じとり、じとり、悲しくて
"心配だ" と言われたから "ありがとう" と返した
「あなたが心配だ」と 「あなたが大切なんだ」と
あの時どうして伝える事ができなかったのだろうと
あの時の事がどうしてこんなに尊く愛しいものだと
気配さえ感じずに私は当たり前のことだと疑わずに
どうして当たり前だと思い込んでいたのか
それほどまでに彼は私の近くでいてくれたこと
私に寄り添っていてくれた事
私も彼に寄り添っていた事
どうして幻のように消えてしまうのか。
あの時はもう桜は散っていました。
でも何も物悲しくありませんでした。
何故なら、あなたと出会えたその事が何より私の喜びであったからなのです。
あの時私はあなたに手を伸ばしました。
あなたも同じように私に手を伸ばしました。
どうして、その時の喜びを忘れ、
手を悲しさと共に放してしまえたのか。
あの時、私は確かに悲しかったはずなのに。
あなたはとても弱っていたの。
私もとても弱っていたの。
なのに、あなたは私を守り続けた。
私はそれまでも当たり前の事だと
何故なら私もあなたを守り続けて
いたから。
あの時はとても暑かった
夏至すらあなたに会える事への喜びを助長させるものになっていた。
あなたの後ろ姿がとても印象的で
私はそれを写真に納めた
残しておきたい そんなことを
思ったからです。
あなたはいつも笑っていましたね
私はたまに怒っていました
そんな私すらかわいいと
あなたは本当に馬鹿な男でした
その上をいく馬鹿が、私でした
愚かとは私の事を言うのです。
あなたがまだ此処に存在していたなら、
私はあなたが痛いと苦しむまで抱擁をしたでしょう。
あなたの骨が全て砕けてしまっても
私はあなたを離しはしないだろう。
そして言うのです。
「 私はとても愚かだった。 」と
あなたはきっと、
何のことを言っているのかわからないと
そのような表情を見せるのでしょうね。
それは、あなたの優しさで、私が焦がれたものでした。
その焦がれた物にもう一度焦がれる生涯を手に入れたかった。
焦がれて焦がれて焦がれて焦がれて
触れた瞬間に私の全てがなくなろうと、
生涯の全てのものを、あなたに埋め込んだでしょう。
あなたが拒んでも、私はあなたを自分の物にしてしまったでしょう。
私の愛はとても歪で可愛らしいものと雲泥の差があります。歪なその愛を、あなたは愛だと認識していたじゃないの。
私はそれが酷く嬉しい。
甘美な愛ではありませんでした。
私にとって愛とは
憎しみ混じりのとても重苦しい
じとりとしたものなのでした。




