115.告白の行方
目の前でまさかまさかの告白が行われ、私は必死にニヤついてしまう顔を手で隠していた。
そこへ私の肩をちょんちょんとつついてきたユウトさんを見れば、口元を片手で押さえており温かいまなざしで資料館に戻ろうとアイコンタクトがされた。
二人の告白の結末をこの目で見たいけど、それは野暮よね。
はぁ~久々にキュンと来た。
友達の結婚式とか以来だなぁ。なれそめ話とかされると本当良かったねぇと親戚のおばちゃんかよって突っ込まれるぐらいには祝福しちゃう。
自分より周りの人達が幸せになってくれるのを見るの本当に好き。
弟のトゥイさんがお付き合い始めたらトゥイさんにも春は来るのかな。そうしたら相方のゴザレスさんやマーシェルさんとか女性陣もオキュイさんとかお金持ち来たら結婚しちゃったりするのかな。
どんどん幸せの連鎖が続いてゆくゆくはユウトさんも含めみんな幸せになってほしい。
お祝いにどんな料理出そうかな。
写真のアルバムの中には、友人の結婚式で出たコース料理も当然あるわけだけどただスキルレベルが足りない。
次のスキルレベルが上がったら出てくるのか、それともMAXまでレベルを上げないと出てこないのか。
「あの二人がお付き合いしたら、お祝いにどんな料理が喜ばれると思いますか?」
「そうだな・・・マァルは今までの注文内容見てる限り甘い物が好きだから何かケーキでも用意してやればいいんじゃないか。エドナはアイツ何が好きなんだろうな。魔王討伐の旅の時は特に好き嫌いをしてた記憶ないから何でもいいと思うぞ」
ふむふむ、甘い物ねぇ。私は一人妄想を広げていたのでユウトさんのぽつりとこぼした言葉に気付けなかった。
「俺もあれぐらい素直に言えたらな・・・」
しばらくすると入り口から少年と少女が手を繋いで、お互いに頬染めながら仲良くこちらにやってくるではありませんか!!
何あれめっちゃ可愛い。可愛すぎかよぉぉぉ!!おばちゃんキュン死しそう。
恥ずかしそうにしながらもマァルさんが結果報告をしてくれたけど、大丈夫入ってきた段階で気づいてるよ。そんな幸せオーラを溢れさせながらこっちに来てくれたら言わなくても伝わるよ。帰ったらお祝いするねと!心の中で叫び、言葉でしっかりとおめでとうと伝えた。
これはトゥイさんにも早く知らせてあげたいと思っていたら勢いよく資料館の扉が開いた。そこに居たのは少し息を切らせたトゥイさんだった。
振り返ったマァルさんは手を繋いでいない方の手を振りトゥイさんに笑顔を向けている。
スタスタとこっちにやって来たトゥイさんは、いきなりマァルさんを抱きしめた。
かなりきつく抱きしめられているみたいで、マァルさんは繋いでいた手を放し両手で押しのけようとしている。
「に、兄さん・・・苦しいよぉ」
なおも抱きしめたままのトゥイさんに抵抗することをあきらめたマァルさん。
ようやく落ち着いたのかゆっくりと解放すると、エドナさんに向かって
「マァルを泣かせたら容赦しない」
と言い放った。
お父さんか!?娘を泣かせたら承知しないぞっていうお父さんの気持ちですか!?
町に居た時は気付かなかったけど、もしかしてブラコンですか?
「あ、兄さんお願いがあるんだ」
「カペゴ草だろ。行こう」
恐ろしいほど状況を把握しているトゥイさん。
「あの、どうして知ってるんですか?」
「あぁ、この村の草木はとても波長が合うから、聞けばなんでも教えてくれるんだ。別行動してたしマァルの様子を木々たちに聞いたら色々と教えてくれてね。そう色々と」
最後の色々は告白のことを指してるんですかね。
トゥイさんのおかげで対になるカペゴ草を見つけられたので、マァルさんが管理人さんに茶葉の交渉をしに行って戻ってきた。
全員が揃ったので町に帰ることになったんだが、村の入り口に行くまでに何人もの人が蔦でぐるぐる巻きにされ木に吊るされていた。
皆一様にトゥイさんに謝罪をしているんですけど、なんですかこの状況。
トゥイさんの用事ってこの人たちを吊るすことだったの?
「あ、あの吊るされてる人達、トゥイさんに謝罪してるんですけど。ほっといていいんですか?」
「いいよ、僕に謝ってるようなわかってない奴はほっとけば」
恐ろしい笑顔を作っていたのでこれ以上踏み込むことは出来ず、吊るされた人達をそのままにして村を出た。
ふぁあああああああい!?
いつから恋愛ものになったんだ!?
ご飯ものだよこの小説は!!
誰のせいだよ!!私だよ!!
ちょっと暴走してすみませんでした。
評価とブクマ本当にありがとうございます!!




