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132.スープカレー

 現状もうこの王子一団しかいない為ユウトさんも中に戻って来てくれている。

 王子は外にいた騎士たちに声をかけてわらわらと揃って入ってきた。案の定騎士たちは顔をしかめた、ある種予想通りの反応を示した。その騎士の中でも多分リーダーと思われる人が文句を言ってきた。


「この店はこのような粗末な席しかないのか!」


 そう言われても使っているテーブルもイスも一般的なもので、そこまで座り心地が悪いわけではないはず。まぁ王子が使う用の物と比べたら粗末なものかもしれないけど。お忍び貴族たちが来た時もこのように言われるのは慣れていて、そうすると決まってユウトさんが対応してくれる。


「当店のような粗末な席でお食事をされるのがお嫌でしたらどうぞ他の店に行かれることをお勧めいたします。ご来店いただきありがとうございました」


 と追い返してくれるんだけど……いいの!?相手隣国の王子だけどいいの!?

 私の心配をよそに強気に出るユウトさん。さすが勇敢なる者、勇者の肩書は伊達じゃない。


「部下がすまない。私が食べ終わるまで隊長は外で待っていてくれ、いいね?」


「し、しかし!」


 食い下がるものの王子が謝罪をしたことで隊長と呼ばれた人が顔を青くさせた。他の部下たちも入ってきたときは顔をしかめてたクセに、隊長さんが怒られたのを見るや皆一様に視線を下げた。

 そんな部下をよそに王子は笑顔で話しかけてきた。


「ところでとてもいい香りがするのだけれど、この香りの料理は何だい?」


 私がキッチンで料理することは無いから、本来であればそこまで部屋が料理の香りがするわけないのだけれど、今日は違う。

 何しろ今日の目玉商品はスープカレーなのだ。カレーの香りは部屋に充満して食欲をそそるので、次に入るお客さんもカレーを選択するというある種の永久機関のような感じだ。


 今回出しているスープカレーは七福神の一人である方の名を冠する土地で、ひっそりと住宅街の中で営業しているお店のカレー。なかなか予約のとれないと言われている薬膳スープカレー屋で、ドラマにも取り上げられてより予約戦争がハードなものとなったのも今はもう懐かしい記憶。

 私もこのスープカレーを知ったのは実在するお店を取り上げていたあのドラマを見ていたからなのだ。あそこのお店は店内も可愛らしく料理もトッピングが充実してるので予約が出来るなら週一で通いたいぐらいだった。


 一応このお店の現状ルールである、テーブル毎に食べ物違うよってのがあるがカレーが出る日はほぼすべてのお客さんがカレーを頼むのでルールの意味がなくなるほど。

 そりゃ例に漏れず王子のこの香りにやられますよね。

 スープカレーという料理だとユウトさんが伝えれば一つ頷き、もちろんそれを注文してきた。


「ではそれを人数分。あぁ、彼の分は数えなくていいよ。ほらお前たち立ってないで席につきたまえ」


 騎士達はまさか王子と同じ食卓につくことになると思っていなかったみたいで誰がどこに座ればいいのかと動揺していた。

 そして彼と呼ばれた隊長さんは叱られた犬の様にトボトボと店を出た。

 しっかりと代金を受け取ったので、指定された数のスープカレーとターメリックライスを出した。


 次々に配膳されるスープカレーと彼らにとって見たことのないと思われるご飯粒。どうやって食べるのかわからないようなのでユウトさんによる説明を受けていた。


「じゃあいただこうかな」


「お待ちください!毒味を!」


 と侍従が声をあげたが、それを制して待ちきれないと言わんばかりに王子はぱくりと口に含んでいた。


 まぁね~ここの料理食べるとねぇ~ビクッてなるのは仕方ないんだけど、王子がビクッてなったから騎士達がみんな立ち上がって殺気をこちらに放ってくる。怖っ。


「お前たちやめろ!」


 王子にそう言われ殺気を放つをやめはしたものの、外で待機していた隊長さんがドカドカと舞い戻ってきた。


「何事か!やはり貴様らのような痴れ者はこの場で処……っ!?」


 突然声が出なくなったかのように口をパクパクさせている隊長さん。そして先ほど騎士達が出していた殺気より王子が出した圧の方が凄かった。


「私は外で待つようにと言ったはずだが?」


 この王子めっちゃ怖い。あまり騎士とか護衛についてわかってないけど、私個人としては隊長さんに同情する。

 だって王子の身に何かあったんじゃないかって戻ってきたんだからそれが正しいように思う。主を心配しちゃいけないのかな?

 怒られた隊長さんは申し訳ありませんと再び外に出て行った。

 何事もなかったかのように笑顔に戻った王子は部下たちに座るよう命令した。


「怖い思いをさせてすまないね」


 と私に向けて謝ると、再び食べ始めた。

 騎士達は先ほど王子に怒られたからか、未だ食べずにどうしたらいいか行動しあぐねていた。

 まったく食べ始めない部下たちに気付いた王子は早く食べるよう命令した。


 そして許可がおりた騎士達は恐る恐るカレーを口にすると一様にビクッとなり、王子と一緒の食卓とかを忘れたかのようにがっつき始めた。


 そりゃそうだろう、お野菜はゴロゴロと大きめでそれでいて柔らかく、骨付きチキンはお肉がほろほろとしてあっという間になくなってしまう感覚になる。何より沢山のスパイスを感じられるなんとも表現しがたいクセになる味のカレー。


 美味しい物に出会った時って本当無言になるよね。誰も喋らずひたすらに料理を食べる音、食器と食器が当たる音だけが部屋に響く。


ブクマありがとうございます!!


外出して近所のカレー屋さんでテイクアウトを買いました。(カレーがあんまりにも食べたくて)

あ、いや、ちがっ!

け、健康のためのウォーキングのついでですから、外出したの怒んないでぇ( ;∀;)

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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