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111.雑誌

ユウトさん視点

 まずい!!

 タミエさんが近寄って本を見てあれが週刊少年雑誌というのがバレた!!

 このままじゃタミエさんがエドナに捕まり、読んでくれと長時間拘束されてしまう!!


「お前、まだその本持ってたんだな。いい加減諦めろ。そこには新しい魔法とかは何も書いてない」


「・・・それはユウトが秘密にしてるだけ。これは絵があって本来わかりやすく解説されているはず。ただ文字がわからないから解読できないだけ。それにこれは沢山の魔導士達が作り上げた書なのはわかっている。ページ毎に絵が違うから。だからそれぞれ得意分野の記述がされてる。私は何が書かれているか知りたいだけ」


 違う!その本には努力や友情、夢や希望が描かれているんだ。物語を生み出しているという点では漫画家さん達は魔道師かもしれないが、別にこの世界で使える新しい魔法とかじゃない。


 そもそも一冊で十数種類のマンガがあるんだぞ。全部読んでいたわけじゃないし、中には連載と休載を頻繁に繰り返してて前回どんな話だったか思い出すのに一苦労するやつだってあるんだ。


 アイツは納得するまで引かないからめんどくさいんだよな。

 しかしこのままじゃタミエさんがアイツの餌食になってしまう。


 クソッしかたない。


「お察しの通り確かに複数人の人間でそれを作ってるよ。だが本当に魔術とか関係ない。一作品だけ読んでやる。だがお前の指定は受け付けない。俺が作品を選ぶ」


 これで完全に意識はタミエさんから俺に向いた。

 しかし、この歳になって漫画の音読をしなければならないとは。


「何故ユウトが指定する。それは教えたくない魔法が記されているんじゃ」


「違う、お前にとって理解しにくい物を読んだところでさらに疑問が増えるだけだろう」


「だが、私はこれが一番知りたい」


 ページをめくり指定されたのは、忍者の話のやつだった。


「この手の上に出来た複雑に描かれた丸は絶対魔法。しかも次のページで敵と思われるものをふき飛ばしている描写がある。賢者である私なら再現できるはず」


 出来ねぇよ。魔法みたいと言えば確かにそうかもしれないけど、でも出来ねぇよ。むしろのこの世界の魔法だって凄いだろ。十分じゃねぇか魔王も倒し終わってるのに。


 第一指定してきた作品、親から子の世代まで描かれてて説明するのが大変なんだよ。

 親になるまでの間にそりゃ男の俺でも泣くようなシーンがあったんだ思い入れもある。だが長い。

 絶対一日で終わる気がしねぇ。むしろ一か月ぐらいあれやこれやと質問攻めにあう未来しか出てこない。


「あの~この本は確かに色んなことが書いている本ですけど、なんて言うか書いてる人それぞれ違う世界の人なんで、この世界で通用しないですよ。あくまでもこの描いてる人の世界ではこういう現象が起こったりするだけなので」


 な!タミエさん!!

 駄目だ!エドナにこの本を読めることを知られたら家に帰れなくなるぞ!俺はタミエさんを守れないのか!


「何故そう言い切れる」


 案の定エドナの意識がタミエさんへ向く。


「この人の世界ではこういうことがあったんですよっていうお話を知るための本ですね。この本からは学べるものは魔法とかではなく、人として色々な経験を積み重ねていく大切さと周りの人達との人間関係が学べるものだと思います」


「そもそも書いてる人間が別の世界の人間ってどういうこと」


「う~ん、例えばマァルさんはピエニエルフの世界の人ですよね?でもエドナさんは人間世界の人じゃないですか?それぞれモノの考え方や価値観が違ったりしますよね?」


「でも、ピエニエルフも私も同じように魔法が使える」


「ここに書かれていることは全て、描いた人の頭の中だけで起こっていることだからですよ」


「頭の中・・・だけ?」


「はい、描いている人の想像の話、物語ですから。」


 長い沈黙をするエドナ。俺が散々魔導書じゃないと言ってきたのに信用せず、今日まであの雑誌をひたすらに解読に費やしてきたこの時間を思っているのだろうか?

 やっと出てきた言葉は、


「・・・この本は魔導書ではないの?」


 信じたくないという感情が見て取れる。

 そこへ俺も思っていた疑問をタミエさんが聞いてくれた。


「えぇ。むしろどうして魔導書だと思ったんですか?」


 少し気まずそうにしながらエドナは答えた。


「・・・魔王を倒しに行くときユウトが読んでた。ユウトが強いのはこの魔導書の力だと思った・・・から」


 俺がこの世界で強くやっていけてるのは女神からの能力と努力あってこそだ。

 本を読んだだけで強くなれるとかどんなドーピングだよ。ある種のチートだな。

 そもそもお前十分強いだろ。


「魔王が居なくなったのにこれ以上強くなる必要ないだろ。なんで力が必要なんだよ」


 そう問えば、


「・・・言いたくない」


 はぁ、そうかよ。


 ぱたりと本を閉じて天井を見つめるエドナ。

 だいぶ読み込んでいたみたいで、雑誌全体がくたっとしている。

 その場で聞いてたマァルも少し落ち込んでいる。


 久々に読みたくなったから返してくれねぇかな。もうエドナに必要ないだろうし。


おあああああああああ!

ブクマありがとうございます!!


最近週刊少年雑誌読めてないな~。

美味しいご飯も食べたいなぁ。

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
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