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72.プレート効果

 魔除けをもらって初めの営業日。

 営業前にいつも通りゴザレスさんがうちに来てさっそく外に飾っておいたプレートに気が付き、それはもう驚いていた。


「おはようタミエ。外のプレートどうした!?」


「えっとぉ、色々あっていただきました」


 曖昧な説明をしたら呆れられた。

 だって、ユウトさんのお友達かと思って対応してたら国王でした。って誰が信じてくれるのだろうか。

 王都には行ったことが無いけど遠いと聞いている。しかも国王という身分なのに、そんな人がわざわざここまで一人でやってくるなんて信じてもらえるわけがない。


 私だってまさかこんなすごい魔除けが来ると思わなかったし、そもそもルディさんが国王って言うのも知らなくて本当よく不敬罪にならなかったなぁと遠い目をしてしまいそうなのに、他人にうまく説明なんてできない。


 ユウトさんも来て、従業員全員揃ったので軽い朝礼もどきを。

 せっかく作ったお店の名前の入ったエプロンを二人に渡して、店の名前を大発表。


「えっとプレートのことはさておき、今日はお店の従業員として働いてくれているお二人にユニフォームというか、前掛けをプレゼントいたします。この前掛けはオーダーメイドでお店の名前が入ってます。今までお店の名前はありませんでしたが、この度つけることにしました。名前は前掛けに書いてある通り『多種多様』です。お仕事中はこの店の人間だとわかるように着用してください」


 ゴザレスさんはユウトさんに教わりながら前掛けをしっかり腰辺りで巻いた。

 二人とも喜んでつけてくれて私も嬉しい。

 こうやって三人お揃いの物を身につけているって言うのが仲間感があっていいよね。

 ゴザレスさんは不思議そうに問いかけてきた。


「店の名前が出来たから看板もそのうち作るのか?」


 はっ!そうか、いままでメニューを書くための置き型看板しかなかったけど、店名の入った看板を作らないと!すっかり前掛け作るだけで満足してしまっていた。


「じゃあ、ロム爺まだいるし追加で作らせればいいんじゃないか?」


 道具屋のおじさんに頼まなきゃと思っていたけど、ユウトさんからアドバイスがあったのであとでロムオンさんにお願いしに行こう。


 二人からお店の名前については特に何も言われなかったから、たぶんいいってことだと解釈しちゃうもん。


 さてそろそろ開店しますか!



 案の定というかそりゃあもうお客さん達から質問攻めを受けましてね。

 分かっていたこととはいえ、ここまでの影響力があるとは思っておらず普段どおりの営業なんて無理でした。


 食べに来ていたマーシェルさんがやたらと興奮していて、接客をしてくれているユウトさんを捕まえて色々聞き出そうとしていた。


「ちょっとユウト!どういうこと!タミエちゃんのお店王家の紋があるんだけどなんで!?なんで!?聞いてないよ!」


「あぁ、言ってないからな」


「こういうことはおいらにちゃんと教えてよ!おいらとユウトの仲じゃん!ひどいよぉぉぉ~」


「うるさい。いいから食え!」


 ユウトさんだけでなく私ももちろん質問攻めを受けてますよ。


「タミエちゃん!王家の紋があるってことは王族の人がこの店に来てたのかい?」


「さ、さぁ?どうでしょう。普通に営業してただけなんですけど」


「あの紋があるってことは、今後もここを贔屓にするってことだよな?そしたらいつかお忍びの王族さんと一緒に飯を食うことがあるかもしれないってことだよな?」


「ど、どうでしょう……」


「王族用の料理とかも出すのかい?」


「いや、そんなすごい物作れませんよ。すみません、まだ注文の料理あるので失礼します」


 ほぼずっとこんな感じで店中が賑わっていた。

 営業が終わり、従業員一同リビングにてぐったりとしていた。


 外の整列をお願いしてたゴザレスさんは、待機してる人達に質問攻めされ、さらにご飯を食べ終わった人にも再び質問攻めされとめちゃくちゃ大変だったらしい。王族関係者誰だったのか知らないのか?とか、並んでてて気付かなかったのか?とか。


 実際はお店の営業中に来たわけじゃないからねぇ。ゴザレスさんは何も知らないんだよお客さん。


 疲れた時には何がいいだろうか。

 お肉食べたいけど、ステーキみたいながっつりした気分じゃないんだよなぁ。

 食べやすい感じでお肉とお野菜とすこしニンニクが入ってそうな何か……

 野菜炒め?生姜焼き?


 う~ん。

 スマホの画面をスクロールして夜ご飯を探す。


 ゴザレスさんもユウトさんもぐったりしててまだ料理を決める気力が起きていないけど、私はお腹すいたので先に決めて食べます。


 どんどんスクロールしたところであるものが目にとまった。

 これだ!


<タミエの夜ご飯3>

 魔力6  金額600V


 出てきた私の夜ご飯は豚キムチ鍋。

 鍋と言っても独身貴族なんで一人前しかありません。

 肉も野菜もそしてキムチにニンニク入ってるから元気になれそう。


 湯気といい匂いを出している鍋を二人が見つめてくる。


「「それ食べたい!」」


 さっきまでぐったりしていたのに匂いにつられてがばっと起きて食べたい宣言。

 鍋の魅力に二人はイチコロでしたね。いっぱい食べれていいよね鍋。


 二人にも豚キムチ鍋を召喚して取り皿を持ってきてみんなでいただきます。

 一口目から豚肉をもぐもぐ。う~~ん!おいしい。お鍋だと余分な脂が取れてさっぱり食べれる!

 お野菜もキムチの程よい辛みと合わさって絶妙です。


 ユウトさんがご飯が欲しくなったらしく、おにぎりを注文してきた。

 それを見たゴザレスさんもおにぎりを注文。


 ご飯が欲しくなるのすごくわかるけど、私はお鍋の出汁であとでおじや作る予定だからまだ出さない。


 男性陣は食べるのが早く、汁まで飲み干している。

 私はようやくお鍋の具をだいたい食べつくしたので、ここでアレを召喚。


<タミエの朝ごはんセット3>

 そう、タマゴかけご飯のセット。

 これをお鍋に投入してぐるぐると混ぜれば、はい完成。

 本当は再度火にかけるとよりいい感じになるけど、まだそこそこ熱そうだからいっかと手抜き。


 これを見てたユウトさんとゴザレスさんが驚愕の顔をしている。


「タ、タミエさん……それはあんまりじゃないか」


「そうやって食べると何故教えてくれなかったんだ」


 二人から批難されるけど、そんなこと言ってもこれが正式な食べ方じゃないから文句を言われても困る。

 うらめしそうに見てくる二人の視線に耐えられなくて、取り分け皿に少しずつ分けました。

 わ、私が悪かったのだろうか……。



ブクマありがとうございます!!


今日は少し暖かくて過ごしやすかったですね。

花粉が猛烈に目を攻撃してきましたけど。


キムチ鍋・・・食べたくなってきた。

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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