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95.無人島

 すごくきれいなここは一体どこなのだろう。

 観光地みたいにお店とかあったら行ってみたい。


「ユウトさんここはなんて言うところなんですか?」


「あぁ無人島だ。人がいない方がゆっくりできるだろ?」


 うぅ残念、お店は無かった。

 でも確かに知り合いしかいないこの場はゆったりできそう。


 気候も暖かく海に入るには何の問題ない。

 水着は持ってないから波打ち際でぱしゃぱしゃとするだけだけど絶対楽しいはず。


 元の世界ではきれいな海に行ってみたいと思いながらも、めったに食べられないおいしいご飯の予約を優先したりして直に見ることが無かった。

 死ぬ前に一度は澄んだ海を見たいと思っていたけど、それも叶わないのかと諦めていたところに異世界できれいな海を見れるなんて。

 思う存分楽しむしかない!


 既にオキュイさんは波打ち際で水を蹴り上げて楽しんでいる。

 は、はやい。


 私も荷物を置いて行こうとしたときにユウトさんに声をかけられた。


「タミエさん、俺とトゥイそれからトゥイの弟で森で食べれそうなものを採ってくる。それまでオキュイと一緒に行動していてくれ」


 わかりましたと返事をするとユウトさんは二人を連れて森に向かっていった。

 この場に残っているのはオキュイさんとゴザレスさんと私だ。

 ゴザレスさんも一緒に波打ち際で遊びませんかと声をかけたら、島を探索してみたいからと断られてしまった。


 冒険者だし、きっとこういう未開の地みたいなところはワクワクしちゃうんだろうな。

 先に海ではしゃいでるオキュイさんの元へ向かい、女子二人できゃっきゃうふふと水の掛け合いや、貝殻拾いをしたりとかなり楽しんだ。


 はしゃぎ疲れた私達のところへゴザレスさんが帰ってきたのだけれど、米俵の様に肩に人を担いでいる。

 無人島のはずなのにどちら様ですか?


 担いでいた人を砂浜にゴロンと転がされたのは、見たことある人だった。


「あれぇ?レイアじゃ~ん。どうしてこんなところにぃ?」


 そう、勇者パーティーのうちの一人だった槍使いのレイアさん。

 しかし意識が無い。


「向こうの浜辺に落ちていた、治せるか?」


 落ちていたって……え?

 そう聞くゴザレスさんに、任せてぇ~と返事をしたオキュイさんはレイアさんに向けて両手を出し


「生命の癒しをキュアーリ!」


 と言葉を紡げば手の前に淡い黄緑色のきれいな光が現れてレイアさんを包み込んだ。

 光は徐々に身体に吸収されていった。

 初めて見た魔法らしい魔法!

 ファ、ファンタジー!!

 全ての光が身体に収まるとレイアさんの手がピクリと動く。


「うっ……」


「レイア?大丈夫ぅ?」


 薄っすらと目を開け声をかけているオキュイさんを認識すると、まだ意識がはっきりしてないみたいでゆっくりと起き上がりながらおぼろげに答えた。


「こ……ここは?」


「無人島だよぉ?」


「オキュイ……どうして……いや、どうでもいいか……助かったありがとう」


 さすが元勇者パーティーのメンバー今でも絆はばっちりですね。

 そこに盛大にレイアさんの腹の虫が鳴り響いた。


「ご、ご飯を……」


 そういうとぱたりとまた砂浜に倒れてしまった。

 今はオキュイさんが居るから召喚するわけにもいかないし、どうしよう。

 ユウトさん早く帰ってきて!


「タミィ?そんな心配しなくても平気平気ぃ。いつものことだよぉ」


 私の顔に動揺が表れていたのか、オキュイさんはこの状況になれているみたいでそこまで深刻になっていない。

 一連の流れを見ていたゴザレスさんはため息をつくと、


「少し待ってろ」


 そう言い残し服を着たまま海に入って行ってしまった。

 残された私はオキュイさんに質問してみた。


「オキュイさん、今までもこういう事あったんですか?」


「うん、割とよくあるかな。レイアって見た目細いのにめっちゃご飯たべるんだよぉ、だからしょっちゅうお腹すかせてて、食費がかさむからレイアだけ自分で獲物狩ってこいって決まりになったりとかしたんだよねぇ、懐かしいなぁ」


 そういえば初めてうちのお店来た時もがっつり食べれるものがあるかって聞かれたような気がする。


「レイアにお金渡すと全部食費に消えちゃうからさ、武器防具揃えるのもなかなか大変でねぇ。結局レイアだけ買わずにダンジョンで手に入れたもので揃えてたんだぁ」


 なんとなくわかる気がする。

 何せ全財産をはたいてうちの料理食べてたもんなぁ。ほかに余力を残すって感じじゃなかったし。


「あ、でもちゃんとやるときはやれる人だよ?食べ物のことに関してはダメダメだけど、戦いの時とかはそりゃもう強いんだからぁ!私も結構助けられたりしたし」


 かわいらしい笑顔で語るオキュイさんはドヤ顔と言っても過言ではない。

 大変なことを乗り越えてきたパーティーメンバーとしてお互いを尊敬しあえるっていいよね。


 そこに森の方からおーいと呼びかける声が聞こえたので視線を向ければトゥイさんが手を振りながら走ってきてる。

 その後ろにはユウトさんとちょっと具合の悪そうなマァルさんがいた。


あああああああ!ブクマありがとうございます!!


コロナの影響で最近流行りのビデオ通話で飲み会みたいなのをしてたら書き始めの時間が遅くなってしまった。


皆さまも自粛でなかなか行きたい場所にも行けず悶々とした日々をお過ごしかと思います。

この騒動が終わったら思う存分おいしい物を食べに行ったりしたいですね。

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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