125.ポンコツですが
ユウトさんがここ最近悩んでいたものが私への告白だと思わずのんきに過ごしていたけれど、真剣に考えてくれているのだから、誠実に向き合わなければ。
「ユウトさん。お気持ちを伝えてくださりありがとうございます。正直動揺していていうまくまとめられないんですけど、聞いてください」
「あぁ・・・」
「ユウトさんが真剣に想ってくださってるのが伝わってすごく嬉しいです。その、私自身の問題なんですけど、過去に色々あって人を好きになるって言うのがうまく出来ないポンコツで、元の世界でも独身で恋人作るよりおいしいご飯食べに行くの選んでしまうような人間で、あの、その」
うまく言葉に出来ず、つっかえながらも話す私を急かさずじっくりと待ってくれている。
ユウトさんのことは嫌いじゃない、好きかと言われたら好きだと思う。
それでも、そんなにすぐにいままでのお友達の好きを本気の好きに気持ちを切り替えることが出来ない。
まっすぐ目を見ることが出来ず少し俯きながら続けた。
「こちらに来てからずっとユウトさんに支えてもらっていて本当に感謝していて、その、ありがとうございます。ユウトさんのこと・・・好きなんだと思うんですけど、ユウトさんと同じ熱量で好きかと言われたらきっと私の好きは全然足りてないと思うんです。こ、こんな私ですがもしゆっくりと見守っていただけるなら・・・っ!」
お願いしますと続けようと思った時、目の前が暗くなり温かなぬくもりが私を包んだ。一瞬何が起きたかわからなくなったがユウトさんが私を抱きしめていると理解した。
「こんなことしてごめん。でも嬉しすぎて・・・たとえ熱量が違くたって俺のこと少しでも良いなっておもってくれたってことが嬉しくて!」
どうしたらいいか分からず、嫌な気分ではないのでそのままじっとしていたがすぐにユウトさんは離れた。
曖昧な回答しか出来なかった自分は最低だなと思う。
そんな複雑な思いを巡らせていた私の手を取り、小箱を渡される。
「そんなすぐに好きになってくれだなんて言わない。少しずつでいいからお互い知って行こう。そのうえでいつか決めてくれ」
柔らかく微笑むユウトさんを今までの様に見ることが出来なくなっていた。
具体的にいつから私のことを意識してくれていたのか全く分からないけど、当然ながら数日前からという短期間では決してないであろう前から想ってくれているのだから、今までに今さっきみたく抱き着きたいとか思ったことがあるのかもしれない。
思えば以前外食した際にあ~んをされたこともあったが、もうその頃にはそういう想いだったのかもしれない。
今まで手を出さず紳士に振舞うユウトさんを凄いなと思う。
「あ、さっきみたいにいきなり抱き着かないように気を付けるけど・・・抱き着いたらごめん」
結構大胆なことを言うなぁと思いふと目を合わせたら、めっちゃくちゃ顔が赤くなるユウトさん。
つられて私も赤くなっているに違いない。だって顔が熱いんだもの。
「タミエさんその箱開けてみてくれないか?」
受け取っていた小箱を開けると、小指の爪ほどの大きさの雫型をした石が付いたネックレスが入っていた。石をよく見れば、中に金色に輝く星がオリオン座の真ん中三つのようにキレイに並んでいる。
「・・・キレイ」
思わず出た言葉にユウトさんが満足そうに微笑んでいる。
「それ、つけてくれないか?」
そういわれネックレスをつける。
「ど、どうでしょうか?」
「うん、似合ってるよ」
ユウトさんの笑顔が眩しすぎて直視できず、逃げるように湖の水面でつけた感じを確認するふりをした。
まぁ重力でぶら下がるネックレスを眺めるだけになったけど。
再びボートに乗るときにエスコートで手を差し出されたけど、私一人で色々考えすぎてしてしまって触れたところが異常に熱い気がする。
周りにある美しい景色たちまでもが、まるで祝福しているかのように先ほどまで全然吹いていなかった風がさわさわとして木々を揺らし、薄ピンクの葉をひらひらと散らしている。水面に輝く日の光も先ほどより明るく感じるほどだ。
湖のほとりに戻り、二人で散策という名のデートというかピクニックを軽く楽しんだ・・・と思う。
マングローブみたいな木だからこそ、根っこが陸地でもうねる様に地上にでていて足元をしっかり見ていないと転びそうになる。
例に漏れず何度か転びそうになるたびに、ユウトさんが手を差し伸べて助けてくれるから、必然的に触れ合うことになるんだけど、その度に触れられたところを意識してしまって一人顔を赤くしてしまう。
キレイな景色なのにそれどころじゃなくなってしまった。
キャンプ地探しでもするかと思いきや、一日一回と言っていたテレポートが告白でメンタル回復したからもう一回ぐらい余裕だと言って現地でキャンプすることなく家に戻ってきた。
まぁあのままキャンプなんて出来そうにないけど。目が冴えて絶対寝れなかったと思う。
家に帰って来てからはいつも通り晩御飯を二人で食べて、じゃあまた明日と別れたものの自分の中でうまく整理が出来ぬまま次の日を迎えてしまった。
それからというもの何かが吹っ切れたようにストレートにものを言うようになったユウトさんは「タミエさんこれから町にデートしに行こう」とか「また海に行かないか?今度は二人だけで」とかとにかく積極的にアプローチしてくるようになった。
誤字報告ありがとうございます。
本当皆様の納得いく回答になってないかもしれませんが許してください。;つД`)
今の彼女はこれが限度という事にしてください。
そして私もこれが限度という事にしていただけないでしょうか。
くぅ。恋模様を文字にするって難しい。




