108.攻略はメロンパン
準備が出来たと思われるトゥイさんの合図でお家の中に入れば、玄関には可愛らしい少女とトゥイさんと同じぐらいの少年が並んで立っていた。兄弟だろうか。
二人は私のことを上から下までまじまじと見てから、遠路はるばると形式的な挨拶をしてとりあえず、リビングまで案内してくれたものの、あまり歓迎されてない様子。
まぁそりゃそうだよね、人間がピエニエルフにしていることを考えればいくらトゥイさんが恋人だと言ったところで心象は悪いだろう。
案内されたリビングで私とトゥイさんは隣同士に座りユウトさんは何故か後ろに控えたままだ。
確か今回は護衛を頼んだって設定だっけ。実際はテレポートの依頼だけど家族であってもテレポートのことは言えないもんね。
私達の目の前にさっきの二人が向かい合うように座っている。お茶を持ってきてくれたマァルさんは配り終わると自分の部屋に帰ろうとしたところをトゥイさんに引き留められ、私の横に座るよう指示された。
「ハニー紹介するね、この二人が僕ら両親だよ」
な、兄弟じゃないの!親なの!?
え、若!見た目若!
そりゃトゥイさんも100歳超えててその見た目だから両親の見た目も若いかもしれないけど、トゥイさんと変わらないってどういうこと!?
驚きのあまり挨拶がワンテンポ遅くなってしまったけどご両親に挨拶する
「はじめまして、お付き合いをさせていただいてるタミエと申します」
二人は少し渋い顔をしながらも挨拶をしてくれた。
トゥイさんは持っていたカバンから紙袋を二つ取り出すと、両親の前にそれぞれ置いた。
「これはねハニーが作ってくれたんだよ」
はて?私は特に何の準備もせずに来ているのですが何か作っただろうか?
紙袋を開け覗き込んだ二人は不思議な顔をしてお互い見つめあっていた。何?何が入ってるの?
トゥイさん何を渡したの?
二人が紙袋から取り出したのは、メロンパンだった。
思い当たることがある。昨日の営業終わりのご飯の時にトゥイさんだけ、珍しく三品中二つをメロンパンでと頼み、明日の準備があるからメロンパンは持ち帰って食べるねと言っていた。
持ち帰られたメロンパンは今ご両親の目の前にあるやつだろう。言ってくれれば、当日の今日何かしら作ったのに!メロンパンで良いの?
「二人ともハニーが作ってくれたもの食べて欲しんだけど」
きっとご両親にとって初めての物で何より人間が作ったものだから怪しく思っているに違いない。
始めに動いたのはお母様で匂いを嗅ぎつつ小さく齧った。
するとビクッとなり、次の一口は大きくかぶりついて固まった。
その様子を見ていたお父様も少し齧ってビクッとなり、次の一口を食べた後は、さすが親子だよね顔が残念なほどとろけていて人に見せてはいけない状態になった。
お母様は先ほどから動いてないけどもしかしてマァルさんみたく目を開けたまま気絶した?
遺伝するんだねぇ本当生命の神秘だ。
お父様は残念な顔になりつつもスムーズに食べ終わり、お母様は意識を取り戻し再びかじりついては気絶を繰り返しながらなんとか食べ終わることが出来た。
「こんなおいしい料理をトゥイは食べれているのね」
「いい嫁さん見つけたな」
メ、メロンパンで両親の攻略が完了した。
ありがとうございますメロンパンを編み出した見知らぬ偉人。貴方の功績はエルフに通用しましたよ!!
「じゃあ僕らの付き合いを認めてくれるんだね」
「あぁ」
それを聞いたトゥイさんはすっごいいい笑顔でお父様に畳みかける。
「じゃあ僕はハニーと一緒に過ごすからこの村には戻らないから族長は他の人にしてね。それからハニーは他にもおいしい料理を作れるんだけど、その特技を生かしてお店を開いてるんだ。マァルはそこで重要なポジションを任されているから、マァルも村から出ていくけど問題ないよね、答えは聞かないよ」
一方的な物言いにご両親そしてマァルさんも隣で驚いていた。兄弟で話し合って決まっていたんじゃないの?
少し考えてからお父様がマァルさんを見つめて話しかけた。
「マァルはそれでいいのか?」
それを聞かれたマァルさんは即答した。
「はい、今の仕事にやりがいがあるので」
しかしその言葉の後には少し寂しいものが続いた。
「僕はこの村じゃ役に立てないけど、タミエさんのお店だったら役に立てることがあるのでそこで過ごしたいんです」
マァルさんにとって素直な気持ち。この村じゃ息が苦しいだろう。
先ほどまで見てきた村の人達の態度を知っているからこそ私も何としても町へ連れ帰りたい。
「私からもお願いします。マァルさんは私のお店になくてはならない人なのです」
するとお母様から
「タミエさん、先ほどは不躾な態度をとってごめんなさいね。やっぱり人間への見方はすぐに変えることが出来なくて。でも貴女が二人のことを大切に思っているのが伝わるわ。息子たちのことよろしくお願いしますね」
それに続くようにお父様からも
「私からも頼む」
ご両親から許可がおり、二人とも問題なく町へ帰ることが出来るようになった。トゥイさんと目が合いお互いに微笑みあった。
それから少し家族同士の近況報告してからお父様からの提案があった。
「今日はうちに泊まっていくだろ?夜までまだ時間がある、せっかくだこの村を見て来たらいい。村のやつらからはあまりいい目で見られないと思うがこの村のことを知ってくれると今後なにかと役に立つだろう」
「あなた達が帰ってくるまでにご馳走でも作っておくわ」
そう言われトゥイさんとマァルさんユウトさんと一度お家をでて村を散策に出かけた。
しばらく村を見てるとやっぱりいい顔はされず、変わらずマァルさんのことを蔑む声がちらちらと聞こえてくる。
居心地が悪いはずのマァルさんから行きたい場所があるんだと言われついて行くことになった。
本当におそくなってごめんなさい!
そしてブクマと評価ありがとうございます!
キーボードに酒をこぼして、aとbとスペースが使えなくなり、携帯で頑張っていたけど全然打てなくて、ようやく仮キーボードを見繕ってアップ出来ました。
お酒の飲みすぎ良くないですね、酔っぱらって手元がおぼつかなくなってしまいますから。
明日分10時にアップするのは厳しそうです。ごめんなさい。




