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101/160

101.優しい香り

 翌朝目覚めると私が起きるのが一番遅かったらしい。

 オキュイさんがムスッとしていた。


「もぉぉ!タミィ寝るの早すぎぃ!いっぱい話したかったのにぃ!しかも全然起きないしぃ」


「ご、ごめんなさい」


 じ、次回があればその時は何とか起きていたいと思うけど、昨日は本当にちょっと海ではしゃぎ過ぎて身体が睡眠を求めていたのです。おかげさまでよく寝れました。


 テントをたたみ、ユウトさんへ預けるとアイテムボックスに収納されていく。

 焚火の後始末も終わっており、朝ごはんはどうするのかと思っていたら食べずに家まで転移するという。

 私の家でみんなで朝ごはんを食べようという事になっていた。


 ユウトさんのテレポートで家に戻ると、みんな席に着いては~や~く~と催促をされた。

 朝ごはん今日は何にしようかなぁとアルバムをスクロールしていたら、懐かしい物を発見したのでそれにしてみた。


 ドーナツのチェーン店。天使のフレンチとか、ずっしりとした昔懐かしのドーナツとかデフォルメしたライオンのまるまるとしたタテガミみたいなドーナツとか。


 このお店ってドーナツはもちろんだけどパイ系やトーストも実はあったりする。

 さらに店舗によってだけど、麺類もあるから時々昼食を取りに行っていた。


 朝だしトースト類のクロックムッシュを人数分召喚して、おまけにビーフシチューが入ったパイも数個用意した。


 皆の目の前にクロックムッシュを置けば、何これ初めて!と楽しそうに頬張りだした。

 パイはみんなから取りやすい中央に置いておいた。


 う~ん!このホワイトソースおいしい!!チーズとの相性が抜群。

 久々の味にちょっとテンションが上がるなぁ。


 レイアさんとゴザレスさんはあっという間に食べ終わり、足りなかった人用にと出しておいたパイをいいのか?と聞いてきて、こちらが返事をする前にレイアさんに関しては既に口に入れていた。

 うん、まぁ食べてもらう為に出したからいいけどね、そんなすぐに口に入れるなら聞く意味が・・・。

 ゴザレスさんはちゃんと私の返事を待っていてくれたけど。


 トゥイさんは通常営業通り見てはいけない顔になっている。はい、おいしいという事ですね。

 弟のマァルさんはさっきから動いてないけど、もしかして気絶してる?


 この場に居てまともにご飯を食べているのはユウトさんとオキュイさんだけのようだ。

 私はクロックムッシュだけで満足したので、食べ終わってたオキュイさんとこのメニューも販売リストに入れたら?などとお店のことについて話していた。


 意識を取り戻したマァルさんもパイに手を付けていて、再び固まってしまったのでしばらくそのままにしておいた。


 最後の一個となったパイをレイアさんがよだれを垂らしながら眺めていた。一応他の食べてない人への配慮が出来たんだ。

 どうぞと差し出せば満面の笑みで感謝され、強い人に戦いを申し込まずにこうして普通に話す分にはかわいらしい人なのになぁと思った。


 みんな満足してくれたみたいで、ゴザレスさんとレイアさんは食後の運動してくると言って食べ終わって割とすぐに出て行ってしまった。

 残っている組はしばらくまったりしてからそれぞれのタイミングでオキュイさんとユウトさんが帰っていった。

 最後に残っていたのは気絶していたマァルさんと起きるのを待っていたトゥイさん。弟思いのいいお兄ちゃんだね。


「村から一人で来たんだろ?付き添いが居ないなら家に来ればいいよ」


「う、うん。でもせっかく兄さんが一人で自由に過ごせる時間なのに僕がいていいのかなって思って」


「いいに決まってるだろ。それじゃあねタミエさん。行くぞマァル帰るぞ」


「あ、まって兄さん。タミエさんありがとうございました」


 微笑ましく二人で帰っていた兄弟を玄関を出て見送り、ひと段落したのでしっかりベットで寝ようかなと思ったらユウトさんがこちらにやってきた。


「タミエさん、朝ごはんあいつらの分までありがとうな。これ貰ってくれ」


 そう言って差し出されたのは、薄ピンク色した小ぶりの花が密集している花束だった。

 ほのかに香る優しい甘い匂い。


「この花の匂いはリラックス効果があるって言われてるんだ。慣れないことして疲れてるだろうから、ベットの横にでも置いておけば、しばらくはゆっくり休めると思う」


 この短期間にお花をもらう事がこんなにあるなんて。しかも、この花はリラックス効果があるものをわざわざ用意してくれたんだ。

 トゥイさんにも幸運の黄色い花をもらってるしみんな優しいなぁ。


「ありがとうございます!さっそく飾りますね」


 それじゃあまたとお別れして、私は自分の部屋にもらった花を飾りお風呂に入ってからお昼寝の為ベットにダイブした。

 優しい香りが鼻腔を通り過ぎあれだけテントで寝たのに、あっという間に夢の中へと意識が持って行かれた。


読みに来てくださり本当にありがとうございます。

ありがたいことに、ネット小説大賞第8回の一次選考通過という奇跡が起こりまして、FF7Rを中断してちゃんと執筆しました。


見に来ていただいたり、ブックマークや評価をくださった皆様のおかげでここまで(101話)続けることが出来ました。


初投稿の作品で至らぬ点があるかと思いますが、読みに来てくださる皆様の為にもしっかり完結まで書いていきたいともいます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。



本当に本当にありがとうございます!!( ;∀;)

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●●短編書いてみました。●●
お時間あったら是非どうぞ。

四十肩賢者のダークトランス
……ダークトランスとか厨二感溢れてる気がする。
― 新着の感想 ―
[一言] こんな時だからこそ、楽しく時間を過ごせる作品の執筆、更新ありがとうございます。
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