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54.行方不明の理由はもしや・・・

 村で女騎士さんが一人でいるのを見かけたけど別行動中なのかな。

 全く状況がわからないなぁ。


 一先ず家に帰り、買ってきたものを整理する。

 ユウトさんが一体どういう理由で家に帰れないのかがわからない事が私をモヤモヤとさせる。

 しかしいくらここで考えたところで答えなど分かるはずもなく悶々とするしかなかった。


 ゴザレスさんと夕食を食べその日を終えた。



 ユウトさんが居なくてもお店を開いている。お金は稼げるときに稼いでおかないとね。

 ゴザレスさんがユウトさんの代わりに外の整列をしてくれているので今までと変わらずスムーズにお客さんをお通し出来ている。


 トゥイさんもお店にご飯を食べに来てくれたんだけど、ゴザレスさんお借りしててすみませんって言ったら、「言ってくれたら僕もお手伝いするのに!」と何だかぷりぷりしてここに滞在しようとしていた。

 ただでさえゴザレスさんに満足にベットも用意できてないのに、トゥイさんの分もだなんてちょっと無理。

 しかもこの村で強いゴザレスさんとトゥイさんが二人とも抜けてしまったら、いざ何かあった時に困るだろうから、村の安全はトゥイさんにかかっていますとお願いしてなんとかお帰りいただいた。



 元々いつか自立をしなければいけなかったのだから、その予行演習だと思うことにした。

 今はありがたいことにゴザレスさんが居てくれているけど、本来は冒険者だからずっとこのままという訳にはいかない。

 誰か人を雇わなければいけないし雇うならその人たちへの対応も考えなければいけない。

 どれぐらいの給料が出せるのか、どういう条件で募集するのかとか。


 今回は本当にいい機会になりそうだ。



 数日経ったけどユウトさんからは何の連絡もない。

 着々と私の新しい家兼お店が出来上がっていくというぐらいの時間が経っているのにだ。


 出来上がったら勝手に引っ越しちゃうんだからね!

 って何をそんなにユウトさんを気にしてるんだろう。家主だから?

 いや、そこそこ長く一緒にいるのに理由をちゃんと言ってくれないってことだとよくよく考えて気付いた。

 信頼っていうかそういうの無かったんだなぁ。慌てててもゴザレスさんにはちゃんと伝えてるんだもん。

 なんかちょっとショック。



 最近はお店をやっていない日はゴザレスさんに少し鍛えてもらっている。

 自分の身は自分で守れるようになっておかないとね。

 短剣の扱いを少々。護身術程度でもないよりはマシでしょ。


 そんな訓練をしている最中にマーシェルさんがやってきた。


「タミエちゃーん元気~?」


「はいっ!ゴザレスさんに体力つけさせてもらってます」


「ゴザレス教えるのうまいもんねぇ~」


「今日はどうされたんですか?」


「面白い情報仕入れてきたよ~」


 面白い情報?ゴザレスさんと顔を見合わせ頭に?を浮かべる。

 マーシェルさんが来たし一旦訓練を休憩することにして、みんなでリビングで一休みしながら面白い情報とやらを教えてもらう。


「じゃっじゃーん!すでにタミエちゃんは会ってると思うけどここ最近この村にレイアっていう元勇者パーティの人がこの村に滞在してるのは知ってるよね?」


「はい」


「実は彼女、戦闘狂なんだって!」


 ???

 唐突な戦闘狂という言葉に頭が全く追いつかない。

 どういうことだろう。


「ほら、魔王倒してさ強大な敵って言うのが居なくなったでしょ?彼女しばらくダンジョンに籠ったりドラゴン探しに行ったりこの5年色々してたんだって。でね、自分がどれぐらい強くなったのか調べるために、いろんな町に行ってその町の一番強い冒険者に勝負を挑んでるらしいんだよ」


 お、おぅ……。なんでこの村に……。


「ほら、だいぶ前にアースドラゴンの群れが隣町との街道に現れたじゃん。その時の討伐メンバーの中で一人でアースドラゴン倒しちゃう奴が居たって話が隣町で話題になったらしくてさ。アースドラゴンは硬いから複数人で何度も攻撃してやっと倒せる魔物なのに、一人で倒したって言うのが彼女の耳に入ったらしくてさ。隣町で討伐に参加した人たちに聞きまわってどこの誰かっていうのを聞いて、その町に居ないってわかったらしくてさ。ってことは必然的にうちの村に居るんじゃないかって彼女は今情報収集してるんだって」


 あ~~~察し。

 そんなこと出来そうなのユウトさんぐらいですよね。

 ゴザレスさんも出来るかもしれないけど。ゴザレスさんが戦っているとこ見たことないしわかんないな。

 トゥイさんは……なんていうか魔物相手より人相手の方が得意そうだしね……うん。


「ゴザレスさんは狙われてないですか?」


 そんな質問をしてみると


「うちの村からの討伐メンバーはゴザレスがトゥイと連携して戦っているの見てるみたいで対象外になってるんだって」


「確かに俺はトゥイと一緒に戦っていたな。それにトゥイ以外とも連携したりしていた。ソロでアースドラゴンとやりあうなら本来の姿ならないとちょっと難しい。あいつら硬いからな」


 という答えが返ってきた。

 はい、ユウトさんしかいませんね。


「でもユウトが今居なくなってるでしょ?だから村のみんなで知らぬ存ぜぬしてるんだ~」


 え?村のみんながどうしてそんな協力し合ってるの?


「ユウトは隠してるつもりかもしれないけどさ、勇者でしょ?いくらこの村が王都から遠いって言っても、さすがに名前や特徴ぐらい伝わっているしね。理由があって素性隠してるなら詮索はしないさ。村としても勇者に居てもらった方が安全だし良いからね」


 ユウトさぁぁん!!

 村のみんなにバレバレでしたよぉぉぉぉ!


「タミエちゃん、ユウトには村のみんなに素性がバレてるのは内緒にしてね。いつかユウトから話してくれるの待ってるんだ。楽しい昔話として話してくれるのをさ」


 そういってマーシェルさんは、この後すごい楽しみがある子供みたいに無邪気に笑っていた。


 そして、もしかしなくてもユウトさんが帰ってこないのは女騎士さんのせいだよね。

わあああああ!ブクマと評価本当に本当にありがとうございます!!

テンション上がりまするぅ!!(*'ω'*)



早くスキルレベル上げたいぞぉ!

がんばってタミエ!いっぱい営業して経験値貯めて!


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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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