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29.着々と進められている

 ユウトさんに囁かれてワタワタしてる間に、デスソースの瓶を囮になる二人にみせ形を覚えさせている。

 すると短髪の方が「これは料理に使うのか?」という質問をされた気がして「そうですよ」と答えたのは覚えている。


 ただ私はユウトさんが言っていた「あとで話がある」が一体何の話なのか、わざわざ耳元で言わなければならないぐらいの内容なのか、それってどういう……などと考えていたら、盛大に咽ぶ音が聞こえた。


「げほっ!!かぁっ……はぁっ!!ぁが……」


「おい!大丈夫か!?しっかりしろ!!ほら、お茶だ飲めるか?」


 はっと我に返り咽ぶ方をみれば、今まさにハンバーガー食べ途中の短髪の方が勢いよくお茶を飲み干していた。

 オロオロと相方を介抱する坊主頭の方。

 モデアさんは何で冷静にメモしてるんですか。


「あの、もしかしてそのソースかけたんですか?」


「えぇ少しばかりならいいのでは?と勝手に使わせていただきました」


 も、モデアさん?何さらっと使いました発言してるの!

 確かに使っちゃダメとは言ってないけど、使っていいとも言ってないよ!

 まだそのソース説明してないよね!?ユウトさんが危険って言っただけで、死ぬほど辛いってまだ言ってないのに何実験してるのぉぉ!!そもそも危険って言われたものなんで使ってるのぉ!!


 急いでお茶を追加で持ってきて短髪さんに好きなだけ飲ませる。

 ようやく落ち着いたようだけど、暑い日の犬みたいに舌を口からだして呼吸している。


「あんたのりょうひうまいあら、そのソースもうまいのあと思ったらとんでもなひな……」


 辛さで舌をやられているからかうまく喋れなくなっている。


「それは辛いものが好きな人用のソースなんですけど、身をもって体験しているので分かると思いますが、ものすごく辛いです。よっぽど好きな人じゃないと食べれないですよ」


「もっとはやく教えてほしかっは……」


「ひ、人のもの勝手に使うからです!」


「……すんません。」


 モデアさんはすごく満面の笑みに……むしろ黒いんですけどその笑いかた。


「とてもよいアイディアが浮かびました」


 あぁ、あの笑顔作る人のよいアイディアは、だいたいよくないパターンだと思ったけど要らぬ火の粉がこっちに来ても面倒なので口をつぐんでおこう。


 思いついたアイディアをモデアさんが囮の二人に仕込んでいる間に、私は名前を呼ばれたので振り返ると玄関にいるユウトさんが私を手招きしている。


 べ、別に変に意識なんてしてないんだからね!


 呼ばれているので玄関に向かうと、そのまま扉を開けて外に出て行く。


「タミエさんこんな時にすまない、でもとても大事な話があるんだ」


 だ!大事な話!!?


「これからミステイストを捕まえに行くだろ?だからタミエさんには先に話しておこうと思って。俺が勇者だってことをモデアさんは知っている」


 ん??


「勇者が使える魔法の中にテレポートってのがある。今回はそれで囮になるあいつらを運ぶことになった。だが、あいつらにはテレポートが使えるってことを知られたくない。だから運ぶ時には眠らせてから運ぶんだが、その際ここにタミエさんを一人残しておくのが不安だから一緒に来てほしい」


 あ、はい。


「俺の側にいれば安全だから……な」


 うん、ちょっと私自意識過剰だったね。

 独身貴族ちょっと勘違いしちゃった。

 耳元で囁かれた程度で動揺するなんてまだまだあまちゃんだったわ~。


 ミステイストを捕まるための()()()()()だよねぇ。

 ……勘違いしないように気を付けよう。


 テレポートする際の注意事項を私に説明し終わるとリビングに戻ろうとなった。


 リビングに帰ると、そこには爆睡している囮役の二人と何やら手帳を開いているモデアさんの姿。


「ユウトさん、説明は終わりましたか?」


「あぁ」


「では、行動を開始しましょう。それでは私はお先に失礼しますね」


 そういってモデアさんは家から出て行った。


 私はユウトさんに説明された通りに、すぐに戻ってこれないかもしれないとのことだから看板に臨時休業と書いて玄関先に置いておく。

 その間にユウトさんは二人をテレポートするための準備をしていた。


 看板の準備が整ったのでユウトさんのところに行くとすでにテレポートの準備が完了してた。

 リビングの机やイスが端っこに移動され真ん中に広めの空間が出来ていてそこに魔法陣が紫色に薄っすら光っている。


 魔法陣の上に転がされている二人にしゃがんでそれぞれの腕を掴んでいるユウトさん。

 さっき説明されたテレポートの条件でユウトさんに触れてないと駄目だという。

 人目のない場所にテレポートする予定だけど場所が不安定な所だから、背中から首周りを抱きしめるような形になればユウトさんはしゃがんでいるから最悪の場合私の下敷きになるのでタミエさんはケガしないだろうとのこと。


 少し恥ずかしいけど、しゃがんでいるユウトさんの背中にあまり体重をかけないように抱き着く。

 すると、淡く光っていた魔法陣が少しだけ光を強めたかと思うと、視界が歪みふわっとした感覚になる。


 あ、これ白い世界行くときみたいだなっと思った。

 そして歪んでいた視界がくっきりすると見知らぬ小屋の中にいた。


読んでいただき、見つけていただき本当にありがとうございます。


外の雨の音がひどくなかなか集中できずむむむ~ってなってます。

明日は晴れらしいのでサクサクかけるといいなぁ。



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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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