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47.見てみたいじゃない本物

 ゴザレスさんにもう一つお願いしてみよう。


「ゴザレスさん、さっき何でもって言ってましたよね?魔族の姿になってもらえませんか?」


 それを聞いたゴザレスさんはそれはもう普段見せない動揺っぷり。

 助けを求めるようにユウトさんを見るぐらいだもの。


 だってちゃんと見てみたいじゃない?今日だってちらっとフードから角が生えてるのが見えただけでしっかりと見てないし。

 なにより魔族って元の世界にいなかったし、襲ってこないならある種コスプレみたいな感じなんじゃないの?


「本当にいいのか?人間からしてみたらかなり怖いと言われるんだが……」


「お願いします!」


 ゴザレスさんは覚悟を決めたようで雰囲気がピリッと変わった。

 耳の上あたりからうねるような角が生えてきて、白目の部分が黒くなった。

 犬歯も普段より大きくなっている。


 うん。本格的なコスプレって感じだ。

 ゴザレスさんはどうしていいのかわからず、やはりユウトさんに助けを求めるように見つめている。


「ゴザレスさん、角って触って平気ですか?」


「!?」


「だめですか?」


「……いや、何でもするって言ったからな……だめじゃない。だめじゃないが……その全く怖くないのか?」


「だって襲ってこないってわかってるんですよ?それなら怖がる必要ないじゃないですか」


 複雑な顔をしているけど、なんか変なこと言ったかな?

 ゴザレスさんは私が角を触りやすいように会釈のように頭を下げてくれた。


 おぉ!硬い!そりゃそうか角だもんね。

 うねるように生えてる角の表面はゴツゴツした感じ。これで印鑑作ったらかっこよさそう!

 その前にこの角硬いから折れなさそうだけど。

 ふと視線の先にゴザレスさんの手が見えた。さっき気づかなかったが爪が伸びているじゃない。引っかかれたらだいぶ痛そうな感じに。


「も、もうよいだろうか……」


 あ、前にかがむ状態ってつらいよね、すみません。


「ありがとうございました!立派な角ですね!ゴザレスさんのおかげでちゃんと魔族を見ることができました」


「そ、そうか」


 何故か落ち着きのないゴザレスさん。

 それを面白くなさそうな顔で見てるユウトさん。


「おいゴザレス、もう人間の姿に戻れよ」


 不機嫌にユウトさんが言う。

 魔王や魔族沢山を倒したユウトさん的には魔族の状態だとあんまり気分がよくないのかな?


 ゴザレスさんはすっと人間の状態に戻る。角や瞳の色もシュワっと変わっていく。

 魔法ってすごいなぁ。


 魔族の見学会が終わったころに、コンコンと玄関がノックされた。

 ユウトさんが様子を見に行きリビングに戻ってきたときはトゥイさんと一緒だった。

 ゴザレスさんのこと心配して様子見に来てくれたんだなぁ。


 トゥイさんの姿を確認したゴザレスさんはしっかりと感謝の気持ちを伝えた。


「トゥイ、迷惑かけたな。助かった、ありがとうな!」


「帰ってこないと思ったら……。ねぇ、なんでゴザレスはタミエさんのご飯を食べてるの?」


「あ、その、すまん」


 うおぉ・・・トゥイさんめちゃ怒っていらっしゃいますよぉ。

 ユウトさんがすっとこちらにやってきてこそこそと話しかけてきた。


「まだ魔力残ってるか?」


「大丈夫ですよ」


 了解。とユウトさんが返事をしてトゥイさんに向かって話しかける。


「トゥイ、ゴザレスが迷惑をかけたから奢ってくれるってよ。タミエさんも協力してくれるらしいから好きなの頼めよ」


 首だけすごい勢いでこちらに振り向くと。


「嘘じゃないよね?」


 ユウトさんはコクコクとうなずく。

 資金源であるゴザレスさんの方にも首が向いて無言の圧。

 ゴザレスさんもコクコクとうなずいている。あれ?何だか冷や汗かいてます?

 魔族のナンバー2だった人が?

 トゥイさん何者なの?


 ゴザレスさんのうなずきを見てから私の方へゆっくりと振り返ると、トゥイさんはすっごいいい笑顔で、


「タミエさん、僕甘いものが食べたいんだけど普段と違う特別なやつ何か作ってもらえる?」


 えぇ、作りましょう。むしろ作らせていただきます。

 な、なんだろうこの従わなければいけないというこの気持ちは……。


 少し時間をもらって新しいメニューをトゥイさんに出すことになった。

 な、何かトゥイさんの機嫌がよくなりそうな甘い物ないかな……。

 写真のアルバムから探す。


 甘い物でフィルターをかけてると色々出てくる。

 今のスキルレベルで出せるものと言えばファミレスメニューぐらい、ファミレスのデザートもおいしいよね。


 ここはシンプルにこれにしようかな、プリン。

 学生にも優しい某イタリアンファミレスのプリン。私はティラミスやコーヒーゼリーも好きだけど、定番と言えばやっぱりプリンな気がする。


 ゴザレスさんから預かっているお金から召喚ポチっとな、と今まさに召喚しようとしているときにキッチンの出入り口に人の気配がしてどうせユウトさんだろうと振り向くと、そこにはゴザレスさんがいて、作って(召喚して)いるところを見られた。


誤字報告ありがとうございます!お手数をおかけしてすみません。

評価もありがとうございます!!

ブクマもありがとうございます!!!


ってブクマ100になったらツイッターアカウント作るって言ったけど、割とすぐ作ることになりそうな予感??

ありがとうございます。ありがとうございます!(捕らぬ狸の皮算用)

有益なことは呟ける自身はありませんが、更新したよとか呟けたらいいなぁ。

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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