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俺の知ってる彼女はもういない


……朝か。


俺は昨日フラれた。昨日は彼女の言動に振り回され、そこまで頭が回らなかったけど、やっぱりショックだ。学校行きたくねー。


「今日は午前授業だし、休むか。」


布団を被った。暇だしスマホでもいじろうとスマホに手をかけようとした時、階段を駆け上る音が聞こえてきた。


…まずい、凪沙だ。


慌てて俺は布団の中に潜り込んだ。


「健ちゃん、もう朝だよー。起きなきゃ遅刻しちゃうよ?」


「……今日は休む。」


「だめだよー。学校行かなきゃ。まだ学校始まったばっかじゃん。それに、入学早々学校休んでたらまた不良だって思われちゃうよー?」


…うっ。痛いところを突かれた。俺は中学時代、クラス替えするたびにみんなから怖がられ、クラスに馴染むのに時間がかかったのだ。


でも、今日は何としても学校に行きたくない。


「……頭が痛いんだ…少し寝かせてくれ。」


よし。完璧の演技だ。これなら凪沙も文句を言わないだろう。


「健ちゃん病気なの⁉︎大変!急いで病院に行かないと!」


なんでそうなる!頭痛いっていっただけだぞ。


「すぐ病院に電話するからね、健ちゃん。大人しく寝ててね。」


「あ、いや、ちょっと…。」


まずい、本当に電話かける気だ。


「ああ!もうっ!」


「健ちゃん?」


「いや〜おかしいな〜?急に頭が痛くなくなったぞ〜?これなら学校に行けるな〜。」


さっきとは打って変わった三文芝居だ。これはサボろうとしたの怒られるな…。


「そっか〜!よかったぁ!健ちゃんが死んじゃうと思って私…。」


「お、大袈裟だなぁ。俺ならもう大丈夫だから早く学校行こうぜ。」


「うん!」


……今度から凪沙に体調悪い素振りを見せるのはやめよう。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


…学校に着いてしまった。


凪沙が何かいろいろ話してたはずなんだけど全然覚えてねー。


とりあえず平常心。


ガラッ


まっすぐ自分の机に向かい、何事もなく座った。


…ん?机の中に何か入ってる。


手紙だ。宛先は…えっと、


「はぁ?」


視線が一斉に集まる。しまった声を出しすぎた。


「きょ、今日午前授業かよ。弁当持ってきちゃったじゃねーか。」


よ、よしなんとかごまかせた。それより内容は…


パラッ


……………ん?


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


誰もいなくなるまで俺は教室で待っていた。すると教室に彼女は入ってきた。


「ごめんねー。待たせちゃって。」


「い、いや、いいんだ。」


…どういうつもりだ?俺は昨日、彼女、姫路真帆にフラれた。それだけの話だ。一体何の話があるんだか…。


「それより、話って何なんだ?」


「あ、うん。それはね…。」


……緊張する。


「私が神様になるのを手伝ってくれない?」


…… え?


この子はなにを言っているんだ?


「…姫路は魔法使い…なんだよな?」


「うん!」


「そ、その、なんだ、神様にはなりたくてもなれるもんなのか?」


「うん!」


「駿河くん言ってくれたよね?お前ならいい魔法使いになれるから頑張れよ、応援してるって。」


あれ、なんか尾ひれがついてるぞ。俺はまずいことを言ってしまったんじゃないか?


……とりあえず断っておこう。


「ご、ごめん、俺忙しいし、実は魔法使いとか神様ってのもちょっと信じられないわ。」


これで大丈夫だろう。嫌われただろうが。


「…なんで?」


「え?」


「頑張れって言ってくれたじゃん!私が魔法使いだってこと話したのだってあなたが初めてだったのになんでよ!うぅ…。」


えぇーーー‼︎どんだけ設定にまじなんだよ。


「と、とりあえず落ち着け。よ、良かったら魔法使いのことを教えてくれないか?あと神様のことも。手伝うかどうかはやっぱり話を聞いてから決めるから!」


「本当?」


「ああ、本当だ。」


「……笑ったりしない?」


「あ、ああ。」


「わかった!じゃああなたに話すね!魔法使いと神様の秘密を!」


……はぁ。なんでこうなった。俺の好きだった彼女はどこに行ったんだ?









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