オンライン 【2】
『魔導師が好きなの?』
ピコッ、という音と共に、コメントが表示される。
『いえ、そう言うわけでは無いのですが』
思ったよりも早く返事のコメントが表示され、自分のコメントと被る。
どうやって打ってるんだ……
自分も早く打てるのかと少し試してみたが、なかなか打てない。
打つのは早い方だと思うし、少しライバル心が顔を出す……って、そう言うことではなく。
そう言うわけでは無い、とは、どう言うことだろう。
『じゃあ、何?』
『……あまり話したくないんです。バカにされますし』
バカにされるって、どんな話だ。
何をもったいぶっているのだろう。
『バカにしないから、話してごらん?』
ここは優しい男として、話を聞いてやらねば。
というより、流石に気になってくる。
どんな面白いことが返ってくるのかと思いきや。
『実は……』
という言葉で区切られたコメント。
『えっ、何?』
『……メアドを交換してください‼』
「ふぁっ!?」
思わず口から漏れてしまった。
大体、知りもしない人に、よくメアドを交換しようなどと言えるものだ。
恐い。
『いや、でも他の二人が……』
メアドを交換するなんて、他の二人に注意されてしまうのではないか?
と言おうとしたのだが。
『良いですよ、見てませんし、大丈夫です!』
メアドを見られるのかもしれない、と言うことと勘違いをしたらしい。
マジか。
『私、言いますね』
と断れない性格の俺は、そのメアド交換に巻き込まれてしまったのだった。