくり来ますね」

「変に納得しないでほしいな」


 この人ちょっとおかしいよ。

 あれかな、天然さん入ってないかな。


「それで、そのプロソロがなに? あれから何か進……最近彼と何かあったとか?」

 

 メイルくんが本題へ戻したよ。


「それが、つい先日お食事に誘われたんです」

「おじさんに?」

「は、はい」


 へぇ〜、やるねおじさん。

 あれから私のアドバイス通り、ちゃんと自分から行ったんだ。

 えらいよ。


「うんうん、んでどうなったのかな?」

「それが、急なお誘いだったので上手くお話できなくて。まともに目すら合わせられず……初めてだったんです。その、男性の方と2人でお食事なんて」


 あらら、こっちもそういうのダメなのか。


「せっかく誘ってくださったのに、うぅ……」


 上手く行かなかったみたい。

 おじさん、ドンマイだよ。


「実は、今度またお出かけすることになってるんです」

「えっ? それってデートのお誘いかな?」

「分かりません。ですがあんな醜態を晒してもまた誘って頂けるなんて……嬉しい反面不安も大きいと言うか」


 はえ~、お食事の次はデートのお誘い。

 思いの外グイグイ行ってるよ。

 

「デートの日はいつ? 準備とか色々いるだろうし、時間は多いに越したことはないから」

「……です」 

「んっ、なにかな? よく聞こえなかったよ」


 ボソらないでほしいな。

 ほらっ、お仕事の時みたいに元気よく。

 ちゃんとこっちに聞こえる大きさで──


「明日なんです! 明日がその当日なんです!」


 わわっ⁉

 急に大きすぎだよ!


「今日まで色々と考えてたんです! でも日々の激務に追われて準備も気持ちの整理も何もできなかったんです!」


 10倍くらい大きくなってる。

 これ近所迷惑だよ。


「生まれてこの方デートなんて……私、もうどうしていいか分からなくて、うぅ……」


 また泣き出したよ。

 どんだけ思い詰めてるんだよ。

 せっかく好きな相手とのデートなんだからもっと楽しみにしようよ。


「落ち着こうよ、まだ時間はあるんだし」

「たださえこの前ダメダメだったのに。普段からどんくさい所も見られてますし、これ以上失望されたら私……」 

「大丈夫だよ。別に失望とかそんなの全然ないと思うな」 


 元からそうなんだし、今さらだよ。

 

「これってどうなんですか? どうして誘ってくださったんでしょうか? 今までそんな素振り全くなかったのに、なんで急に私のこと……」


 気になるからだよ。

 そのおっちょこちょいな所も含めて。

 なんで分からないのかな。

 

「あの人、やっぱりモテますよね。なのにどうして私なんか……女遊びの一環なんですか? やはり遊ばれているんでしょうか? 根暗な私の反応を見て面白がってるんでしょうか?」

 

 すっごいネガティブさん。

 そうなる思考がすごいよ。


「はっ! ひょっとして仲間内の罰ゲームとかで……うぅ、そんな……」


 もうっ、これじゃ色々ラチがあかないよ。


「あのねステューシーさん、おじさんは──」  

「待って、ミチル」


 むっ、

 

「メイルくん、なんで止めるのかな」


 急に私に耳元に近づいて。

 今から大事な話をしようとしてたのに。

 

「その話は止めておこう」

「なんでかな?」

「勝手にネタバラシするのは良くない」


 ヒソヒソ

 

「なんで勿体ぶるのかな? この2人は完璧に両想いだよ。 くっつくのは時間の問題だと思うな」

 

 私たちが何もしなくても。

 むしろほっといても良いまであるよ。

 

「いや、それは彼ら次第だからどうにも。でもこれだけは言える。これはあくまで2人の問題だ。できるなら当人たちで解決した方が良い」

「そうかな?」


 くっつけば何でもいいと思うけど。


「僕たちはあくまで相談役、サポートに徹しよう。2人が自然な流れで付き合うよう影から見守るんだ」


 う~ん、なんか二度手間のような。

 

「それに第三者が勝手に気持ちを伝えるのは良くない。きっとプロソロも良く思わないだろうね」


 むぅ、それを言われたら……


「ミチル」


 メイルくんのアイコンタクト。

 

「うん」


 わかったよ。


「はあ、明日どうすれば……」


 ステューシーさん。

 相変わらず深いため息ついてる。

 

「なるほど。明日のデートの対策、それがキミの依頼だね」

「はい、すみません……」


 明日のデートの対策。

 それで私たちのところへ。

 おじさんもそうだったけど、この人たち案外似たモノ同士なんじゃないかな。

 結構気が合うと思うな。

  

「でも対策って言っても、具体的にはどうすればいいのかな。私たちでサポートしようにも、当事者全員がデート経験皆無だよ」


 絶対ロクなことにならないと思うけど。

 下手したら悪化するんじゃないかな。

 

「とその前に、一つ確認していい?」

「はい、なんでしょう?」

「ステューシーさんはさ、明日のデートについてはどう思ってる?」


 メイルくん?

 どういう質問かな?

 

「どうとはどういう? もう行くとはっきり返事を……」

「そうじゃなくて。キミの本当の気持ちを知りたいんだ。明日のデートはどうかな、楽しみ?」


 デートって言うのは本来楽しみなモノ。

 そりゃあ不安もあるだろうけど、楽しみさん皆無ならやめた方がいい。

 行きたくないなら無理に行く必要はないんだよ。

 

 そうメイルくんは言ってるっぽい。

 おじさんには気の毒だけど。


「楽しみ、正直よく分かりません……やっぱり不安の方が大きいです。こんな根暗で地味な私が男性と、ましてやあの方とだなんて、身分不相応なんじゃないかって」


 そっか。


「そもそもデートなんて初めてですし、上手くやれる自信なんて到底……でも」


 ギュッって手を握った。


「せっかくお近づきなれたんです。こんなチャンス滅多にありません。せめてやれるだけのことはやりたいです」


 間をおいて、顔を上げた。

 その真剣な目で私たちを見てる。


「できることならなんでやります! お願いします!」


 覚悟がすごい伝わってくるよ。


「決まりだね」 

「うん! その意気だよ、ステューシーさん!」


 よく言ったよ。


「私たちで全力サポートするよ!」


 任せて欲しいな。


「はい! ありがとうございます!」

 


 とにかく頑張るよ!

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