オンライン 【4】
『あの……』
とだけ送られてきた文。
『……何?』
『………………。』
え、なになになになに!?
さっきからこの子、よくわからないんだが。
『付き合ってくれませんか?』
「……………………へ?」
はっ!?
非リア歴二十三年の俺に!?
『え、ちょっと待ち!』
大体、顔も見たことない男性に、普通付き合ってくれませんか、とか言う!?
『まっ、う、うん!? 別に、まぁ良いけど!?』
まぁ良いけど、って、何返してんだよ!?
やべぇ、手が勝手に動くよぉ。
超能力か何かなの~?
『ほんとですか!? 嬉しいです!』
返信来ちゃったよ。
どうすんだよ。
『私、二十一才なんです』
『俺、二十三才だよ』
いや、マトモだなっ!?
うん、二十一才か。
二十一才が、魔導士というオタクっぽいのをしてるのか。
マトモじゃねーな。(矛盾)
『俺の、どこが良いと思ったの?』
重要なところ。
コメントの台詞とか見て、カッコイイ人だと思ったから~とか言われたら困る。
どうせ結局は、カッコイイ人だと思った、だろ。
『うーんと』
ほう?
『会話をしてて面白かったったので、面白い人なのかもって思ったのもあるし、』
一番最初にそれ来ちゃう!?
『あと、かなりカッコイイ方ですよね!』
カッコ良さそう、ではなく、カッコイイ方ですよね! って……
ふぁっ!?
え、一体どこで監視しているんだね!
『お、俺の顔、わかんの?』
『はい! 今、目の前に』
というか魔導士ちゃん、メールの返信まで本当に早いんだな。
てか、え、
『目の前?』
『はい。私の目の前に、バッチリ映ってます』
ぅえ! どこにそんな監視カメラがっ!
思わず顔を手で覆う。
『ほら、手で顔を覆ったのも丸見えです~』
マジでか!
『何で、何で俺の顔が見えんの!?』
『それは、うーん、言って良いのかなぁ』
『是非是非』
言ってくれなきゃ、わからねぇぜ。
『でも、せっかく彼氏になったのに、これ聞いて引かないですか?』
あぁ、そうか。
俺は、もう魔導士ちゃんの彼氏だったか。
『うん、引かない。』
と言っても俺、大抵の事は簡単には引かないから、大丈夫だと思うのだが。
『そうですか?』
続けて送られてきたメール。
『私、魔導士なんです』
「…………え?」
俺の頭の上には、ハテナマークが飛び交っているのではないのだろうか。
『本物の、ってこと?』
『はい』
……うん、引かない。
いや、引く隙が無いよ‼