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幻想奇譚

梅香参り

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

梅の香りに惑わされて訪れた先は、きっと何よりも甘く。

幻想奇譚、梅香の君回。


身を縮こめて、部屋の隅で嵐の音を聞いておりました。吹き荒ぶ風の音、止まない雨音。幾度となく鳴り響く警報に飛び上がって、布団に潜り込んだ日のあくる朝。この間の暗雲が嘘のような快晴が目に入りました。お散歩日和です。気温が上がって、初夏の日差し。もう夏はもうすぐだと全てを持って伝えて下さる様です。

それでも嵐の爪痕というのは、そこかしこに。散った花弁、もがれた枝。ところどころに小さな海。でも香りだけは暴風雨唯一の慈悲だとでも仰る様に、芳醇に甘く、甘く、香るのです。さて、ではお会いしに行きましょう。この香りの持ち主に。


鳥居を超えたその先、この間は御祭で一世を風靡した法被姿の方々も今はなく、夏詣いらした参拝者の方々に留まっております。盛り上がって活気着いたこの場所も、華があって大変好きです。けれども、参拝こそが、神社のあるべき姿であるとも思っております。

境内を散歩しながら、何時もと違う光景に私は目を丸く致します。木の根元にころころと身を寄せ合っている青い実。それも一つや二つではなく、大量に。この間の嵐のせいでしょうか? 無事なものもあれば縦に傷を負ったものも何個か。その正体が掠めて暫く無心で見つめます。

「久しぶり。元気にしていたかな?」

膝を折ってその様子を観察していると、後ろから艶やかな低音が。振り返ると、穏やかな笑顔を浮かべた梅香の君が赤く熟れた実を口にしておりました。白から濃い桃色の斑模様。頭に浮かんだのは、梅の一文字。

しかし梅香の君は軽やかに笑って首を縦に振りました。

「当たりだよ。梅の実。この時期になると沢山実るからね」

「その香りにつられて、この場所を訪れたのです」

甘く熟した林檎の様な香り。いいえ、林檎よりももっと甘いのです。けれどもまだ青い実一つだけでは、香りを遠くに飛ばす事は出来ません。あくまで自分の身の回り、存在に気付いた方だけが鼻を近づけてその香りを堪能する事が出来るのです。

私も一つだけ、真っ赤に熟れた実を拾い上げ、深呼吸する様に息を吸い込みました。あぁ、微かながらも深く香る甘さ。これこそが梅の香。

「訪れた参拝者達がね、狛犬とか、牛に、お供えして行ったんだ。憎い事もするけれど、時折、堪らなく可愛いことをするね。人間は」

「では私も並ぶと致しましょう」

私は持っていた梅の実を梅香の君にそっと差し出しました。私も、この参拝者の一人となり、貴方様に祝福を献上したく存じます。

人間って可愛いなぁって。

狛犬とか、牛の置物に添えられた実を見て思った事。


食べているのは、備えられた熟した梅の実だと思います。

経緯になった経緯が、重たいものがあるので、あの言葉。

其れはそれとして、可愛い事するなーと。

結婚式やってましたしね。

本日は割とご機嫌麗しゅうようで、安心しました。


活動報告にも書きましたが、金銭以外のその場にあるものを献上するの、梅香の君的にぶっ刺さり案件な気がします。

持ち合わせるはあるけども、綺麗だったから自由にして下さいってところが。


あ、読み返して思ったこと、

梅香の君って言うほど低音かなー……。

唯一この方は低いって言うのが、九曜様な気がする。

あと強いて言うなら飆靡様……。


渡〜やっぱり誰かと関わった方がいいよ〜。

自分だけの世界に閉じこもるより、人と関わった方世界広がるよ〜?

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