選択は霧の中
Chatgptで作った小説です。
幾世紀にわたり人類は宇宙を進み、星々に拠点を築いた。
だが、突如として現れた未知の異星人の攻撃によって、その拡張は地獄と化す。
惑星が焼かれ、艦隊が粉砕され、人類は絶滅の縁へと追い込まれた。
血と犠牲の果てに、ようやく人類は敵の技術を盗み取り、戦況を五分へと押し戻した――。
その戦場にひとりの男がいた。
地球軍の歴戦の兵士、ヘイズ。
諦めを知らぬ戦いぶりで英雄と呼ばれた男。
だが英雄の影には、数え切れぬ戦友の死が重なっていた。
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崩壊する司令部
激しい爆撃に揺れる殖民惑星の司令部。
装甲が剥がれたパワードスーツをまとったヘイズは、残る部下を率いて突破した。
敵のブラスターに斃れる者、爆撃で吹き飛ばされる者――気付けば生き残ったのは、わずか数人。
半壊した司令部の中枢にたどり着いたとき、そこに人影はほとんどなかった。
皆、すでに殺されていた。
「……クソッ」
バイザーを外し、額の血を拭いながら、ヘイズは中央コンピューターへと歩み寄る。
任務はただひとつ。
――敵に渡してはならない極秘情報を破棄すること。
そのとき、隣で崩れ落ちた若い部下が血まみれの手を伸ばした。
「隊長……これを……」
震える指が差し出したのは、司令部の暗号キー。
彼は司令部直属の暗号士だった。
「コード7……それが……最後の切り札です……パスは……“アークライト”……必ず……」
言葉の途中で、彼の目は虚ろになり、力なく首が垂れた。
ヘイズはキーを握り締め、吐き捨てる。
「お前らは……何を背負わされてたんだ……」
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コード7の真実
コンソールを操作し、暗号キーを差し込む。
スクリーンに浮かび上がったのは――コード7。
表示された内容に、ヘイズの血の気が引いた。
戦争の発端は虚構。
敵とされた異星人もまた、人類と同じく操られていた。
「第三の勢力」。
人類も異星人も単独では抗えぬ、星系ごと消し去る力を持つ存在。
それに備える唯一の方法が、互いに殺し合い、技術を磨き、戦術を高め合うことだった。
――この絶滅戦争は、両者のトップが結んだ「共同計画」。
そして最終段階。
コード7を発令すれば、戦争犯罪も犠牲も全て不問とされ、同盟が成立する。
だが、それまでに失われた命は――無意味な「糧」に過ぎなかった。
「ふざけるなッ!」
ヘイズは血の滲む拳でコンソールを叩き付けた。
仲間の死も、愛する者の死も、すべては計画通りの犠牲だというのか。
瓦礫の中で、彼の怒号が虚しく反響した。
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司令官の声
「ヘイズ……やめろ……」
粉塵の中から現れたのは、瀕死の司令官だった。
片腹を撃ち抜かれ、血を垂らしながらも、その眼光は鋭い。
「まだだ……コード7は……早すぎる……」
「第三勢力に抗う力は……整っていない……この戦争を……続けねば……」
「準備だと? もう十分に死んだ!」
「それでも……足りん……!」
司令官の声は弱々しいが、冷徹だった。
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英雄の選択
ヘイズの指先は発令コマンドにかかっていた。
冷たい電子音声が響く。
《発令パスワードを入力してください》
暗号士の最期の言葉が、耳に蘇る。
「……アークライト……」
入力欄が点滅する。
司令官の声が迫る。
「止まれ! まだその時ではない!」
「クソッ……!」
ヘイズの心に、兵士としての義務と、人間としての感情がぶつかり合う。
仲間の死を無駄にしたくない。
だが、未来を潰す選択もしたくない。
画面に浮かぶ「コード7」の文字が、なおも彼を追い詰めた。
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終幕 ― ガンシップの中で
轟音とともに迎えのガンシップが降り立ち、司令部跡を照らす。
爆炎の中、ヘイズはよろめきながら機体へと乗り込んだ。
コンソールの記憶――自分が下した決断――それが正しかったのかどうか。
答えは出ない。
仲間の死、敵兵の断末魔、無数の犠牲が脳裏をかすめる。
ガンシップの扉が閉まり、戦場が遠ざかっていく。
エンジンの振動に身を預けながら、ヘイズはただ己の胸に問い続けていた。
――俺の選択は、本当に正しかったのか?
暗い宇宙へと飛び立つ光の中で、英雄の苦悩だけが静かに残った。
このあと、コードを入力した、しなかったバージョンもあります。
良けば、感想をお願いします。