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~プロローグ~
∀・)あの青春劇場を再び――
友情とはそもそもなんだろうか? きっと人それぞれにその答えはあるのだろう。単純に考えてみれば単純なことだ。しかし深く考えてみれば考えてみる程にこれ程深いものはないだろう。そんなことを題材にした小説も少なくない。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。多くの人々に愛され、今なおも読まれ続けている名作であるが、作中に登場するジョバンニとカムパネルラの間に生まれたものもそんなものなのかもしれない。ジョバンニにとってカムパネルラは憧れの存在とされているがカムパネルラにとってジョバンニとはなんだったのかと思うと何だか胸が熱くなる。自分にとってなんでもなかった人間が後々になって大切な親友になることなんてよくある話だ。
今日も世界中のどこかで誰かと誰かが新たな友情を結んでいる。形はどうあれ、それはやはり素晴らしいことではないだろうか。そんなことを想いながら夜空を見上げると、幾多の星が同じ夜空に浮かぶ。そして私はこの物語を綴るのだろう。




