103.短い間でも
あれから少々の雑談をしてお開きとなり、あれだけ良く寝たのにしっかり夜も就寝した。
翌日のちょうど三時のおやつ頃にトゥイさんとマァルさんが我が家にやってきた。
少し疲れているマァルさんの表情。たいしてトゥイさんは普段通りで特に機嫌が悪いという事もない。
村に帰って来て村の人達に説明してくれと頼んでいるのだろうけど、きっと首を縦に振ってもらえないんだろう。
「大丈夫ですか?マァルさん」
「あ、はい。少し休めばなんとか。今日は兄さんとゴザレスさんレイアさんに付いて冒険者の真似事をしたんですけど、やっぱり自分には向いていないって言うのがわかりました」
あ、疲れてる理由は冒険者の真似事をしたという事だったんですね。っていうかパーティーメンバーが強烈すぎて、採集案件とかじゃなくて討伐系に連れていかれてますよね。
「それは……お疲れ様です。そういえば何か御用だったんですか?」
「は、はい。図々しいお願いで申し訳ないんですが、少しの間だけでかまわないのでここで働かせてもらえませんか?冒険者業で稼げないとなるとやはりお店で働くしかなくて。でも僕はあと少ししたら村に戻らなきゃいけないから、そんな短期で雇ってくれるところなんてなくて……」
せっかくここまで来たんだからお店で働くって思い出があってもいいよね。
今のところ人手が足りないポジションは無いけど少しの間なら別にいいっか。
「いいですよ。お試しで働いてみて楽しかったら少しの間でもお店体験してみましょう」
「あ、ありがとうございます」
目に涙を浮かべながらこちらを見ているけど、まるで私が神のような扱いの眼差し。
いやいや、そこまで凄いことしてませんからそんな目でこっちを見ないでください。
これだから美少年は怖いわ~。
ちょうど予備の前掛けエプロンもあるし明日の営業は楽しそうだね。
新人教育はユウトさんにお願いしよう。その分特別手当でも用意しておかなきゃ。
要件が終わった二人と少し雑談をして解散となった。
玄関先で二人を見送っていたけれど、マァルさんは余程嬉しかったのか両手をあげてぶんぶんと手を振ってくる。
そこへ二人と入れ違うようにオキュイさんがやってきた。
「タミィ~ごめぇん!明日どうしても教会のお仕事しなきゃいけなくなっちゃったからお店お手伝い出来ないぃ。本当にごめんねぇ」
本業が忙しいのは仕方ないこと。それに従業員は居るので問題ない。
「わかりました。ご連絡してくださりありがとうございます。こちらは大丈夫ですので本業のお仕事頑張ってください」
「本当にごめんねぇ、ありがとう」
そう言ってオキュイさんは教会に向けて帰って行った。
なんだかんだちゃんと営業出来てるなぁ自分。
もちろん私一人の力じゃなくてユウトさんをはじめとする周りの方々に支えられてなんだけど、自分が人を管理する側になる日が来るなんて。
会社では使われる側だったから、今更ながら新鮮な気持ちになった。
学生時代のバイトの時とか周りの学生たちは結構急な休みとかあったりとかしてたけど、社員さんやバイトチーフが頑張って調整してくれていたんだなぁと改めて思った。
営業当日。
誰がどう見たってそれはもう緊張しっぱなしのマァルさん。
わかるわかる、初めてのことって失敗したらどうしようとか色々考えてガッチガチに緊張しちゃうよね。
「おはようございます。本日の連絡事項です。今日からしばらくの間マァルさんも働くことになりましたので皆様フォローお願いします。教育係としてユウトさんお願いします」
「わかった」
「あと、今日はオキュイさんが休みです。ポジションですが、外の整列をトゥイさん、配膳をゴザレスさんとユウトさんとマァルさんでお願いします。本日も一日よろしくお願いします」
連絡事項を伝えた後、ユウトさんは早速マァルさんに色々説明をしてくれている。
魔力が増えたからランクがRぐらいだったら営業時間中の魔力は持つぐらいになったので、恥ずかしい私の自炊系を今日は無しにしてやってみようと思います。
さぁ、いらっしゃいませー!!
誤字報告ありがとうございます!!
本当に本当に助かりました!お手数おかけしてすみません。( ;∀;)
ブクマも評価もありがとうございます。
お時間使って読んでいただけて本当に幸せ者です。
少しでも皆様に楽しんでいただけますように!!
Twitter最近停滞しててすみません。時間見つけて飯テロします( *´艸`)




