116.茶葉いくら?
村を出ると当たり前だが普通の森だった。
振り返っても既に結界に守られているのか緑の木々しか見えず美しかった紅葉している木々はちらりとも見えなかった。
村から少し離れた場所でユウトさんがテレポートを発動し帰ることになった。
「この感じ久々」
エドナさんは魔王討伐時代にユウトさんのテレポートを経験してるけど、終わってからはみんな別々に行動してただろうからそりゃ久々だよね。
一先ずトゥイさんとマァルさんエドナさんは町に帰ることになったが、ユウトさんがエドナさんを引き留めた。
「エドナ、あの本返してくれないか?」
「それは無理。あの本の寄贈を取引材料にピエニエルフの村に居させてもらってたから。解読する意味がないのがわかったから管理人さんに既に渡した後。もう持ってない」
「管理人さん結構権限ある人だったんですね」
と口を挟めば微妙な表情になったエドナさんは
「色々とあるみたい」
と言って町へ向かっていた。
がっかりしているユウトさんにはちょっと遅いお昼ご飯でもどうですか?とお誘いした。
ここはユウトさんの希望を聞いて出せるものを出そう。雑誌は手に入らなかったけど、ご飯なら希望を聞けますよ。
「何か食べたいものありますか?」
「そうだなぁ・・・」
希望のご飯を考えこみながら家に入ってテーブルに座ったまま、何やらぶつぶつと言っているユウトさん。
そんなに食べたいものがいっぱいあるのだろうか。
「ん~・・・れるか・・・でも・・・していかないと・・」
とずっと悩んでいる。
私は少しお腹が空いてるので先に出しちゃおうかなと思ってスマホ画面をスクロールしていたら、ユウトさんは意を決した顔で注文してきた。
「タミエさん!俺はタミエさんの手料理を召喚して欲しい」
私の手料理・・・親子丼とかってことかな?
それとも新メニューについて考えてくれてたのかな。まだ召喚してないものなんかあったかな~とフィルターをかけて探すことにした。
外食のご飯と比べたら少ないけど、それでも意外と自分の手料理も撮ってたんだなぁと思いながらスクロールしていく。
あ、手料理の定番がいた。
肉じゃが。
<タミエの夜ご飯1>
M3 500V
肉じゃがに関しては、味の染み込んだジャガイモが大好きで作ったその日には食べずに翌日に食べる派なんですよ。
たしかこの写真撮った時はかなり自信作だったんだよね。味の確認と言いつつご飯前にジャガイモを結構食べたっけ。
ふんだんにいれた牛肉にジャガイモ、ニンジンにしらたきと玉ねぎ、彩りにきぬさやを添えて映える角度で撮影してる。
これならまぁいっか。
肉じゃがだけじゃ物足りないだろうから、便利な朝ごはんセット3(タマゴかけご飯と焼き鮭に味噌汁)を合わせて出せば、ザ・和風の食事が完成した。
ユウトさんは肉じゃがを見て目を輝かせている。肉じゃがは確かに自信作だけど、そんなに見られるとちょっと恥ずかしい。
久々の肉じゃがはおいしかったなぁ、お肉とジャガイモをふんだんにいれてあるから結構な量があり満腹感を得られること間違いなし。
めちゃくちゃ喜んでくれているユウトさんはあっという間に食べ終わって満足そうにしている。
食事を終えて雑談をしてからユウトさんと別れ、一休みしようとベッドにダイブしたら新しい朝が来ていた。
今日は看板に書いておいた通り、お店はお休みなので時間が空いている。
そうだお茶を買いにマァルさんのところに行こう。
朝ごはんを食べ終わり、トゥイさんとマァルさんの家に向かった。
もうそろそろ家だというところで、家の前に先客がいた。
エドナさんだ。
「おはようございます、エドナさん」
「おはよう」
「どうしたんですか?」
「マァルに町を案内してもらおうと思ってきたんだけど、マァルの兄に追い返されたから出待ちしている」
えぇ~何それどうしてそんなことに。
「私もマァルさんに用事があったんですけど・・・連れ出せるかどうかチャレンジしてみますね」
エドナさんには申し訳ないけど、少し隠れててもらって私一人でドアをノックする。
出てきたのは予想通りトゥイさんだったが、私だと確認したら笑顔で家の中に入れてくれた。
「タミエさんからうちに来るなんて珍しいね、どうしたの?」
「マァルさんに茶葉を売って欲しくて」
「あぁそういえばそんなこと話してたらしいね、昨日マァルに聞いたよ」
今のところご機嫌は損ねていない様子。
「マァルを呼んでくるよ」
そう言っておくの部屋に行ってしまった。
初めてユウトさん以外の人の家に来たけど、トゥイさんの家は一階部分のみで一人で住むには十分な広さだけど、二人だと少し狭そう。
やって来たマァルさんは今まで眠っていたのか、寝癖がついている。あくびを手で隠しながらこちらにやって来た。
「タミエさんおはようございます。すみません、せっかく来ていただいたのに寝起きで」
「こちらこそごめんなさい、お昼過ぎに来ればよかったですね」
「いえいえ、僕がちゃんと早起きしないのがいけないので」
寝ぼけまなこのマァルさんを甲斐甲斐しく世話をし始めるトゥイさん。
マァルさんの為に飲み物を用意し、寝癖ではねている髪をくしでとかし始めた。
それが当たり前なのか、気にする様子の無いマァルさんは袋に入った茶葉を一つテーブルに置いた。
「いくらで買ってくれますか?」
ふぉ!?まさか聞かれるとは思わず動揺する。
相場がわからない。
そもそもあの村でもマァルさんの家でしか飲めないような貴重な茶葉で、流通の少ないお茶なんだから、普通に考えれば高いだろう。
安く値段を言っても失礼になってしまうから悩ましい。
あまりよくないけど、質問に質問で返させてもらう。
「むしろいくらで売ってくれますか?」
マァルさんもう~んと悩んでいる。
うちのお店を手伝ってくれているとは言え、値付けしたことが無いからきっとわからないんだろう。
「マァルさんがその茶葉を手に入れるのにいくらかかりましたか?その値段にマァルさんの欲しい利益を乗せてみてください」
「管理人さんがくれるからいつもお返しにうちの両親のご飯を分けてるみたいなんだ。僕からいくらか払ってるわけじゃないからなぁ」
さぁて困ったぞ。
あぴゃああああああああ( ;∀;)
ブクマも評価もありがとうございます!
ひたすらに家に籠っているので運動不足です。
太ももがヤバい太さになってきました。
適度にストレッチを取り入れて健康に過ごしたいです。
皆様もお気をつけてくださいまし。




