127.新設商業ギルドの長
確実に普段見せない表情を見せたマーシェルさん。恋人云々は触れてはいけない話題だったのかも。
なんとか話を逸らさねばとネックレスの話題に戻した。
「そ、そういえばこのネックレス珍しいんですよね?」
「あぁ相談したら教えるって言ったもんね。そのネックレスについてる石、星々の雫って言うんだ。ダンジョンの最深部近くでしか取れなくて、しかもそのアイテムをドロップする魔物がものすごく素早くて普通だと倒せないから、レア過ぎてかなりの金額するからこうやって現物を所有したりするのは王族や貴族ぐらいなんだよね。需要と供給が合ってないから、貴族達はみんな欲しがるけど王都のオークション会場とかでも中々お目にかかれないんだ」
な、なんだってぇ!!貴族が欲しがる石だとぉぉぉ!しかもめっちゃ高いって……ユウトさん!?なんてものを!!
あまりの情報に普通に顔に出ているのは自分でもわかっている。それを見たマーシェルさんは軽く笑いながらこちらを見る。
「大丈夫大丈夫。ユウトはその石買ってないよ。さっき言った素早い魔物を倒せるのってユウト含めて今のところ知ってるだけで三人しかいないからさ。多分自分で採ってきたんだと思うよ」
んなぁ!そこまでしてもらっていたのですかぁ!!そ、そんなにレアなものを採ってくるぐらいの気持ちがこのネックレスに……。
そもそも告白の時だって素敵な場所に連れて行ってくれて、真剣にまっすぐ正直に向き合ってくれて分かってたことだよね。
私もしっかり考えなきゃ。せっかくアドバイスももらったんだもの、ちゃんと自分とそしてユウトさんと向き合おう。
そうこうしているうちに商業ギルドが建設完了しお約束のご飯とお酒を用意する運びとなりました。カフェももうすぐ完成しそうです。
建設完了パーティーには、ロムオンさんとそのお弟子さん達に商業ギルドのトップであるモデアさんが参加している。
新しく建てられた商業ギルドは冒険者ギルドよりほんのり大きい感じで一階は受付や相談室などが設けられていて、二階には職員の方の食事処と役職付きの方のお部屋と特別談話室があった。
今は二階の食事処にて事前に用意しておいた料理やお酒を手伝いを率先してやってくれているユウトさんのアイテムボックスから続々と出してもらい配膳している。
告白から少し時間は立っているからまだユウトさんに答えを伝えられていないけど、ぎこちなさはほぼなくなっているのでこのように共同作業が出来る。
今日はパーティーだからバイキング形式で、アボカドとエビのサラダ・肉団子・唐揚げ・フライドポテト・ジャガイモとコーンのマヨピザ・そしてシシャモを焼いたものを聞いている人数の三倍分で用意したにもかかわらず減りが早い。配膳してもハイペースでなくなっていくので足りないのかもと冷や汗が出る。
シシャモを焼いた奴を何故用意したかって?週一でロムオンさんがお酒を飲む会を開いているんだけどそこでかなり気に入られたからです。何でもお酒に合うんだって。
言い出しっぺのロムオンさんは一緒に建物を建てたお弟子さん達にとても自慢している。
「この酒と料理が楽しめるのはわしのおかげじゃからな、わしに感謝してもよいんじゃぞ?ふぉふぉふぉ!!」
お酒が入ってお弟子さん達が大盛り上がりをしている。
とそこへ、女性が息を切らしながら入ってきた。
「まだありますか!?ご飯は!!」
その場の全員の視線を浴びながらツカツカとご飯エリアにやって来たのは見覚えのある女性。名前は確か……ミステイストを捕まえるときに協力してくれたシュウェーラの街の商業ギルドの長のメリカさんでは?
「やっと来ましたか。遅かったですね」
「誰 の せ い だ と !?」
モデアさんに対してガチギレしてるメリカさんどうしてここに。
少なくなっていてもそれぞれが少しずつ残っているので、空いているお皿に片っ端から入れていくメリカさん。
お皿がモリモリのすごいことになっている。空いている席に座り飢えた獣のように食べ始めたメリカさんをその場にいたみんな生暖かく見守った。
あんなにモリモリに盛ってあったお皿の料理はあっという間になくなり、少し物足りなさそうにしているメリカさんと目が合った。
「タミエさん!遅くなってすみませんでした。覚えていますか?シュウェーラの街でしばらくご一緒していたメリカです」
「お久しぶりですメリカさん、またお会いできて嬉しいです。けどどうしてここに?」
「あれ、聞いていませんか?私新設されたこの町の商業ギルド長になったんです」
私にニッコリ微笑んだ後、すぐにモデアさんの方に顔を向け般若のような表情になっている。
「上司がまともに報連相が出来ないみたいでこちらのパーティーの日時をギリギリで聞いたので遅くなってしまって。せっかくのパーティに遅れてしまってごめんなさい」
モデアさんから聞いたのがギリギリで下手したらご飯が食べれなかったかもしれないと般若になっていたわけですね。
「いやぁ人聞きの悪い。ここのギルド長を誰に任せようかずっと悩んでしまいまして。他にも優秀な人材は何人かいたのですがタミエさんも知っている人の方が相談しやすいかと決めたのが本当につい最近になってしまって」
わざとらしい落胆をするモデアさんのことをメリカさんはジト目で見ていた。
確かに何かあったときに知ってる人の方が相談しやすいかも。そういう気を利かせていただけるほど仲良くしてくださるモデアさんには足を向けて寝れないね。
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