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旅立ち

東方無限螺旋って動画が面白かったです。

・・・すいません、テストがあるということを忘れていました。

「なぜ普通の人間のユートが神術を使えるのじゃ・・・?」


「知らんな」


「う、うむそうか。とりあえず理力が減った感じなんかはあるかの?」


「いや、全くないな。」


「なんと・・・今の妾よりは理力はあるみたいじゃのう。」


「今の?昔はもっとあったのか?」


「うむ、前はもっとあったんじゃがの・・・あの地下で目が覚めたらなくなっておったんじゃ。」


「目が覚めたら・・・?そういえばナノアはなんであんなところにいたんだ?」


「それが・・・分からんのじゃ。気がついたらあの場所におっての・・・」


全くもって不明瞭だ。


「そうじゃ、ユート!お主妾と共に旅をせぬか!?」


「思いついたようにとんでもないことを言うなよ・・・ってかなんで旅に出たいんだ?」


「理力がなくなった理由を探り、何故か復活しておる魔物を再度封じたいと思っておるからじゃ。」


正直俺としても旅はしたい。創造神とやらがどこにいるかはわからないがこの村には居ないだろう。

成人してから旅に出ようかと思っていたが、仲間がいるなら多少早くてもそちらのほうがいいだろう。

考え事をしていたせいでナノアの言ったことは聞き取れなかったが・・・問題ないだろう。


「・・・そうだな、俺も旅をしたい。」


「ほ、本当かの!?」


「あぁ、俺にも目的がある。どうせ旅に出るなら信頼の置ける仲間が居る方がいい。」


「一人よりも二人おる方が楽しいしの!」


「そういうことではないとは思うが・・・、まぁ心配事があるとすれば父さんと母さんのことだな・・・」


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「おう!行ってこい!旅は人間を成長させるぞ!というか自分から言い出さなかったら無理やりにでも送り出すつもりだったがな。」


「準備をしないといけないわね~」


だと思ったよ!

やはり止められたりはしないようだ。

因みに魔法(的なもの)が使えるようになったことは言っても当たり前のように流されてしまったことも記しておく。


「ナノアちゃんユートをよろしくね~」


「うむ!任せるのじゃ!」


「そういえば・・・ユート、ナノア。旅に出るとしたらまずはどこに行くつもりだ?」


そういえば全く考えていなかった。ちらりと横にいるナノアを見ると、

どうやら俺と同じように考えていなかったらしく目をそらされた。


「・・・どうやら考えていなかったらしいな、ったく・・・考えなしに旅をすると後悔するぞ?」


父さんは絶対にしてそうだ。


「そうだな、ちょっと待ってろ。」


そう言うと父さんは2階に上がっていた。


「そういえばあなた達、装備品はあるの?」


「そういえば・・ないです。」


「だと思ったわ・・・」


母さんが嘆息する。


「旅に出るときにはしっかりと準備をしておかないととっても苦労するわよ。」


「あ、はい。ごめんなさい・・・」

「申し訳ないのじゃ・・・」


二人して母さんに謝る。


「そうね・・・確かいろいろと使えそうなものがあったはずだから明日あたり適当に見繕っておくわ。」


「ありがとう、母さん。」


礼を言ったところで丁度父さんが降りてきた。


「村から東に一週間ほど行くと、ノレイティアと言う国がある。そこに行けばギルドや冒険者学園なんかがある。冒険者は多いが治安はそこそこいいから多分安全だろう。」


俺は村から出たことはないが話としては聞いたことがある。


「村から街道までが危険だが・・・ユートくらいの実力があれば大丈夫だろう。」


そう言いながら一枚の手紙を渡される。


「ノレイティアに着いたらこれを冒険者学園の受付でリーベルトと言う人に渡すように頼むんだ。もし断られたら『無敗のロックフッド』からだと言えばいい。」


「・・・?分かりました。」


「そういえば旅にはいつ出るんだ?」


「妾は速ければ速いほどいいがの・・・」


俺としても異論はないので無言でうなづく。


「そうか・・・じゃあ明日出発するといい。二週間後までが冒険者学園の入学申請期間だ。間に合えば恐らく入学できるだろう。」


言っていることはとてもまともなのに違和感を感じてしまうのはいつもの父さんを見ているからだろう。


「それじゃあ二人とも、明日は早いから早めに寝ておきなさい。」


「はーい」

「わかったのじゃー」


布団の中に入ると、すぐに眠気に襲われあっさりと眠りについた。


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「・・・じゃ!・・・起きるのじゃ!」


「・・・あぁ、もう朝か。ってまだ日も昇ってないじゃないか・・・」


「甘いのじゃ!準備もせねばならぬのじゃから急ぐのじゃ!」


目をキラキラさせた楽しそうなナノアに引っ張られて一階へと降りる。


「お、ようやく起きたか。母さんはもう倉庫を見に行ってるぞ。」


まだこんな時間なのになんでみんな既に起きているんだ・・・俺がおかしいのだろうか。


「それじゃ、倉庫に使えそうなものを探しに行くか。」


「はーい」


因みにナノアは今の会話の間に既に外に出てしまっている、せっかちな奴だ。


外に出るとまだ夜の切れるような寒さが残っており、若干寝ぼけていた頭が冴え渡る。


軽く伸びをしながら家の裏に回ると、母さんとナノアが倉庫の前に立っていた。


「ほら、使えそうなものを幾つか探しておいたわよ。」


そう言って腰に着けておけそうなポーチを渡される。


「え・・・これは?」


「これはお父さんが冒険者として働いていた時に使っていた魔道具で、小さいけどたくさんの物を入れておけるのよ。」


謎容量ポーチ・・・、俺は今まで生活に使う魔道具にしか触れてこなかったがこんなファンタジーな魔道具もあるのか・・・世の中にもっと目を向けないといけないな。


「試しにそのポーチの中に手を入れてみなさい。」


「あ、あれ?」


肘まで突っ込んでも全くそこに当たる気配がない。


「手を入れながらパンを掴むイメージをしてみなさい。」


言われた通りにイメージすると、手に何かが当たる感触があった。

掴んで引き出すとそこには出来たてのように暖かいパンがあった。


「おお・・・すごい!」


「その中に入れたものは入れた時の状態で保存される。まぁ生き物は入れようとしても入れることはできないけどな。」


「へぇ・・・」


それにしても随分と便利な代物だが・・・


「その中には食料、衣服、野宿に使う道具一式。あとお金なんかが入っているわよ。」


その後も道中気をつけることなどについて話を聞く。

防具はちょうどいい物がないのと街に行けばいいものがあるらしいので街までは普通の服装で行くことにした。まぁ、装備をしたとしても俺自身が軽装タイプなので大して変わらないだろう。


「そろそろ出発にもいい時間だな・・・」


父さんが空を見上げながら呟く。

確かにさっきまで暗かった空は既に徐々に日が登り始め、気温も暖かくなってきている。


「それじゃ・・・行ってきます。」

ポーチを腰に装備し別れの挨拶をする。


「父上殿、母上殿!行って参るのじゃ!」


「また帰ってくるのよ~」


「二人ともしっかり成長してこいよ~!」


両親に見送られながら、俺とナノアは村を後にした。

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