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65.なんでお前がここにいる

ユウト視点

 横に長いソファーにだらしなく横たわっている、こんなところに居てはいけない男が居た。


「おぉ!ユウト久しぶりだな!元気でやってるか!?ガハハハッ!」


 執事さんよぉ、本当に()()()やってるなぁ。


「一応聞くが、()()()ここで何やってるんだ?」


「あ?現実逃避だよ」


「ほぅ、この国の国王がこんなところで現実逃避ねぇ~」


「おいおい、そんな堅苦しい肩書で呼ぶんじゃねぇよぉ~。俺とお前の仲じゃねぇの!」


 ため息しか出てこない。

 絶対城で宰相がカンカンになってるだろうというのが目に浮かぶ。


「お前仕事いいのかよ?書類また溜まるぞ?」


「なぁにお前が居なくなってから5年経ってるんだ、俺の息子も大きくなってな今勉強させてるところよ!」


「要は息子に丸投げしたんだろ」


「そうとも言うな!」


 憐れ息子。

 こいつが引退したら立派な王になるんだぞ、俺は応援してるからな。


 ルディと話していたらコンコンとドアがノックされる。


「お待たせいたしました夕食の支度が整いました」


 ラングがそう伝えると、だらしなく横たわっていた国王がむくりと起きてちゃきちゃきとダイニングへ向かって行く。

 この慣れた感じ……結構頻繁にここに来てるなルディのやつ。


 ようやくダイニングで落ち着けることが出来た。

 久々にここでの食事、何が出てくるかな~。

 出てきたのは前菜のサラダでコース料理が確定した。

 ま、国王相手じゃこういう飯になるよな。


 飯を食いながらもルディが話しかけてくる。


「どうよ最近、なんか面白いことあったらしいじゃねぇの」


「別に何もねぇよ」


「ウソつくなよ、アクトゥーク男爵一派を捕まえてくれたらしいじゃねぇの」


「あぁ……あったなそんなこと」


「いやー、俺も管理し切れてなくて申し訳ないとは思ってるんだぜ?奴ら中々尻尾出さないからよぉ。だから商業ギルドと奴隷市場の長達が捕まえたって言われた時、ウソって思ってさぁ~」


「じゃあしっかり仕事してくれ」


 なんだよ「はぁ~~~い」って。返事に全く仕事する気持ちがこもってない。

 いい年したおっさんがだらしなく返事してるだけじゃねぇか。


「ま、おめぇがかかわってるなら解決も頷ける」


「そんなことより、いつ帰るんだ?早く帰らないと宰相が暴走するぞ」


「しばらく帰らん!可愛い子には旅をさせよって言うだろ?俺がいないことでいい経験出来ると思うんだわ俺様の息子」


「帰れ。っていうか送ってやるよ執務室まで」


「やめてくれ!宰相が俺にいっぱい仕事押し付けてくるからちょっとした抵抗だよ。あいつも少しは他人を思いやる気持ちを学ぶべきなんだ。それにほらここ安全地帯じゃん?」


「お前の為の安全地帯じゃない」



 そうなのだ。この敷地だけこの国の法が通用しない。

 国が無理やり勇者である俺に言う事を聞かせるようなことをさせない為に法で縛られないらしい。

 勇者がよその国に行かれるよりも自国の領土を少し差し出してでも留めておきたいんだと。


 なので、ここには許可があるもの以外立ち入ることが出来ない。

 その許可は俺がここに住んでいれば俺が出すが、執事のラングに任せっきりだからラングが宰相の侵入を許可しないと言えば宰相はこの敷地に入ることが出来ない。

 ルディとラングは幼馴染というか悪友というか二人して宰相を困らせている。

 今は俺がいるからラングも俺の意見に従うだろうけど。


「もう後3日ぐらい居させて~」と泣きつかれたが、俺は明日の朝には王城に届けるつもりだ。


 食事もデザートが出て終わりという時に、そういえばとルディが話を振ってきた。


「そういや、おめぇんとこの村に新しい料理屋が出来てそれがヤバいうまいらしいな。お前は行ったのか?」


「あぁ、営業日はめちゃくちゃ混んでいるぞ」


「そうか、そんなに旨いのか。王城に招待したら来てくれるだろうか?」


「それはさせない。ルディが呼んだとなったら、料理人が変な奴らに目をつけられちまうだろ!」


「なんだ知り合いか?」


「あぁ」


 絶対にタミエさんを守る。こんな奴に見つかったら永久に城で暮らさないか?と打診してくるに決まってる。

 最悪王の命令で城にいなければならなくなってしまう。

 何としてもそれは避けねば。


 それに城にはイケメン騎士団長とかその他タミエさんに好意を持ちそうなやつらがいるかもしれない。

 これ以上ライバルはいらねぇんだよ。


「なぁ勇者様~お城がダメだったらこの家にお招きしない?」


「却下」


「ケチ!」


「ケチで結構!」


 ふぉふぉふぉってにこやかに部屋の隅にいたラングが笑っている。

 ったく、自由にやっていいって言ったのは俺だがこんな迷惑なやつ家に入れるなよ。


 その後は俺は風呂に入りさっさと寝た。

 ルディのやつはラングと酒を飲みながらしばらく話してから寝るらしい。


 はぁ、俺はこんなおっさん達じゃなくてタミエさんと一緒に居たいよ。

 早く帰りたい。

誤字報告ありがとうございます!!めっちゃ間違えててすみませんでした。


そしてブクマもありがとうございます。

(*'ω'*)うれしい。とてもうれしい( *´艸`)


明日もがんばります。

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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