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57.新しい出会い(飯)に感謝

ゴザレス視点

 キッチンにいたタミエの手には見知らぬ板がありそこから光の玉が出てきたかと思えば、その中から皿に乗った黄色い何かがあった。


 何が起きたんだ。そんな魔法があるのか?食べ物を生み出す魔法?

 ユウトが勇者で色々できるのはまだ百歩譲って理解できる。ユウトが使う魔法だって数は少ないがほかの人間も出来るやつはいる。


 だが、今目の前で起こった食べ物が出てくる魔法はそこそこ長く生きているがみたことが無い。

 どうなっているんだ。


 しかもあからさま動揺しているタミエ。秘密にしていたことが俺にバレてどうしようかと思っているに違いない。

 正直俺も混乱している。


「み、見ました……よね?」


「……あぁ」


 何と答えたらタミエが落ち着くかわからないが、見てしまったものはしょうがない。正直に話した。

 それと気になったことを聞いた。


「今のこと、ユウトは知っているのか?」


「あ、はい」


「そうか……。秘密だったんだよな?」


「え、えぇ」


 まぁそうだろうなユウトはわかってタミエをこの村に連れてきたんだろうからな。

 もしや俺の発作のためにうまい飯作れる人を? ……それはないな。


 俺は本来の目的を忘れリビングに戻ろうとした。

 だが、リビングの入口でトゥイとユウトのやり取りをみて何の為にキッチンに行ったのかを思い出し引き返すと、ぎこちなく振り返るタミエがいた。

 ギギギと動作の悪い扉みたいな音がしそうな動きで少し笑いそうになってしまった。


 伝えたかった魔族であることの秘密を他言しないように頼むと同時に、俺自身も今日知ったタミエの魔法の秘密を守ると約束した。

 俺を魔族と知ってもなお、普段通りに接してくれる大切な人間が増えたのだ。この誓いは絶対守ろう。


 先にリビングに戻るとすぐにタミエが来た。先ほどのぎこちなさはなくっていた。



 俺の発作もユウトのおかげで治り、トゥイの機嫌もタミエのおかげでなおり二人には本当に感謝しかない。

 食べ終わった後、街灯のない真っ暗な道を俺とトゥイは家に向けて歩いていた。

 それぞれ家は別だが村への一本道を進んでいるときにトゥイが不思議そうに俺のことを覗きこんできた。


「ねぇゴザレス?なんかいいことあった?」


 俺はそんなに分かりやすい顔をしてるだろうか?

 確かにいいことはあった、理解者が増えたことはとても喜ばしいことだ。

 何より、タミエと秘密を共有してるというのがなかなかに楽しい。気心知れたトゥイにすら言わないのだから。

 だからはぐらかすことにした。


「あぁ、久々にユウトと本気で殺り合えたからな。あいつ、平穏なこの村にきてだいぶ経つから腕が鈍っててもいいはずなのに、今回も全然勝てなかった。しかも手加減してやがる。次に発作が起きたときはどう戦ってやろうか考えるとわくわくするからな」


 これも嘘じゃない。本当にユウトは強いままで悔しいが今の俺じゃあ勝てない。だがそれが楽しい。

 俺も鍛えたらもっと強くなれると思えるからな。


「ふ~ん」


 声的にはつまらなさそうに返してきたトゥイだが、顔見れば少しニヤついていた。


「トゥイ、ありがとうな」


「どういたしまして!」


 いい笑顔で返しやがって。

 ったく俺より年上は多くを語らずってか。

 俺は本当に恵まれているな。同族からは疎まれているだろうが、悪縁を切れば良縁が舞い込んでくるもんだな。



 それからしばらくは今まで通りの生活をしていた。

 そんなある日、日が暮れはじめて薄暗くなってきた時間に、ギルドに依頼達成報告をしに向かっていたところ正面からフードを被った男が小走りにやってきた。わざと気配を少しだけ滲みださせて俺に向かってくるから、そいつがユウトだとすぐに分かった。


 何も言わず俺の腕を掴み人気のない路地までつれてくると言いたいことだけを言ってテレポートしてしまった。


「面倒な奴が村にいて見つかるとまずいんだ。俺はしばらく王都で隠れる。その間店の手伝いとタミエさんのことを守ってくれ報酬はだす。俺の家で泊まって護衛して変な客を追い返してくれればいい。それから多分タミエさんに頼めばご飯作ってくれるはずだ。悪い話じゃないだろ?ただし、タミエさんに手を出したら……半殺す」


「おいおい、人に頼み事するくせにその言い草はなんだよ」


「時間がないんだ、あとは頼んだ」


 ったく、あれが人にものを頼む態度かねぇ。

 まぁ、報酬はともかく飯がタミエの飯を食えるのはいいな。


 大通りに戻ろうとしたとき、ふらふらとしつつも隙のない槍を背負った女とすれ違った。

 ぶつぶつと何かを言っていたがよく聞き取れなかった。

 タミエの料理屋の噂が他の町でも広がっているのは知っている。

 見知らぬ女はきっと食べに来たのだろうが、あの様子じゃお目当てのものが食べれなかったのか?


 どこかで見たことがあるような……思い出せん。

 縁があればまた会うこともあろう。



 ギルドに報告し終わった後は、ユウトに言われた通りタミエの護衛をすべく家に向かった。

 家に行くと、夕食を食べている途中だったらしく見たことのない料理が机の上にあった。


ブクマありがとおおおおございますぅぅぅ。


眠くて仕方ないです。(なう2時)

本当に毎日更新してる人凄すぎる。

ストックがある人もすごい。


そして眠いのに深夜のご飯の誘惑がヤバい。(カップ麺食べてしまいたい衝動)

が、頑張って誘惑を断ち切るもん。


・・・ほんとだよ?

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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