道中1
二日で更新できたよ・・・!
あと「琴浦さん」面白いです。三話の終わり方的に四話が気になりすぎて(((( ;゜д゜)))アワワワワ
あと受験が近いです(遠い目)
「ランプ」
「プ・・・プ・・・あぁもう!さっきからプばっかりじゃ!」
「相手に返しにくくさせるゲームだからな。」
村を出て数十分、俺とナノアは歩きながらしりとりをしていた。
ナノアはしりとりを知らなかったのだが、教えるとすぐにルールを覚えた。
「そ、そうじゃユート!どうせじゃから街まで神術の練習をせぬか?」
「おお、それはいいな。教えてくれるようならありがたい。」
話題の変え方がぎこちないことには突っ込まない、大人の心遣いである。
「ふむ・・・まずは神術のコントロールを練習するかの。」
「それはいいが・・・どうやって練習するんだ?」
「そうじゃの・・・手に光の玉を作り出せるかの?」
「多分いけるはずだ。【ライト】!」
発動単語と同時に手のひらに野球のボール大の光の玉が現れる。
「次はそれに火の玉を混ぜるイメージをしてみるのじゃ。」
「これにか!?・・・【ファイア】」
光の玉と火の玉は手のひらの上で数秒合わさるようにして揺らいだあとロウソクが消えるようにフッと消えた。
「む、失敗のようじゃの。」
「流石にそこまでうまくはいかないか・・・。」
「この練習を繰り返すことによって神術のコントロールの上達と自分の属性を見つけることができるはずじゃ。一際威力が高いものが得意属性じゃからの。」
「へぇ・・・ところでナノアの得意属性は何なんだ?」
「妾の得意属性は「焔」と「光」じゃ。」
ナノアはそう言いながら指先に光と炎を混ぜて作った球を作る。
「おお、流石だな!」
「なに、このくらいなぞ朝飯前じゃ。」
そういいつつもかなり得意げな様子だ。
しばらく歩きながら手の上で魔法を混ぜる練習をする。
「・・・意外と難しいな」
「まぁ街に向かいながらゆっくりと練習するがよいであろう、時間はあるしの」
「そうだな、にしてもあまりに季節が変わらなすぎてだんだん飽きてくるな・・・」
「そうじゃろうか?妾は歩いとるだけで楽しいがのう~」
スキップしながら歩いているあたり本当なのだろう。
既に日は頂上を過ぎ傾き始めている。
「今日中に森は抜けておきたいが・・・行けるかな?」
森の中で夜を過ごすのはできれば避けたい。
「それじゃったら神術で身体強化を試してみるかの?」
「なっ、そんなのもできるのか!?」
「うむ、神術は基本的に全属性扱えるからの、やろうと思えば装備品まで作れるのじゃ。」
「なんだと・・・そんなことまで出来るのか。」
「かなりの理力がいるから現実的ではないがの。」
「・・・まぁそんなに簡単にできていいことでもないしな。ところで身体強化ってのはどうやるんだ?」
「そうじゃな・・・理力を足に込めるイメージがわかりやすいじゃろうか、因みに身体強化は発動単語はいらんぞよ。」」
「よし・・・おぉ!」
足に理力を込めるイメージをすると同時に朝から歩き通しで少し疲労がたまっていた足が嘘のように軽くなる。
「あ、妾は理力がないから運んでくりゃ」
そう言ってナノアが手を差し出してくる。
「それじゃあ失礼して・・・っと」
背中と腰の部分に手を添えて持ち上げる。
「なっ、これってお姫様抱っこ・・・」
抱き上げた途端、ナノアが顔を赤くして小声で何かを呟く。
「さて、日暮れまでに森を抜けるぞ!」
駆け出すと同時に今までの比にならないほどのスピードで景色が流れ出す。
「うわっ!?」
「なんじゃ!?」
風が痛いほど顔に当たり、一歩踏み出すごとに地面が恐ろしい程の速度で過ぎ去っていく。
「ユ、ユート!?理力を抜くのじゃ!?」
「うおおおぉおお!?」
急いで理力を抜く。
「きゅっ、急すぎじゃ馬鹿者おおおおおおおおおおお!」
あまりに急に失速しすぎて俺とナノアは前方に吹き飛ぶ。
「しっ、死ぬ!?」
その時、頭の中に雷の如くアイデアが閃いた。
「【ウォータークッション】!」
地面に触れかけた瞬間、地面を覆うように大量の水が現れる。
「うにゃあ!?」
ナノアが驚きながら水の上に落ちる
衝撃は吸収されたが代わりに服が濡れてしまった。
「・・・ユート。」
「・・・はい。」
「身体強化の使用は神術のコントロールができるようになるまで禁止じゃ。」
「・・・はい。」
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あれから数分歩くと直ぐに森から出ることができた、
しかし俺もナノアも服が濡れてしまっていてこれ以上歩いていては二人とも
風邪をひく可能性があったので、今日は森を出て少しのところで夜を越す事にした。
父さんから教えてもらっていた野営の方法を思い出しながらテントを組み立てる。
因みにこのテントは設置すると魔物よけと軽い認識阻害がかかるという素晴らしいものらしい。
「よし、テントは完成だな。今日は早いけど飯を食べたら休むことにするか。」
因みに濡れた服は着替えて火を使って乾かしている。
「そうじゃの、それとできれば寝る前にこれからのことも相談しておきたいのじゃが大丈夫かの?」
「そうだな、それもしておこうか。まぁその前に晩飯だ。」
ポーチの中に手を入れてパンを念じる。
「お、あったな・・・ってなんだこれ?」
パンを取り出すと、パンと同時にメモ用紙のようなものが手に入った。
「なになに・・・?えーっと「調味料は多めに入れてあるけどお肉は少なめだからお肉は狩りをして集めてね。二人とも頑張ってね♪」・・・だとさ。」
「なんと・・・母上殿の美味しい料理が食べれぬのは寂しいのう」
「ふっふっふ・・・それなら任せろ、俺も簡単な料理くらいならできるからな。」
「おお!楽しみじゃ!」
「作るにしても明日からだな、今日はもう暗いから明日の道中でなにか狩るとしようか。」
「うむ!妾も手伝うぞ!」
「そうか、じゃあ明日は頼むぞ。」
「任せよ!」
何気ない話をしている間に、夜はどんどん更けていった。