114.カペゴ草とオルゴール
管理人さんとユウトさんがちょうど話し終わったところで、マァルさんが資料館の裏手に行っていいか確認をしている。
「ちょうどよかった俺も行こうと思っていたんだ。ユウトは中々話せるやつでな、見てもらった方が早いからな」
四人で資料館の裏手の森に行くと紅葉している周りとは一部違う場所が見えてきた。
私ぐらいの背の低い青い葉っぱを付けた木々が生えているところがあり、そこにはもう一つ別の草が生えていた。
見た目は食虫植物のウツボカズラのような感じ色も黄緑に少しオレンジ色が混ざっていて、大きさが二リットルペットボトルぐらいある。
そんな草が点々とそこいらじゅうに生えている。
一つだけドラム缶ほどの大きさで色も青と緑がまだらになっているものがあった。
「ユウトこれがさっき言った収集物が出てくる植物だ」
管理人さんは一番大きなドラム缶サイズの物を指さし、ドヤ顔で話している。
「俺は毎日この植物の世話をして、いつ不思議なものが出てもいいように待機してるんだ」
「へぇこれが・・・」
ユウトさんはまじまじとドラム缶サイズのウツボカズラもどきを眺めていた。
そうか、ここの資料館に元の世界の物が多くあるのはこの植物が出してるんだ。
向こうの世界とつながっているってことなんだよね。ドラム缶サイズだから人も入れそうだけど、きっと一方通行なんだろうな。
「ここ最近は何も出てこねぇが俺はまた何か来るのを楽しみに待ってるんだ。マァルも協力してくれてよ、一個だけ使えるのがあるんだぜ」
管理人さんはポケットに手を突っ込み取り出したのは小さな箱だった。
箱の横にねじのようなものが付いていてぐりぐりと回し、箱の蓋を開けると音楽が流れた。
オルゴールだ。しかも曲も有名な大きな古時計が流れてきた。
「マァルがここを回すってことに気付いてくれなきゃ展示室に飾ってただろうけど、これはちゃんと音がなるんだ。これは俺の宝物だ、ありがとうなマァル」
「そんな、偶然だよ。なんとなく回すんじゃないかなって思っただけで、きっと管理人さんも僕がやらなくてもそのうち仕掛けに気付いてたと思うよ」
すごく嬉しそうに語る管理人さんと照れているマァルさん。
話を逸らすかのように私にマァルさんが話しかけてきた。
「あ、あのねここに連れてきたのはこの黄緑とオレンジ色したカペゴ草は対になっててね、片方にものを入れるともう片方から出せるんだよ。お手紙とか小さなものはこれでやり取りしてたりするんだよ」
なんとファンタジーな草なんだ。テレポートできる草ってことだよね。
こそっと小さな声で私に続ける。
「だから、管理人さんに茶葉をこのカペゴ草に入れてもらった対を僕が持てば、遠くても茶葉が手に入ると思うんだ」
なるほど、これなら距離の心配をしなくていいのか。
「普通だと対を探すのが大変なんだ。ここに対が生えていればいいけど、別の場所に対があると見つけるのは困難だから」
確かに。ここにわらわらと生えているものの対になるもう片方がここに居るとは限らないのか。
じゃあどうやって・・・あ、それでトゥイさんか!
「兄さんにお願いしたら植物の声が聴けるから、対が探せるはずなんだ」
そういうことね。じゃあトゥイさんに後でここに来てもらわないといけないのか。
トゥイさんの予定はいつ頃終わるんだろうか。
「兄さんの予定早く終わるといいな」
資料館に戻ってきた私達は、管理人さんにお別れをしてトゥイさんとの待ち合わせ場所に行こうと資料館を出たところでエドナさんが向こうから競歩並の速さでズカズカとこっちに向かってやってきた。
マァルさんの正面で立ち止まると眉間にしわを寄せながら
「この村を出るってどういうこと?」
と詰め寄っている。
「あ、えっとちゃんと話そうと思ってたんだけど、今日資料館に居なかったから会えてよかった。僕、今はタミエさんのお店でお世話になっているんだ。この村に居てもたいして役に立てることないから、兄さんと一緒に村を出て人間の町で暮らそうと・・・」
それを遮るようにエドナさんが怒鳴りつけた。
「なんでそんな危ないことするの!人間はピエニエルフを攫ったりするのよ。そんな危険な場所に行かなくてもここは何でも揃っているわ。確かに村の人達はあなたに冷たい態度をとるかもしれないけど、今まで通り一緒に資料館で過ごせばいいじゃない」
マァルさんがとても驚いているところ申し訳ないけど、おばちゃんは勝手にニヤニヤしてしまう。
だってこんなに怒るほど心配するなんて、これは両想いなんじゃないの?マァルさんだって昨日頬赤く染めてたし。
マァルさんは管理人さんからも信頼されてるし、エドナさんからは好意を寄せられてるってことよね。
モテモテですねぇ。
驚いていたマァルさんがようやく絞り出した声はとても小さかったけど芯があった。
「・・・今まで通り一緒に資料館で過ごしてくれるの?」
「そ、そうよ。私が一緒にいるわ」
「じゃあ・・・僕と一緒に村を出て町に来てくれない・・・かな。僕夢が叶いそうなんだ。応援してくれるって前に言ってくれたのすごく嬉しかった」
はぁ~見てるこっちが恥ずかしくなってくるほど、二人とも頬が赤い。
「本当は町でお店が落ち着いたら言おうと思ってたんだけど・・・」
「な、なにを・・・」
「エドナさん、僕と・・・付き合ってください!!」
わああああああああ!!
人通りが少ないとはいえ、私とユウトさんが後ろにいるのによく言った!!
男気あるね!!きゃーーーー!!すごい瞬間に立ち会っちゃったよ!!
びゃあああああ遅くなりました。
あの、ブックマークありがとうございますぅうぅぅ!!
なんでこんな展開になったのかちょっと私も分からなくて、プロットはどこに行ってしまったの?




