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55.パスタパーティ?

 さてさて、ユウトさんがここに帰ってこられないのは女騎士さんに絡まれるからなんだろうな。

 でも私に女騎士さんを追い返せるような案なんて何にも思い浮かばない。


 やはり、村で情報を集めてもらってここに住んでる冒険者じゃなくて、旅の冒険者とかそういうことで納得してどこかに行ってもらうしかないのかなぁ。


 どうしたものか。


「ねぇねぇタミエちゃん」


「はい?」


「ゴザレスと一緒に生活してて特に問題とか起きてない?」


「はい、別に困るようなことはありませんよ。優しくしてもらってます」


「へ~、()()()()()~」


 ちらっとゴザレスさんのことを見るマーシェルさん。

 すると、スッとゴザレスさんは席を立ちマーシェルさんを担ぎ上げ「すぐ戻る」と言って外に出て行ってしまった。

 担がれたマーシェルさんは、ちょっと慌てた感じで「待って!」と必死に抵抗してたけど、今のやり取りになんかおかしいところでもあったのかな??


 本当にすぐ二人は帰ってきた。

 開口一番に「な~んだタミエちゃん知ってるんだぁ~!言ってよぉ~」とマーシェルさんに言われ、一瞬何のことかわからなかったが、多分ゴザレスさんが魔族だってことなのだろう。だから、問題が起きてないかという遠回しな質問をしてきたことに気付いた。


 そもそもマーシェルさんと会うときはだいたい営業中だから、周りに人がいるときにそんな話するはずないし、他人の秘密知りましたよって報告する必要もないのに「言ってよぉ~」とか何を無茶なことを言っているんだろう。


 マーシェルさんはノリで生きている人っぽいし、その辺は適当に流すことにした。

 ニコニコとやたら楽しそうなマーシェルさんだけど秘密を共有しているのが楽しいのかな?

 ご機嫌なマーシェルさんはさらに驚きの情報を投下してくる。


「そうそう、そのレイアってね、お金ないから今食事処で皿洗いさせられてるんだよ。ウケるよね元勇者パーティだった人間が皿洗いとかぷぷっ!」


 そういえば有り金全部使ってサンドイッチ食べてたっけ。

 っていうか勇者パーティの一員ならきっと強いんでしょ? 冒険者ギルドで案件受けたらいいんじゃないの? そんな質問を投げかければ、返ってきたのは


「ほら、うちの村のみんなこのお店に来るために稼ぎたい人で溢れてるからさ、今余っている案件は採集案件ぐらいしかないんだってさ。レイアって人戦闘については強いかもしれないけど、採集とかチマチマしてるの苦手らしいんだ。ギルドの受付のお姉さんにほかに案件は無いのか!絡んでたらしいよ」


 この村今一番安全なのかもしれないね。

 魔物さん達がこの周りに住み着いても、すぐ冒険者たちに狩られる状況になっているようだし。

 今の話から、状況を冷静に見ていてたゴザレスさんはあっさりとユウトさんがすぐ戻ってくると言った。


「そういう人物なら、そろそろこの村を離れるだろう。戦闘狂な人間が戦闘しない日を長く続けられないだろうからな。すぐ出ていく」


 マーシェルさんと二人でなるほどぉ~っと声が重なる。

 魔族で本来破壊が好きな種族の方の言葉の重みはやっぱ違いますね。


 それじゃあユウトさんはしばらくしたら戻ってくるんだね。

 すこしモヤモヤしていた心の内がだいぶスッキリした。


 素敵な情報を持ってきてくれたマーシェルさんにちょっとはやい夕食をご馳走しますよと言ったら、めっちゃキラキラした瞳で行儀よく席で待機してくれてた。



 先日ゴザレスさんがパスタに苦戦してたから、マーシェルさんにも実験台になってもらおう。

 いろんな味が楽しめたら楽しいよね。

 そう思い、ペペロンチーノとミートソース(とある土地風)とカルボナーラの三種類を召喚。


 小皿を用意して、みんなでいろんな味を楽しもう!の会を始めようと思います。



 三種のパスタを持って行くと一度見たことのあるゴザレスさんはペペロンチーノにめっちゃくちゃ反応してるし、麺類を見たことが無いのかマーシェルさんもテンションが上がっている。


 とりあえずそれぞれのパスタにフォークを添えて、見本代わりにくるくると巻いて自分の小皿にのせてみた。

 二人とも見よう見まねでくるくるとして自分の小皿に乗せている。

 マーシェルさんは器用にお皿に乗せその塊を自分の手元にあるフォークで少しだけ巻きなおして一口で食べていた。

 一番最初に食べたのはミートソース。王道中の王道。キラキラしていた瞳がより一層輝きを増した。


 ゴザレスさんに至っては、ペペロンチーノをそれはもう特大に巻いて自分の皿に乗せていた。

 私も二人に食べきられてしまう前に小皿に取り分けておかないと。


 わちゃわちゃと三人でパスタを食べた。やっぱり気心しれた人達で食べるご飯はおいしい。

 今後のメニューに加えるかどうかはその意見を聞いてからにしよう。


 マーシェルさんは、三つの中だったらミートソースが好きらしい。一番最初に食べた印象が忘れられないんだって。

 ペペロンチーノもカルボナーラもおいしかったらしいけど、ミートソースが一番だそうで。

 食べにくくないか?と聞いてみたが慣れれば簡単だし何よりおいしいから今後もぜひ食べたいとのありがたいご意見。


 ゴザレスさんは先日同様ペペロンチーノ推し。

 すこし食べにくいけれど味が好みなんだって。

 ミートソースが次点で好きらしく、カルボナーラは普通らしい。


 二人の意見だと、味はどれも大体オッケー。

 ただし、慣れないと食べにくい物ってところだろう。


 とりあえず、二人分の意見は取れたから今度トゥイさんにも食べてもらってそれでメニュー化するかどうか決めよう。

 お客さんはこの世界の人達だから、需要を確認しないとね。

 食べにくい物出してもそのうち頼まれなくなっちゃうなら継続して食べてもらえる別の料理を新メニューにした方がいいよね。


 協力してくれた二人には感謝感謝です。

 早くユウトさん帰ってこないかな~。新メニューの相談したいな。


ブクマありがとうございますぅぅぅぅ。


結局今日も2時過ぎに寝ることになってしまった。

そうそう、次のお話はゴザレスさん視点予定。


予定は未定である。

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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