表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山行かば 『瀬原集落聞書』  作者: 櫨山奈績
第一章 昭和二十年 七月
28/135

昭和二十年 七月二十八日 実方辰顕 朝

昭和二十年 七月二十八日 土曜日

最低気温24.5℃ 最高気温31.6℃ 快晴


 朝、繁雪と紘は起きなかった。


 大人達が、怪我人は寝かせてやろうと言うので、辰顕は二人を起こさなかった。


 窓覆(カーテン)を開けて、眩しい陽光が部屋に入ってきても起きなかったので、二人とも、体が相当疲れているものと思われた。


 綜は朝から俊顕や顕彦、栄と一緒に、軍服を着て出掛けてしまった。

 辰顕は、誠吉と周と一緒に、畑に行った。


 誠吉の働きは見惚れてしまいそうなくらい素晴らしかった。

 畑から戻ってからの働きも、一体、如何(どう)いうわけで、こんなに草刈りや薪割りが早いのかと、辰顕が首を傾げたくなるくらいだった。


 正直、紘より手際も良く、紘の分も充分働けていそうな気がする。

 周は、其の静吉の働きぶりに、何度か、うひゃあ、と、喜びの声を上げた。


 其の他は、何時(いつ)も通りの朝だった。


 成子(みちこ)逸枝(いつえ)は、二人で堆肥小屋まで野菜屑を運んでいた。

 貴顕は了の手を引っ張って、自分の家の庭から卵を取って帰ってきた。


 朝の仕事が終わると、子供達は、何時(いつ)も通り庭を走り回っていたし、初も安幾も、実に、何時(いつ)も通りだった。


 こんな朝には、辰顕には昨晩の事が信じられない。


 結局誰にも、紘から聞いた話の内容を何一つ言えない(まま)、辰顕は朝の仕事を終えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ