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98.ユウトさんの条件

 ユウトさんが何かしらレイアさんに条件だしするみたいだけど、照らされた悪者顔に引いているのかユウトさんからの圧なのか、はたまた両方なのか崩れ落ちたままのレイアさんは青い顔をしている。


「あ、あの……」


「二度と俺と俺の周りのやつらに戦いを挑むな。それを約束するなら飯を食ってもいいぞ」


「んな……」


「それが嫌なら、自分で狩りをして調理するんだな」


 おいしそうな香りを漂わせている焼き鳥に焼き魚そして鍋とユウトさんを交互に見つめ小声で何かぶつぶつと呟いたレイアさんは、槍を支えによろよろと立ち上がると


「自分で……やる」


 そう言って森の方へ歩いて行った。


「なんでそんなに俺と戦いたいのかねぇ……」


 と深いため息をついている。

 ゴザレスさんはお腹空いてたみたいで早く食おうぜとみんなを促した。


 初の野営ご飯。

 つけられる味付けにも限りがあるから、あまり期待しないで食べた焼き鳥は思いのほかおいしかった。

 塩はわかっていたけど、どうやら胡椒も使っていたらしくほんのりスパイシー。


 お魚の炙り焼きは、焼き過ぎてしまったのかそれとも元々こういう触感なのか、ちょっとぱさぱさでいまいちだった。白身魚だったから期待したのに残念。


 ただ、野営でこんなに大きな魚はめったにないらしく、野営慣れしてる組はこれも悪くないという。

 このちょっとぱさぱさな魚が悪くないなら、もっと残念な食べ物があるってことだよね。


 私は女神にこの料理召喚能力もらっておいて本当によかったと初めて心の底から思った。


 そして味噌を投入した魚が入ったスープ。あら汁みたいなものよね、あら入ってないけど。

 ユウトさんがアイテムボックスから器を出してくれて、足りない分はコップで代用とした。


 一口スープをすすれば、程よい塩加減と味噌のいい香り。

 焼いたお魚はぱさぱさになってたけど、鍋で煮てある魚はほろほろと溶けていくような感じでめっちゃ美味しい!!


 スープを飲んだオキュイさんがテンションをあげた。


「えぇ!?なにこれ!!めっちゃ美味しい!お魚の出汁なの?え!すごい!ユウトさん凄いよこれ!」


「秘密兵器を入れたからな、美味いに決まっている」


 満面の笑みを私に向けるユウトさん、喜んでもらえて良かった。

 私も食べるならおいしい物がいいからね、気付いてよかった味噌キャベツの存在に。


 気が付くとゴザレスさんはすでにお替りをしており、それを皮切りにトゥイさんやマァルさんもお替りをしてる。


 あっという間にスープと焼き鳥を完食してしまい、残りはぱさぱさの焼き白身だけとなった。

 そこに、片手に何か持ったレイアさんがふらふらしながら戻ってきた。


「ふ、ルルシェが居るとは……この森はなかなか食材に恵まれた島だな。私の力を持ってしたら……これぐらい……」


 ルルシェの肉を片手に何故かちょっと勝ち誇った感じだ。


「おう、よかったな。こっちは〆にモーウの炙りをするけどな」


「モ、モーウだと!?」


 勝ち誇っていたレイアさんがかなり動揺している。

 モーウが何だかわからない私は事の成り行きを見守るしかできない。

 それを察してくれたオキュイさんが私の近くにきてコソコソと教えてくれた。


「あのねぇレイアの大好物なのぉ、モーウ。私も好きだけどぉレイアにとっては金よりも価値があるって感じかなぁ」


 どんなものだろうとユウトさんを見ていたら、アイテムボックスから赤身のお肉が出てきた。

 そのお肉は綺麗なサシが入っている。霜降り肉のことをモーウっていうのかな?


 まだ生肉の状態のモーウを見てレイアさんは……よだれがめっちゃ垂れてる。


「よ~しみんな、モーウ焼き始めよう」


 そういってモーウを一口サイズに切り、串に刺していき軽く塩をふって火で炙っている。

 お肉の焼けた匂いはまるで焼肉屋の匂い。


 この香ばしい匂いが空腹のレイアさんをさらに追いつめているようだ。

 さっきまでルルシェを片手に誇らしげだったのが見る影無く、ただただよだれを垂らしている。


 レイアさんを除く人数分の串を作成したユウトさんは余ったモーウの肉を再びアイテムボックスにわざとらしくしまう。


 私は焼けた肉を手渡され、ひとかけら食べてみればジューシーな肉汁に旨味タップりのお肉、味は牛肉って感じ。柔らかくてとてもおいしい。

 よだれが出るのは頷ける。


 一応と思って私のアイテムボックスにパンがある。

 そもそも海に行って帰るまでに夜ご飯と朝ごはんが必要だろうと思って事前にアイテムボックスにパン系を忍ばせていた。


 ユウトさんが一口サイズに切ってくれているなら、コッペパンの真ん中に切り込みを入れて、このお肉を入れたら、ホットドックぽい何かが出来ると思う。


 カバンに片手を突っ込んでアイテムボックスを開きコッペパンを取り出す。

 ユウトさんにパンの真ん中を切ってもらい、そこに串にささったお肉を入れ、串を取り除けば完成!


 パンに肉汁が染み渡りめっちゃ美味しくなる。

 見ていたゴザレスさんやトゥイさん達も、パンが欲しいと申告してきたのでお渡しするとみんな大喜び。

 元々、みんなで食べようと思っていたからまだまだ在庫はある。


 ユウトさんも自分の分の肉が焼き上がり次第パンを求めてきた。

 レイアさんに見せつけるようにおいしそうにパンにはさまれた肉を頬張るユウトさん。


 それを見ていたレイアさんは、遂に心折れたらしくユウトさんが最初に言っていた条件をのむこととなった。


ありがとうございます!!ありがとうございます!!

ブクマ嬉しいです(*'ω'*)


Twitterで飯テロする暇がないぐらい集中できました。


おかげで普段より早く書けたと思います。(12時45分)

明日も頑張ります!!おやすみなさい!!

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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