48.バレました、ゴザレスさんに。
み、み、み・・・見られたぁぁぁ!!召喚するところ見られたぁ!!
今プリンが出てくるところ絶対見たよね?
え!?な、なんでゴザレスさんがキッチンに?
混乱中の私。
「ゴ、ゴザレスさんもプリン希望ですか?」
ぬぁに普通にプリンの希望とか聞いてるんだろう自分!
違う違う!そうじゃなくて聞きたいことあるでしょうが!!
「み、見ました……よね?」
「……あぁ」
あああああああ!!
ですよねぇぇぇ!!
仲の良い人達だからって油断してたぁ。
ど、どうしよう・・・。
私の料理の秘密を知ってしまったゴザレスさんから質問がやってきた。
「今のこと、ユウトは知っているのか?」
「あ、はい」
「そうか・・・。秘密だったんだよな?」
「え、えぇ」
「わかった」
それだけ言うとゴザレスさんは戻って行った。
な、何しに来たんだろう。なんか用事があったからキッチンまで来たんじゃないの?
え?料理作るの見に来たの?どういうこと?
未だ見られたことで動揺がおさまらない私。
プリンを召喚し終わっているから、早めに届けてあげた方がトゥイさんの機嫌がよくなるかもしれない。
しかし今持って行くと私がわかりやすく動揺しているのがきっとバレるだろう。
困った・・・。
再びキッチンに向かって誰か来る気配がする。
今のところ見られて困ることはないが私が自然に振舞えるかどうかだ。
が、頑張れ私。
やってきたのはゴザレスさん。
戻ったんじゃないんかーい!
「伝えようと思ったこと忘れていた。俺が魔族だと知っているのは、ユウト・トゥイ・マーシェルそれから、タミエだけだ。村の人間には教えていない。俺もタミエの秘密を守る、だからタミエも俺の秘密を言わないでくれないか」
あ、さっき来たのは言いたいことがあったんだ。
「わかりました。では秘密を共有しあう仲ということで今後もよろしくお願いします」
「あぁ!よろしく頼む!」
そう言うと今度こそ戻って行った……はず。
私は今後ゴザレスさんが魔族だってことを黙っていれば良いわけですね。
そしてゴザレスさんも私の秘密を守るって言ってくれたからか、さっきまで動揺してたけど今は落ち着いている。
今ならプリンを持って行っても平気そう。
リビングにプリンを持って行くと、ユウトさんがトゥイさんに怒られている。
「ユウトはさゴザレスが戻ったってこと僕に伝えてもいいと思うんだけど?それに奢るなんて今までなかったんだから、そういうのも含めて伝えに来てよ」
「す、すまん」
「僕のこと忘れてたの?それとも意図的に言おうとしなかったの?ねぇどういうことなのかな?」
あぁ、トゥイさん除け者にされたと思っちゃったのかな?
ここは私が間に入るしかない。きっとプリンが解決してくれる。
「トゥイさん、あんまりユウトさんを怒らないであげてください。ゴザレスさんと戻ってきたときユウトさんすっごいヘロヘロになっていたんです。きっと落ち着いてからトゥイさんのところに伝えに行く予定だったんですよ。はいこちらどうぞ、プリンって言います。気に入ってもらえるといいんですけど」
そういってプリンを差し出した。
「今回はタミエさんに免じてこの辺で終わらせるけど、次はちゃんと呼びに来てよね!」
「お、おう」
怒りを静めてくれたみたい。っていうよりもう目がプリンに釘付けになっている。
そうだよね、プリンからカラメルの甘い香りがたまらないよね。
スプーンでプリンをすくい一口食べる。
するとトゥイさんの目がぐわっと開き固まった。
この世界でプリンとか多分ないよね、衝撃的なことなんだろうな。
しばらくしてようやく動き出したトゥイさんは二口目を食べいつも通りヤバい顔になっている。
完全にイッちゃてるもんなぁ……目が。
笑顔で食べて欲しいのに……せっかくの美少年顔がもったいない。
ユウトさんが俺もプリン食べたいと言ってきたので、ゴザレスさんのお金から召喚して持って行く。
これまたおいしそうに食べていらっしゃる。
皆がおいしそうに食べてたら私も食べたいじゃない。うん、召喚しよう。
キッチンに向かおうとしたらトゥイさんが呼び止めてきた。
「タミエさん、ゴザレスのお金まだある?」
「はい、ありますよ」
「じゃあこのぷりんってやつもうちょっと貰える?」
「わかりました。どれぐらい希望します?」
「うーん、食材がある分全部って言いたいけど、お店の営業に差しさわりの無いぐらいで」
「はい、わかりました」
わかりましたって言ったものの、魔力もまだあるしゴザレスさんのお金もまだある。
結構出せるけど、とりあえず5個ぐらいにしておこう。
ゴザレスさんのお金で5個召喚して、自分用に自分のお金から1個召喚した。
お盆にはトゥイさん分だけ乗せてリビングに行く。
トゥイさんがすっごい嬉しそうな顔をしている。
そう!その笑顔でご飯も食べて欲しいのよ!なんで食べるとヤバい顔になっちゃうだろう。
5個プリンを置くとすっごく大事そうに食べ始めた。
私も食べたいから、自分のプリンを持ってリビングに向かう。
ゴザレスさんはお皿の上に残っていた明太子おにぎり最後の1個を食べていた。
皆で食べる夜ご飯も楽しいね。
今はお昼の営業しかしてないけど、お昼営業しない別日に夜営業って言うものありかもしれないな。
スキルレベル上がってビールとかハイボールぐらいなら出せるし。
でも酔っ払いの対応とか面倒だな。
この辺はユウトさんと相談しないと。
なんだかんだ、充実した毎日過ごせてるなぁ。
周りにいてくれる人たちのおかげですね。ありがとうございます。
うあああああああ!ブクマありがとうございます。
ま、まさかこんなにはやく100人もの方からブクマしていただけるなんて。
感謝感謝です。
公約ツイッターアカウントは、活動報告に載せようと思います。
ご興味ある方は覗いていただけたらと思います。




