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戦い
私は、常に私と戦っていた。
特段優れた功績、実績があるわけでもない。他人から認められるような人間でもない。
正直なところ平凡未満の人間である。
だが私は常に戦っていた。
人に苦しみを告げず、誰かに愛されもせず、愚かにも孤独な道を進んだ。
私は弱い。
都合の良い理想を願う傲慢さがありながら現実の辛さに尻込みする臆病者であった。
だが私は勝った。
それでも自分の生は諦めなかった。人に嘲られようとも、寄り添う人がいなくとも、すがるものがなくとも、私は生き抜いた。
終戦である。
生きる意味がなくとも、幸せでなくとも、自分の生は全うとした。弱き私のせめてもの抗いだった。
ようやく終われる。やっと休める。もう戦わなくてもよいのだ。