124.想いを伝えて
ユウト視点
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タミエ視点
悩みごとの解決と言われ動揺を隠せなかった。
いままでの反応を見る限りタミエさんは俺のことを異性として意識していないのは分かっている。
だがそれはタミエさんがとてもそういうのに鈍くきっとストレートに気持ちを伝えないと伝わらないんだと俺は思う。
俺が伝えることによってタミエさんが俺のことを異性として意識してくれたらめちゃくちゃ嬉しい。
だけどそれと同じぐらい恐ろしい。告白するぞと息巻いてプレゼントのネックレスまで用意していおいて振られる可能性だってあるのだ。「そんな風に見てるなんて思いませんでした。キモッ」とか言われたら俺は死ぬかもしれない。
かといってこのまま何もしなければ何も無いまま終わってしまう。
ロケーションとしてはかなりいいと思われるこの場所で思いを伝えるのが今できる俺の最善。
先ほどからタミエさんは俺が悩みを相談するのを黙って待ってくれている。
正直この場所がきれいでここなら告白にいいかもと思ったものの、ご飯食べてすぐ告白って言うのもなんかなぁ。
かと言って、夕暮れ時まで待ってる時間何か出来ることがこの辺に無いから時間つぶしが大変なわけで。
ロマンチックな場所を選びつつも結局うまくリードも出来ない俺のヘタレっぷりにげんなりする。元の世界では俺から告白したのなんて中学生の時が最後だし、大人になってからなんて色々あって恋愛とかそういうの考える余裕がなかったし。
どうしたらいいのかわからない。
でもせっかくタミエさんの時間作ってもらったんだから、言わなきゃだよな。
俺はアイテムボックスから星々の雫が入った片手に収まる小箱を取り出した。
横になっている体勢から正座へと姿勢を変え、タミエさんの方を見た。
タミエさんも俺が姿勢を変えたことによって起き上がり俺と向かい合い正座をしている。
「タミエさん大事な話があるんだ聞いてくれないか」
「はい」
かっこつけるなんて無理だから素直に想いを伝える。
「今日は来てくれてありがとう」
一つ深呼吸をしてから俺は続けた。
「俺のせいでタミエさんがこの世界に来ることになって、それでもタミエさんは『ここでの生活の方が何倍も素敵で私はこれでよかったのかなって思っていますよ』そう言ってくれたから、はじめは何不自由ない生活を保障するのが俺の役目だって思って過ごしてた。けど、一緒にご飯食べたり、お店をやり始めたり、旅に出てみたりそうやって新しいことをするたびに色んなタミエさんを知って行くうちに生活を保障するとかそんなの関係なく、ずっと一緒に居たいって思うようになったんだ」
俺の目を見て話しを聞いていたタミエさんが息を飲んだのがわかる。
「俺はタミエさんを幸せにしたい。・・・好きだタミエさん。俺の隣にいて欲しい」
そう言って俺は用意していた小箱をタミエさんの前に差し出した。
***
「え・・・」
ユウトさんの話を聞いてアドバイスできることがあればいいなと思っていた自分は何とあほなのか。
ずっと勘違いだと自意識過剰だと気のせいだと、薄々感じていたユウトさんの行動や言葉を否定していた。
相手を好きだと認識してしまったら、今の関係が崩れてしまう気がして踏み出すのが怖かった。
元の世界で独身貴族を貫いていたのも、本気で想っていた人と離れることになった時の辛さが忘れられなくて、あんな思いをするぐらいな誰も好きにならず、友達や同僚と言った適度な距離感で長く一緒に居られる方がいいと思ったからだ。
この世界に来るにあたり自分の見た目を若くしてもらったのも、若ければ今までより少しぐらい勇気や自信が出来るんではないかという下心もあった。初めのうちこそワー!キャー!とテンションをあげたものの、結局中身は変わってないから無意識に恋愛することを避けていた。心の平穏の為に。だからこそ彼氏欲しいとか結婚したいとかそういう考えは出てこなかった。
あくまでも理想としてのこういう風に言われたら素敵かもとか、こんな行動されたら嬉しいな程度で終わっていた。いや、終わらせていたのだ。
突然のことに、私が返事をするまでに時間がかかってしまったからかユウトさんは眉を下げ話を続けた。
「タミエさんが俺のことを異性として見ていないのは・・・わかっている。だけど今日からでもほんの少しでもそういう風に見てくれるだけでも俺は嬉しい。別に彼氏彼女になるならない関係ない、これはタミエさんに付けて欲しくて用意したんだ。これだけでも受け取って欲しい」
先ほど目の前に出された小箱は蓋が開いておらず何が入っているかは分からない。
小さく震えている差し出された両手を見て、ものすごい勇気を出してこの想いを伝えてくれたのがわかる。
私は・・・。
はぁぁぁぁぁぁ!告白ってどうするの!?
ずっと告白について考えてました。
遅くなってごめんなさい。
うぬぬぅ。
何故こんなに恋愛風になってるんだ。
飯を出せ飯を!
誰のせいだよ。私だよ!!(;つД`)




