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46.ゴザレスさんの過去話

 食事を終えたゴザレスさんは今日の出来事について説明してくれるという。

 あの時生えていた角、リアルだったなぁ。

 詳しく聞こうじゃないの!


「今日は怖い思いをさせて悪かった。俺は……実は魔族なんだ」


 ふむふむ。見たこと無かったけど居るんだねぇ。


「……怖くないのか?」


「え?だって初めて見る魔族がゴザレスさんなんですけど、魔族って本来怖いんですか?ゴザレスさんは怖くないですよ?」


 それを聞いたユウトさんはゴザレスさんに補足をしている。


「あ~、タミエさんがいた場所って魔族と縁のない所なんだ」


 驚きを隠せていないゴザレスさん。しばらく呆けてから身の上話を始めた。


「俺は昔、魔王様から人間達の弱点を探すよう命令されて姿を偽り、人間の真似ごとをしてある街に潜入することになった。倒されようと何度も領地を奪いにくる人間どもを一掃するのに一番効果的なものを探していたんだ」


 ふむふむ、それでそれで?


「だが人間として潜入して暮らし始めたその日に俺の考えは変わった」


 はやっ!!


「人間が作る飯がうまい!魔族領で食べるものは何の味付けもしない焼いた肉か生肉。果物もあったにはあったが、渋い味がして旨くないんだ。それが当たり前で生きてきたから、人間がひと手間加えて味をつけたり、他のものと合わせて旨みを出させるなんて発想した人間はすごい。俺は感動した」


 魔族だろうと食欲という欲があるのね。おいしいものを食べたいっていう気持ち大事よね。わかる。


「だから、魔王様が人間を滅ぼして魔族の為だけの世界を作るっていうのを深く考えず今まで過ごしてきたことを恥じた。わざわざ滅ぼさなくても従わせればいいじゃないか。そう思ってその街の料理人を魔族領に攫ったんだ。今となっては馬鹿な事をしたと反省しているが」


 いきなり何してるのぉぉぉ!反省してるって……いや、えぇぇぇ……。


「魔王様にも食べてもらえば滅ぼすのをやめて使役する方向で考え直してくれると思ったんだがな。ほとんどの魔族は生肉だろうが調理された料理だろうが栄養が摂取できれば味はどうでもいいらしくてな。考えは変わらなかった」


 いや、だいぶ違うでしょ。

 食に興味なさすぎじゃない?


「俺は魔族に失望した。世の中には俺が知らないだけでもっと旨いものがあるはずなのに、それを滅ぼそうとしてるだなんて許せなかった。だから俺は魔王様を裏切った」


 食の為に魔王さんを裏切ったの!?っていうか魔族全体敵に回してる!!


「もちろん和解してくれるのが一番いい。だが魔族の連中は破壊衝動のある脳筋野郎ばっかりだ。和解なんて無理だからな。俺はなんとか人間に勝って欲しくてな、冒険者ギルドに入って人間とパーティを組んでその人間を鍛えることにした」


 話がすごい方向に行ったな。

 食が世界平和のための行動を……。


「いつしか俺は新人を鍛えてくれる人としてギルドに重宝されるようになったが、俺としては別に新人を鍛えるって言うより、魔族に負けないように鍛えてただけなんだ。そうしたら人間減らないだろ?」


 食の為に同族を裏切ってまでがんばるゴザレスさんの情報をユウトさんがポロッとこぼした。


「こいつは元魔王の右腕と呼ばれている猛者なんだ。そんなのが鍛えた人間達だからな、だいたいランクが上位になって街を守ったり難しい案件こなせるようになったりしてな。俺も実は初めて会った時鍛えてもらったんだ。その時は知らなかったが、後になって魔王の右腕って知ったんだ」


 元魔王の右腕!?そんな人が魔王さん裏切ったの!?魔族側大ダメージじゃない?


「ユウトは鍛えれば鍛えるほど強くなっていったからな。本当に鍛えがいがあった。俺が勝てないほどになったからな。それによって魔王様は滅ぼされそれに従っていたやつらもユウト達が屠ったようでな、人間世界に平和が訪れたんだ」


 うんうんと頷いてますけど、ゴザレスさん気持は人間なんですね。


「ゴザレスさんは魔王さんのことお話しするとき様ってつけてますけど、複雑な気持ちなのでは?」


「……まぁ、そうだな。さっきも言ったとおり本当は和解をして欲しかった。だが無理だったからな。俺も若かりし頃はその……だいぶ人間を殺している。それもあって魔王様は俺の実力を認めてくださり、右腕にしてもらったからな。だが食の方が大事だ。地位や名誉で幸せになれるのは、なった瞬間だけだ。魔王の右腕だからずっと幸せであるわけではない。魔王の右腕という地位を狙って襲われるしな。しかし食は違う。毎食楽しませてくれる最高のものだ!色々な幸せ体験ができる!!」


 実質魔族のナンバー2がここにいらっしゃるのですか。

 しかも食について熱弁されていらっしゃる。


「魔族とか人間とか関係なくご飯は美味しく食べたいですよね!わかります」


「っ!そうだよなっ!食事は大事だよな!今日は色々料理を出してくれてありがとうな!普段は一人一品なのにこんなに出して貰って悪い。俺で出来ることがあったら何でも言ってくれ」


 ふぅむ、何でも。

 それじゃあ……


「では、本題の何故今日角生えていたんですか?」


「あぁ、俺ら魔族は本質的には破壊衝動があるんだが、強い刺激があれば治まるんだ。俺は旨い飯って言う刺激でなんとか押しとどめているが、日常的に押しとどめているとストレスが溜まるって言うのか、理性で抑えられなくなる時がある。本来の姿に戻っちまうんだ」


 なるほど今日はそれがそれ抑えれらなかったのか。


「だからそういう時は自分より強いやつと戦って力を解放するのが手っ取り早くてな。毎回ユウトに頼んでいる」


 あぁ~それでユウトさんがお疲れなんですね。

 何でもって言ってたしもう一個お願いしちゃおう。


あわわ!ブクマありがとうございます。


今日も今日とてストックのないままがんばっておりまする。

ありがたいことにブクマが90人を超えまして、ひっそりと前半に行っていたツイッターアカウントはブクマが100人になったら作ろうかな~って思っていたのですけど、割とあと一ヶ月ぐらいで行ってしまうのでは?と思っていたり。


ツイッターアカウント作ったら、そうですねぇ・・・事前予約できたよって報告とかできたらいいなぁ。

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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