118.一つご提案
オキュイさんと公園にたどり着き、空いているベンチに座りまったりとした時間を過ごす。
「なかなか無いよねぇ、タミィと町で会うのぉ」
「そうですねオキュイさん忙しそうですもんね」
「えぇ~タミィがあんまり町に来てくれないんだよぉ」
そんなことは・・・ないはず。まぁ教会には立ち寄ることは無いけれど。週に一回か二回は冒険者ギルドには行って出来そうなおつかい案件をしたりしているのだけど、え、週に一回二回って少ないのかな。
たまたまオキュイさんと会っていないだけだと思いたい。
そういえば従業員であるマァルさんに彼女が出来たんで今度みんなでお祝いしてあげたいなと思い、そのことをオキュイさんに知らせれば、
「なになに~どういうこと?いつそんなことになったのぉ?く・わ・し・く!!」
と恋バナ好きな女子らしく質問攻めにあった。
祝う気はあるみたいで何をしてあげようときゃぴきゃぴしていた。
「オキュイさんには今気になる人はいないんですか?」
と問えば
「お金持ってる人ってどこにいるかな?」
とブレていなかった。そんなの貴族とかじゃないかなと思ったけど、どうやら貴族は嫌らしい。
貴族になってしまったら社交界に行かなければいけなかったりと色々制限があるのが面倒で、出来れば商会主とかそういう人がいいんだと。
中々身近にお金を持っている知り合いは居ないなぁ。
オキュイさんが誰かと仲睦まじい姿を見るのは難しいかもしれない。
何かに気が付いたかのように私の目を見てオキュイさんは話し始めた。
「そうだ、ずっと聞いてみたかったんだけど、タミィはユウトさんのことどう思ってるのぉ?」
意味がわからずはてなを頭の上に思い浮かべていたら、オキュイさんがじれったそうにしている。
「タミィはユウトさんのこと好き?って聞いてるのぉ」
深淵をのぞくとき深淵もまたこちらを覗いているのだという名言じゃないけど、恋バナを振った時恋バナをまた振られるのだ。
どうやらオキュイさんは私がユウトさんを好きなんじゃないのかと見ているようだ。
そりゃこの世界に来て始めのうちは恋愛免疫が著しく低下していて些細なことでドキッとしたけど自分の勘違いだとわかってるし。
ユウトさんは優しくていつも事あるごとに守ってくれてたりするし、レイアさん問題のとき居なくて寂しいなって思ったこともあるけれど、それは恋愛の好きに部類されるのだろうか?どちらかと言えば信頼が正しい気がするんだけど。
頭を悩ましていたらオキュイさんにため息をつかれた。え、まだ好きも嫌いも言ってませんけど。
そこへ、マァルさんとエドナさんがやって来た。
「わぁ、本当にエドナだぁ。名前は聞いてたけど同姓同名の他人かなって思ってたのに本人だぁ」
「え、オキュイ?どうしてここに?」
「私この町の教会に派遣されてるのぉ」
「え?金の亡者が?教会で仕事?」
それを聞いたオキュイさんはエドナさんに飛び掛かって行った。
ひらりと避けるエドナさん二人は公園でまてぇ~と追いかけっこを始めた。走るオキュイさんの胸がぷるんぷるんしてるなぁってガン見してたところにマァルさんが声をかけてきたので、ハッとなった。
やばいガン見してるのバレた。
ところがそこには触れず市場調査の結果報告をし始めた。
「そもそも比較するものが少なかったです、お酒か果実汁かお水かって選択肢で同じお茶系統のものがこの町にはあまりなくて、あってもご飯を注文した人に必ずついてくるものだったりするので、値段をつけるって難しいんですね」
いっぱい比較対象見てきたんですね。
まぁ値段を決めるのは本来マァルさんだから好きに決めたらいいけど、このままだときっと指標が無いから決められないままになってしまいそう。
あくまでも私だったらどういう値段をつけるかを言えば、ふむふむとマァルさんは考え込み始めた。
実は、マァルさんをわざわざ公園に呼んだのは理由がある。
私は以前からユウトさんが作ったこの公園にカフェがあったらいいのにと思っていた。
ピエニエルフの村でマァルさんが仕入れられるお茶を知って、そのお茶を使ったカフェが出来たらよいのではと帰って来てから考えていた。
この公園には子供を連れてきているお母さんたちはおしゃべりを良くしているのに水も飲まずにいる。
そこでカフェが公園に隣接されていれば過ごしやすくなるはず。
そうしたらユウトさんが作ったこの公園はもっと賑やかになって町の人達の憩いの場になる。
もっと公園でいろんな人たちが利用して欲しい。
いまは子供連れのお母様方が多いけど、子供が居なくたって色んな人が安らげる場所。
私が運営するのもいいんだけど、やっぱりこの世界の人達に引きつげるものがいいなぁと思っている。
多種多様は料理召喚あってのお店で誰かに引き継いでもらうことは出来ない。
でもカフェならパンとか他の軽食を用意してやっていける。
なんだったらオープン記念でメロンパンとか軽めのパン系を提供してもいい。
マァルさんはアイテムボックス持ちだし。盗難とかその辺は問題ないだろう。
メインはお茶屋ってことにして、テイクアウトのみ。公園のベンチでお召し上がりくださいみたいな。そうしたらだいぶ楽だと思う。
私自身欲しい物がこれと言ってないのでお金は結構貯まっている。この潤沢な資金を使って新しいお店多種多様の姉妹店のカフェ悪くないと思う。
その提案をマァルさんにしてみた。
「ぼ、僕がカフェの店長!?」
「はい、マァルさんはうちのお店でもまじめにやってくれているし、お店やってみたいって言ってたじゃないですか。いい機会だと思うんです自慢のお店を作ってご両親や資料館の管理人さんとか呼んでみませんか?」
「・・・僕にできるでしょうか・・・」
「私もお手伝いぐらいします」
この提案にかなり心は動かされているみたい。
あともうひと押し何かあれば頷いてくれそうだ。
遅くなりすみません。
誤字報告ありがとうございます。
イラスト見てくださった方いらっしゃいますかね?
ハンバーガーのおいしそう加減とタミエさんの可愛らしさが半端ないと思ってます( *´艸`)




