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かぐや姫の誕生

 これは、君たちのおじいさん、おばあさんが生まれる前のお話です。

 竹を使った商売をしているさぬきの造という人がいました。竹を使った商売をするのですから、当然、野山に入っていて竹を切ってくることも仕事です。ある日のこと、竹やぶの中に一本、光っている竹があるのを見つけました。

「竹が光っているなんて何事だ?」さぬきの造はそう思い、ゆっくり光っている竹に近づきました。光の正体はどうやら竹の中にあるようです。よし、と思い、その光っている部分を傷つけないように竹を切りました。このあたり、さぬきの造はプロです。どこを切ればうまくいくかも承知しています。

「おやおや」

 竹を切ってみると、なんとまあ、手のひらくらいの女の子が行儀よく座っていました。その女の子のかわいらしいこと。光って見えたのも当然と思えるほどでありました。

「この竹山に来るのは自分くらいのものだ。神様が私に育てるように授けてくれたのに間違いない」

 さぬきの造はそう考え、この女の子を手に乗せて、家へと帰っていきました。

「今日は不思議なものを見つけてね」家に帰ると早速奥さんに報告です。話し合い、女の子の世話は主に奥さんが担当することになりました。手のひらくらいの大きさなのでとても小さいです。部屋の代わりにカゴを準備して、その中で育てることにしました。

 この女の子を連れて帰ってからというもの、さぬきの造の生活は一変しました。同じように竹を取りに行くのですが、中に金が入っている竹を見つけるようになったのです。さぬきの造はどんどん裕福になっていきました。

 女の子はすくすくと成長していきました。三か月ほどで、大人と変わらないまで成長しました。大人と変わらなくなったので、成人の儀式も行いました。大人になったので、もはやカゴの中とはいきませんが、箱入り娘として大切に育てていきました。かわいらしかった女の子も、今では大変な美人になっていました。近所で一番の美人と言っても、言いすぎではありませんでした。見つけたときもそうでしたが、家の中全体が明るく感じるほどでした。人間なのでときには頭にくるようなことが起きます。それでも、女の子を見れば心が鎮まるほどでした。さぬきの造は竹を取ることを続けていて、そして、そのたびに金の入った竹を見つけますので、どんどん有力者になっていきました。

 そろそろ女の子も結婚を考える年齢になってきました。それなのに名前がないのはどうにも不便です。そこで、祭具づくりをしている秋田さんという人に名前をつけてもらうことにしました。秋田さんはこの女の子に「かぐや姫」とつけました。名前がついたお祝いに、三日間、お祝いのパーティーが開催されました。様々な余興が行われ、いろんな人が招待されました。このパーティーは大いに盛り上がりました。

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