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91.完成の祭り

 あれからしばらくは村の人達に王様と何を話したのかを聞かれることがあったりと色々と営業していない日でも慌ただしかったけど、ようやくそれも落ち着いてきた。


 慌ただしい日の中でマーシェルさんなんかはユウトさんにひしっとしがみついて


「ねぇねぇねぇ何話したのぉぉ~、おいらにも教えてぇぇ!おいらとユウトの仲じゃぁぁん!」


 と駄々っ子のようになってたのは相変わらずというかマーシェルさんらしいって言うか。

 ある意味いつも通りの関係性で私は微笑ましく見ていた。


 そんな日々も過ぎ、正式に村から町へのアップデートでバタバタとしている間に立派な教会が出来て町の人達は喜んでいた。病院の代わりになるような施設が出来るのは安心できるからだそうで、冒険者の人達も質のいい回復薬が手に入れられるからか好評のよう。


 町の人達も今までより活発になったというか、もともと農作業を主としていたけど、それに加えて町の安全面強化ということで冒険者の人達に町に定着してもらおうと、畑の一部で冒険者に必要な薬草類を栽培してこの町に居ればけがをしても教会もあるし回復薬すぐ作れますよという売りにしようと頑張っている。


 おかげでギルドの簡単な採集案件は減ってしまったけど。


 この教会が聖女であるオキュイさんの家代わりにもなり、しばらく宿を貸していた宿屋のおじさんはオキュイさんが宿にいなくなるのを寂しがっていた。


 教会の完成した日には、町中でちょっとしたお祭りみたいになっていて、教会側からも炊き出しみたいな食べ物の提供があったり、オキュイさんのありがたいお話?みたいな時間があったり、町の人露店も出てたりした。


 ユウトさんと一緒にオキュイさんに挨拶し終わると、お祭りモードの町を散策することに。


 道具屋のおじさんは店先で子供たちが楽しめるような宝さがしゲームをやっていた。

 棺桶ぐらいの大きさの箱に色んな色したピンポン玉ぐらいの大きさの石がそれはもうたくさん入っているんだけど、その中からおじさんが指定する石を制限時間内に探し出したら勝ちというゲームだ。

 勝つと景品として指定の石がもらえるらしい。


 楽しそうに子供たちがきれいな色した石をこれじゃないこれでもないと一生懸命探してるのをじっと見つめていたら、おじさんに「タミエちゃんやるか?」と言われてやらせてもらうことに。


 これが本当に難しい、おじさんが指定したのは赤い色した少し縦長の六角形した石で、現在はおじさんの手のひらにある。

 おじさんがそれを掴んだまま箱の中に手を突っ込んで石をかき混ぜていく、どこかのタイミングで石から手を放しているので、この箱の中にはあるのだろうけど、似たような赤い石はいっぱいある。


 よーいどんと合図され子供達と混ざって一生懸命探すが、見つけることが出来なかった。


 大人げなく本気で探したのになぁ。ちぇ~。

 町の散策に戻りつつも、あれは本当に見つけられるのか疑問に思ってユウトさんに聞いてみた。


「あぁ、あれは魔力を感知する能力があると見つけられるんだ。店のおやじが指定してる石は全部魔石って呼ばれてるやつで、魔法が使える奴は感覚的に魔石の位置がわかるようになってる。指定されている石以外は普通の石を魔石に似せてあるだけだからな」


 仕掛けを聞けばそうだったのか!?という思い。

 ってことは私は探し出せないんですね、見つけられる子供いるの?

 ま、楽しい思い出が出来てよかったという事で。



 それから料理屋をやってるおじさんとおばさんのお店も食べ歩きが出来るようにテイクアウトのルルシェサンドを出したりしていた。

 店先ではゴザレスさんとトゥイさんが二人でそのサンドをもぐもぐしている。


「おぉ!ユウト!タミエ!楽しんでるか?」


 ゴザレスさんが軽く手を振りながら声をかけてきた。


「はい。さきほど道具屋さんで石探しさせてもらいました。でも見つけられなかったです」


「そりゃ残念だったな」


「ユウトさんに仕掛け聞いたので、見つけられなくて当然だなぁって思いました」


 はははと談笑をしていた時にふとトゥイさんに視線を向けるとなんだかいつもより元気がない。

 こうやってみんなと笑いながら話に混ざってはいるけれど、心ここにあらずって感じ。

 そういえば前も少し疲れてそうな日があったっけ。


 ギルドの依頼大変なのかな?

 それとも他に何か心を暗くするようなことがあったのかな。


 私の視線に気づいたのかヘラっとした笑顔を向けてきたから、悩みごとだったら相談にのるし、話せば楽になることもあるから聞いてみた。


「トゥイさん元気ないみたいですけどどうかしたんですか?」


「え?そう見えた?」


「はい」


 すこしの間をあけてからぽつりとこぼした。


「タミエさんに気付かれちゃうとは……」


 やっぱり何か悩みがあるんだ。

 私に出来ることは無いかもしれないけど、話は聞きます!


「たいして力になることは出来ないかもしれませんが、お話は聞けますのでいつでも言ってくださいね」


 意気込んで聞いたものの、ありがとうと感謝の言葉をもらっただけで、具体的な話にはならずトゥイさんは眠くなったと言って帰ってしまった。



見に来てくださりありがとうございます!!


まさか4月まで書き続けることになるなんて思ってませんでした。

ブクマや評価をくださった皆さまのおかげです。

本当にありがとうございます( ;∀;)


エタら無いように頑張ります!

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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