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84.教皇様にはこの料理

 一応教皇様にご飯を提供してくると、オキュイさんにも声かけてから王都に行ったほうがいいだろうと思い、ユウトさんと村でオキュイさんを探したけど見つけられなかった。


 うちのお店が営業するまであと二日あるから隣町までもしかすると本来のお仕事に行っているのかもしれない。

 諦めてユウトさんの家に戻りそこからテレポートすることになった。時間が時間だからね。


「タミエさん今から王都へテレポートするが、行き先は王都にある屋敷だ。そこできっと執事に声を掛けられるだろうが、タミエさんは何も喋らずにいてくれ。訳は……後で話す」


 そうしてユウトさんから差し出された手を握り返し、足元に展開された魔法陣が淡く光ると視界が歪み、気が付けば全く見たことのない部屋になっていた。


 床には模様のきれいな絨毯が敷かれ、調度品も品の良いものが飾られていた。

 誰かの寝室なのか大き目のベットが置かれていて、ピンと張られたシーツが物語っているがすでにベットメイキングは完了している。


 ユウトさんが行くぞとアイコンタクトをしてきたので、コクリと頷きユウトさんの後ろに続いて部屋を出た。


 ここは二階だったようで、階段を降りてるとロマンスグレーのダンディな人がユウトさんと私を見つけ声をかけてきた。


「これはこれはユウト様お戻りでしたか、そちらの方は?」


「仕事で急ぐ、悪いが後にしてくれ」


「承知いたしました、後程楽しみにしております」


 ダンディな人へ軽く会釈だけして、スタスタと歩くユウトさんの後を追いかける。

 正面の門まできれいに草木が手入れされており、まさに貴族の屋敷と言う感じだった。


 門には衛兵のような人が立っており、ユウトさんを確認すると深々と頭を下げていた。

 王都だと勇者ってみんな知ってるのかな?

 だからこんな対応になるのだろうか。


 門を出た先には今までと見てきた町とは比べられないほど栄えている街があった。

 今までの町が商店街なら、目の前に広がるこれは商業施設の群衆と言えばいいのかとにかく活気があって店舗の規模も大きい。


 王都では商業エリア、居住エリアと分かれているらしい。

 これが都会ってやつだね。


 ようやっとユウトさんから喋ってい良いよとお許しが出たので早速質問を。


「どうしてあの屋敷で喋っちゃダメだったんですか?」


「あの屋敷は国からもらった勇者への褒美の屋敷なんだ」


 え、ええええええええ!?ユウトさんの屋敷だったの!?

 あんな立派なお屋敷あるのに何であの村に住んでるんですかぁ!?


「もともと自由に冒険者をしていたかったから最初断ったんだが、色々あってもらうことにした。はじめのうちは、宿代がかからなくて便利だなって思っていたんだが、屋敷に居ると商人や貴族たちから手紙が届くんだ。うちの商品を使ってみてもらえないですか?とか以前のお礼をしたいのでお茶会に来ていただけないか?とか。商品は使ったら使ったで『勇者様が使った○○』みたいな謳い文句で商品が勝手に販売されるし、お茶会に行けば娘を嫁にどうかとか言われるし面倒だから基本屋敷には寄り付かないようにしているんだ」


 わぁ……利権っていうのかな?そういうのが渦巻く場所なんですね王都って。


「俺が居ないとわかってからは、そういう類の手紙はめっきり減ったらしいが全くなくなったわけじゃない。主人のいない屋敷では、使用人たちが娯楽に飢えているから新しい物や者があればすぐ飛びついてくる。

 俺が身分関係なく自由にさせているってのもあるんだが、相手がよっぽど位の高い人物でなければ、捕まるとなかなか離れられないから絡まれると面倒と言うことで、タミエさんには黙っててもらったんだ」


「そうなんですね……」


 としか言えなかった。ユウトさんも大変なんだなぁ。

 本来であれば誰かから干渉されなければあの屋敷に居られたわけだし、使用人の人達も主であるユウトさんがいればある程度指示が出たりユウトさんのことだから気さくにみんなと楽しく過ごすだろうから面白い話題もいっぱいあっただろうから、今みたいにはならなかったんじゃないだろうか。


 有名人や地位がある人って大変だなぁ。


 そんなことを考えていたら、もうすぐ着くぞと声がかかる。

 見えた建物はそれはそれは大きな教会で100人以上余裕で入りそう。


 建物に入ると礼拝堂の正面には美しい女神像があった。

 私を召喚した女神に近いシルエットをしている。

 誰か女神を見たことがあるのだろうか?私やユウトさん以外の転移もしくは転生者がいるのかな?


「聖女オキュイから依頼を受けてきたユウトだ。王家の紋を最近貰った店の店主を連れてきた、教皇に面会をお願いしたい」


 近くに居た教会の人を捕まえてユウトさんが教皇様に会えるよう交渉していた。

 しばらく待つよう言われ、礼拝堂に設置されているイスで待機している。


 今回は教皇様に食べてもらうものを決めている。

 雑炊だ。

 元の世界の眠らない街には雑炊の専門店がある。しかも24時間営業らしい。

 以前仲の良かった大学時代の友人が職場のストレスで胃をやられていて、何か胃に優しいお店は無いかと探して見つけたのがこのお店だった。

 きっと土地柄的に仕事でお酒を飲み疲れた人たちの胃に優しいものをというはからいなのかもしれない。


 雑炊は基本タマゴ雑炊でお好みの具を追加していく形式だったから、自分好みにいろいろなカスタマイズできる仕様のメニューのラインナップ。

 何度か行ったけどすべてのパターンを食べきれるほどは行けてない。


 しかしそこそこ種類があるから教皇様に出すには十分。

 にら玉雑炊。

 にらは胃腸の働きを助ける作用があるらしいので、弱っている教皇様の胃には消化の助けになるだろう。


 雑炊なら食べやすいし、タマゴも入って栄養もあるから満足してもらえると思う。


 先ほどの教会の人が私達を呼びに来た。

 いざオキュイさんに色々バラされたかわいそうな教皇様に雑炊プレゼントタイム!


ブクマありがとうございますぅぅぅ!


眠らない街にはたくさんのお店がありまだまだ行けていないところがたくさん。

生きている間に制覇は出来ないと思う。



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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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