94.ウェミだぁ!
ようやく意識を取り戻したマァルさんは今度はフルーツを口に入れて再び固まった。
そんなに衝撃的でしたか。
それから気絶しそうになりながらもなんとか完食した弟さんとトゥイさんの間にはさっきのような気まずい空気は消え去っていた。
やはり甘いものは人を幸せにしますね!
なんだかんだいつもよりみんなとご飯食べる時間が長引いてしまってほんのり日が傾きかけているけど、海に行けるだろうか?
ユウトさんの近くまで行き尋ねた。
「ユウトさん、この時間ですけど海に行けますか?」
その言葉を聞いた周りの人達が反応した。
「えぇ!ユウトさんとタミィはこのあと海に行くのぉ?いいなぁ~オキュイもいきたぁい」
「海か!いいな、どこの海行くんだ?俺もつれてけよ」
「なにそれ、もちろん僕も行くけど」
し、しまったぁ!!
皆と仲良くなりすぎてて忘れてたけどユウトさんがテレポートが出来るのを知ってるのはこの場ではゴザレスさんとトゥイさんだけだよね!?
ごめんなさいユウトさん。私がうかつにも口を滑らしてしまったせいで……。
ものすごい罪悪感。な、なんとか誤魔化さなければ。
「あ、あの、海じゃなくて、ウェミっていうこの間隣町にあったお店に……」
「え?海じゃないのぉ?」
「シードゥ町にあったか?そんな店?」
「僕の記憶にはないけどなぁ、新しくできた?」
「あ、あれぇ?お店の名前間違えて覚えてたのかなぁ~あはは……」
ご、誤魔化せたかな?
ふとユウトさんを見れば俯きつつ肩を震わせている。
えぇ、お、怒ってらっしゃいますか?ど、どうしよう。
俯いてたユウトさんが顔を上げたので目が合うと、口を押えて笑い始めた。
「ふっははは、タミエさん良いよここにいるメンツならトゥイの弟以外はテレポートを知ってる」
え?
ど、どういうことです?オキュイさんも知ってるの?
「初めましての弟君それからトゥイ、これからいうことは他言無用で頼む。俺は元勇者をやっていた。勇者の肩書を利用しようとするやつらと関わりたくなくて旅人としてこの町に居る。だから勇者呼びはしないでユウトと呼んでくれ。トゥイにはいつかちゃんと言おうと思ってたんだ、こんなタイミングになっちまってすまない」
それを聞いたトゥイさんがいい笑顔で言葉を返す。
「やっと言ってくれたね、僕は気づいてたけど。っていうかバレてないと思ってるのどうかと思うよ。ミステイスト捕まえに行くときにテレポート使ってるでしょ」
「え、あの時は故郷の秘術って言ったのに信じてなかったのか!?」
「うん」
うわぁ……ユウトさんめっちゃ凹んでる。
弟さんのは純真な感じで、
「勇者様だったんですか!?このことは墓に行くまで秘密にしておきます!」
「お、おう、頼んだ」
キラキラとした瞳でユウトさんのことを見ていた。
すんなりとトゥイさんたちに勇者だったことを告げ、この店の従業員全員が知るところとなった。
ところでオキュイさんは何で知ってるの?
「オキュイさん、ユウトさんが勇者だって知ってたんですか?」
「そりゃ知ってるよぉ~、だって一緒に魔王倒しに行ったんだからぁ~」
はい?今なんて?
「あぁ、そうかタミエさんに言ってなかったか、オキュイはパーティーメンバーだったんだ」
「えぇぇぇぇぇ!!」
も、もしかして私以外はオキュイさんが勇者パーティーにいたことは常識として知ってるやつだった?
勉強不足ですみません。
「せっかくだ、お前らもこの後予定なくて暇してるなら海に行くか?」
せっかく誤魔化しきれたと思っていたのに、あれ、もしかしてバレバレだったやつですか?
ユウトさんが肩を震わせてたのも笑いを堪えてってこと?
……穴があったら入りたい。
「「「「おぉぉ~!」」」」
とてもいい返事をした皆さんはこのまま一緒に海に行くことになりました。
食べていた食器を片付けて、リビングから海までテレポートすることに。
私は事前に用意していた荷物をみんなにばれないようにアイテムボックスから出してお出かけモード。
皆はほぼ手ぶらだけど大丈夫なんだろうか?
ユウトさんは魔方陣を展開させると、
「人数多いからもっと集まってくれ」
と軽いおしくらまんじゅう状態になりながらのテレポートだった。
歪んだ視界が明確になると目の前には白い砂浜、そして海外のリゾート地のような透明度の高いエメラルドグリーンのキラキラと輝く海がそこにはあった。
誤字報告ありがとうございます。
助かりました( ;∀;)
ブクマもありがとうございます。
嬉しいなぁもうすぐ250になりそう。
今色々個人的に進めていることがあって、目途がたったらちゃんとご報告しますね。
明日も頑張って書くぞぉぉ!




