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16.俺は情けない勇者だな。

ユウトさん視点

 いつものようにリビングで朝飯を食べていたら、突然窓の外から強力な魔力の波動がきた。


 急いで家の外に出ると、20代と思われる女性がいた。

 俺以外テレポートを使える人間はいないはずなのにどうして。


 もう魔王も倒し終わって5年経っている。

 時々いろいろな地方にテレポートして魔王復活とか起きていないか確かめているが今のところそんな話は上がってこない。


 どこかの王国が勇者召喚でもしたのか?何の為に?

 目の前に現れた女性は村の方を見ていて俺には気づいていないようだ。


「お、おまえどっからきたんだ?」


 とっさに出てきた言葉は丁寧語とかまったく考えられなくて少し乱暴な言葉になってしまった。

 振り返った彼女は俺がいると思っていなかったみたいで驚いた顔をしている。

 黒髪セミロングで黒い瞳で顔立ちは日本人。整った顔をしている。



 そんな彼女から言われたのは「遠くから来て勇者を探している」と。

 俺が勇者だったことは隠してこの村にいる。にもかかわらず、ここまでたどり着いただと?

 何が目的なんだ、どこの国のやつかわからないから慎重にならなければ。


「あんたは勇者の居場所を知ってどうするつもりだい?」


 俺の質問にタミエと名乗った女性は、「ハンバーガーを勇者に頼まれた」と言う。

 俺はてっきりハンバーガー単品が送られてくるものかと思ったのに人が来た!


 動揺して彼女を家に強引に引き入れてしまったと後で後悔した。

 怖い思いをさせたかもしれない。


 だが、ハンバーガーという単語を聞いた俺は興奮していた。周りのことを考えられないほどに。

 待っていたハンバーガーがようやく食べられる。ただあの女神のことだ時間限定とか何かしら制限があるに違いない。頼んだ時も「代償を支払ってもらう必要があります」とか言ってたし、急いで俺が一番価値があると思っている聖剣を持ってきた。


 こいつだけは、どういう訳かアイテムボックスに収納できず部屋の隅に置いていたから取りに行く手間があるが、ハンバーガーのためならその手間さえ惜しむはずはない。


 ところが、彼女は剣じゃなくお金で済むという。しかもたったの150V。


 ハンバーガーが出てくる光景はここ最近で一番驚いた。

 まさかスマホから出てくるなんて。

 もう二度と食べれないと思っていた元の世界の味。めちゃくちゃ嬉しい。

 だけど、嬉しい反面心苦しい。

 女神が遣わしてきたきた女性はまだ20代で、本当だったらこれからたくさん色んな出会いや経験を向こうでするはずだったのに、俺がハンバーガーを願ったばかりに彼女のこれからの人生を台無しにしてしまった。


 ハンバーガーを味わえる嬉しさと、見知らぬ彼女の人生をつぶしてしまったという罪悪感で自然と涙が溢れてきた。このハンバーガーを大切に味わおうと思った。


 彼女は気をつかって窓の外を見ているけど、俺が泣いているのはバレているからすこし恥ずかしい。

 あとハンバーガーめっちゃうまい。

 そうだよこの味だよ。もう一個ぐらい欲しい。

 頼めるだろうか?さっきまで泣いてしまったし気まずいな。

 だけどもう1個食べたい。いや出来るなら10個でも20個でも食べたい。


 そんな俺のわがままに彼女は付き合ってくれたが、魔力不足を起こしている。

 俺は深く反省した。

 俺もこの世界にきて間もない頃、魔力不足がすげぇ辛いっていうか抗えない眠気が襲ってくるってのを経験をしているから、その状態にさせてしまって申し訳ない。

 寝れば魔力が回復するといっても、彼女にとって魔力不足はきっと初めてだろう。


 起きてきたら彼女の事情を聞かせてもらおう。



 起きてきた彼女と一緒に夜飯を食べる。そのときに俺の話をしてから彼女の話を聞かせてもらった。

 案の定彼女はろくに装備も渡されないままこの世界に来たようだ。

 俺が原因で彼女はこの世界にきてしまったのだから、その責任は俺がとる。



 いつか彼女がこの世界に慣れて、何かしたいことが見つかったらそれを応援しよう。

 この村でいい男が出来たなら俺が親代わりになって式に出よう。


 その程度で罪滅ぼしにはならないだろうけど、俺が出来ることは何でもやっていこう。



 そんな出会い方をした俺達は、お互いが女神の被害者だということでほんの少しだけ距離が縮まった気がする。



 彼女はこの家に住まわせてもらってるから家事等を分担したいと申し出てくれたり、俺の提案した飲食店も一生懸命やっている。

 本質的にまじめで頑張り屋さんなんだろうな。


 癖の強いマーシェルの相手もしたり本当いい子だよ。


 しかも、ミステイストとかいうめんどくさい客に感情的にならずに落ち着いて対応までしてのけた。

 俺が転生した後の若者はそんな感じなのか?




 そんな彼女を娘のように思いながら俺は見守る。

 決して恋愛対象にはならないだろう。

 なにせ歳が離れているからな、俺は38歳。向こうはまだ20代前半ぐらいか?

 女性に年齢を聞くのは失礼だから推測でしかないけど、およそそれぐらいの年齢だろう。


 彼女に絡んでくるような奴は、まずは俺を倒してからだな。



 そんな風に思っていたはずなのに……、最近タミエさんのことが気になって仕方がない。



 だから俺が村の人達と作った公園に行った時、正直俺はタミエさんにどこにも行ってほしくない、俺のそばにいて欲しい、一番思い入れのある場所なら離れることはないだろう。

 その意味も込めて、「誰かを笑顔に出来る始まりの場所にしてほしい」と言ったつもりだが、言い方が遠回し過ぎたのか、ちゃんと伝わっていなかった。


 楽しそうに滑り台で子供たちと遊ぶタミエさんを眺めることしか今はできそうにない。


 何が勇者だ……情けねぇな俺。

ブックマークや評価ありがとうございますぅぅぅぅぅぅ!!>ω<

しかも誤字報告も感謝感謝です!

変な変換しててすみませんでした!



初めてほかの人視点で書いてみましたが、それはそれで難しかったです。

語彙力ください。


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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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