8.営業は順調?
日常の朝ごはん昼ごはん夜ごはんをすべて料理召喚にして少しでも経験値を稼ごうとがんばりました。
しかし、残念ながらステータス画面を見ても、例えばハンバーガーを一個召喚したからと言って残り〇〇ポイントでレベルアップみたいな表示はなく。
いつレベルアップするのかわからない状態。
ユウトさんにもレベルアップの目標数値ってどうやったら確認できますか?と聞いたらユウトさんのステータス画面にはちゃんと次のレベルまで〇〇ポイントと表示されているらしい。
勇者と召喚士(料理)じゃ扱いが違うのか。
おのれ女神。
ただ、ユウトさん曰く自動でレベルアップしないのには訳があるみたい。
低レベルの方が経験値が溜まりやすく、特にレベルアップする必要が無い場合はむしろ低レベルで経験値を貯めまくってからレベルを上げた方がすぐ強くなれるそうだ。
例えば、
LV1の時ハンバーガーを一個召喚すると50の経験値がもらえるとする。
LV5の時ハンバーガーを一個召喚すると30の経験値しかもらえなくなる。
同じものを召喚しても、レベルを上げてしまうと差が出来てしまうということ。
ユウトさんも、経験値を貯めるために魔物を狩っていて気づいたんだとか。
だからなるべく低レベルで頑張って経験値を貯めに貯めまくってから一気にレベル上げしたんだって。
大器晩成型とでも言ったらいいのかしら。
そうは言っても最初のうちはレベルが上げられるときに上げてしまっていいらしい。
じゃないと魔力不足を起こしてしまう。
自分がある程度安定したなぁと思ったら、レベル上げをやめて、ひたすらに経験値を貯めまくるとよいらしい。
異世界は奥が深い。
異世界の先輩がいてくれて本当に良かった。
次の営業日までの間に利益で仕入れという名の召喚をして
事前にハンバーガー6個をアイテムボックスに保管しておくことに成功。
これで、当日分と合わせて16人にはお届けできる。
決め事で一日10品と村の人たちには伝えてあるけど、少し多めに仕入れられました~とか言って16人ぐらいに増やすのはありだろう。
とは言っても、本当に何人ぐらい来るんだろう。
次回の開催日楽しみ半分、恐ろしさ半分だ。
いよいよ明日開催日となった日の夜、ごはんを食べ終わってまったりしていたらなんだか外で物音がする。
ユウトさんは薄々何が起きてるかわかっているみたいで、溜息をつきながら外を確認しに行ってくれた。
玄関のドアから薄く外を覗くと数人の人がキャンプをしていた。
これはもしや……。
「お前ら……一応聞くけど人の家の前で何してるんだ?」
「明日二回目の営業日だろ?前回行ったやつらがすげぇ美味かったって言うんだよ。気になるだろ?俺達冒険者は野営には慣れてるし、ユウトの家の前はひらけてるしありがたく使わせてもらってるぜ」
これは……コミケの徹夜組のような感じ!?
会話はよく聞こえないけど彼らが明日のご飯目当てのようだ。
すでに7人ぐらい居て、前回優先チケット渡してる分を合わせたら、事前召喚分を合わせても足りない。
「帰らないとお前らを明日以降出入り禁止にするぞ。村のみんな平等だ。徹夜が当たり前になったら俺も困る。明日早起きして来い」
「そんなぁ~」
ユウトさんが注意をして渋々みんな野営道具を片付け始めた。
全員が撤収するまで家の前でユウトさんが睨みをきかせている。
そんなに村で噂になっているだなんて。
確かにこの世界には無い調味料とか濃い味付けとかでそこそこ噂になるだろうなと思っていたけど、ここまで話題になるなんて。
今日はまだ魔力あるから、ユウトさんにお金を貸して貰って少し増量した方がいいのかな。
でもお金貸してもらうのはなんだか気が引ける。
そもそもがめつく金儲けをするために料理屋を開いたわけじゃなくて、私の日用品が最低限買えるぐらいの資金が集まって、村人さん達と仲良く出来たらいいなぁぐらいの軽い気持ちだったわけで。
こんなことになるとは。
もう絶対明日家の前人だかりヤバいやつじゃん。
私のレベルはいつ上がるんだよぉぉ。
魔力あがってぇ~。
まぁ物珍しいから集まってる人もいるだろうから初めの混雑をやりきったら、この混み具合も落ち着くよね?
想像通り翌朝は家の前が人だかりになっていた。
朝ごはんを食べ終わったユウトさんが列の整理に行ってくれた。
前回の反省を活かして既に次回優先チケットは大量に作っておいた。
そのために芋版を作りぺたぺたしてある。
私の残念な絵柄付きだから偽造なんてできない。
それと、前回ハンバーガーを食べれず悔しそうな人を見たから、当日10品の割合をハンバーガー多めにして、ドーナツとメロンパンを一個ずつにしてそれ以外は変わらず2個ずつ。
お金と商品が書いてある札を交換して席について待っていてもらう。
出来あがった商品と札を交換すればお渡し間違いもない。
まぁ、この方法が通じるのは今の商品在庫数が少ないから通じる技だと思う。
今後魔力が増えたら、ファミレスみたいにテーブルに番号でも割り振って、伝票を作っていこう。
さぁ、どんとこい!
ユウトさんが整列をしてくれていたおかげでスムーズにご案内。
そして、用意した商品札とお金を交換して席で待っていてもらう。
事前に召喚済みのハンバーガーはすぐに提供して、当日分はお金が来てから召喚してお皿に乗せて運んで行く。
個数が決まってるから本当に楽。
16人分配り終わると、コップだけ持って皆さんとの交流を開始。
皆さんとても喜んでくれていてとても嬉しい。
今回はマーシェルさんはいないけど、トゥイさんが一人で来ていた。
トゥイさんはメロンパンを食べていたけど、今日もとろけすぎていて見てはいけない顔になっている。
若干周りが引いてる気がするけどいいのだろうか?
本人はメロンパンの余韻に酔いしれているから気づいていないのかもしれない。
村人さんや冒険者さん達の間ではこの料理屋がものすごい話題になっていて、できれば毎日やってほしいとありがたいご意見いただいたけど、仕入とかあるので~とかわす。
従業員を雇えるだけの環境が整っていないのに、毎日やるなんて、私もそうだが手伝ってくれているユウトさんが疲れてしまう。
そういえばユウトさんの本業って何だろう。
営業日当たり前のように手伝ってくれるけど、他のお仕事ってしてるイメージないな。
勇者やめてオミの栽培だけ?
そういう話してなかったなぁ。
今日の夜にでも聞いてみよう。
食べ終わった人達はまったりと雑談をしてしばらくすると仕事に戻っていく。
トゥイさんだけずっととろけたにやけ顔で微動だにしてないんだけど、冒険者のお仕事は今日はいいのかな?
「トゥイさん、来て下さりありがとうございます。お仕事はいいのですか?」
ゆっくりとこちらを振り返りにやけた顔のまま
「大丈夫です。ゴザレスにお願いしてきましたから」
そういってまたどこか遠くを眺めている。
まぁ、そのうち帰るだろうと机の上のお皿を片付けたりしていた。
トゥイさん以外は帰ったので、私達もお昼ごはんをいただこう。
みなさま、お時間作って読んでくださりありがとうございます!!
寒いですから風邪をひかないように気をつけてくださいませ。
作者は絶賛風邪とお友達してます。




