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一番前の席のあなたを  作者: rinna
2/11

告白!?

10月に入った頃、私は告白された。



同じクラスの男の子に…。



『どうしよう…。』

私は戸惑った。

私は、どっちが好きなのか…。

分からないんだ。


でも、答えは

「はい…。」

私と男の子は付き合うことになった。



私は、どっちが好きか決めたかった。


もしかしたら、好きっていうのは、憧れてるからなのか、それとも、本当に愛のある好きなのか分かるのかもって…。



だから、付き合うことにした。



私たちは、部活が終わると

一緒に帰った。

手を繋いで、他愛のない話をしながら、笑いあって。



しばらく、そんな日々が続いたある帰りに

キスをされた。



男の子は、頬をピンク色に照れながら「じゃあな!」って

手を降りながら走っていった。



「ばいばい…。」

私は、その姿を見送りながら

手をゆっくり元気がなく振った。



『私、気づいてしまったのかもしれない…。』



そう思いながら、家の扉を開いた。


彼は、授業中、後ろを向いて

私を見ている。



私は、気がついて手を小さめに振った。


彼は、名一杯の笑顔を向けていた。




私は、美術室の窓ぎわに座って、

いつもあなたが座ってフルートを吹いているはずの椅子にあなたは居なかった。




『フーッ……。』

私は、体の中の空気をすべて出すようなため息をついた。



絵が捗らない…。



彼と一緒に居るところを、あなたに見られてしまったような気がした。



私は、心がザワザワした。


『この気持ちは何……?』




あなたは、部活動を休んでいるようでしたね。



いつも、窓から見える

ショートカットのあなたは、しばらく見ていないような気がします。



そんな、私も、絵が捗らず

部活をサボろうと鞄を持って外に出ようとした時でした。




見覚えのあるショートカットですらりとした背の高い綺麗な女の子を。



「あっ……。」

「みずきちゃん…?」

私から話をかけてみた。初めて。




私の方を見ながら申し訳なさそうに

「りかちゃん?」



私は嬉しかった。

「うん!」

返事をした。



「あの……さ。」

ちょっと話ずらそうに口を開いた。


「うん。」




「りかちゃんって、あの男の子と付き合ってるの?」




「えっ……。」

やっぱり、知ってたのかな…。



「うん……。」

気まずく返事をした。



「そっか…。」

「そうなんだ……。」



「うん…。」

私は、ただ、うなずくだけだった。



「じゃぁね。」

みずきちゃんが手を振りながら

勢いよく校門から出ていった。




「えっ…。」

「あっ……。」

「バイバイ。またね…。」

私は、その後ろ姿に手を振った。



『何だったんだろ…。』

下を向きながら考えながら歩いている。



『はっ…。』

『もしかして…。』

『みずきちゃん、彼の事が…!?』

『好きだったのかなぁ…。』


はぁ…。

私は、ショックを受けた。



『やっぱり、異性だよね…。』

『好きになるのは……。』



そう思いながらトボトボ帰って、ベッドの枕に顔を埋めた。



朝、泣き腫らした顔を隠しながら席に着く。



『もう…。誰にも見られたくない…。』



『私の一方的な恋は終わった……か……。』




『はぁ…。』

ため息しか出ない。




そんな気持ちで部活に行く。

カーテンを開けて、窓を見ると

そこには、

ショートカットのあなたが座っているのが見えた。



私は、一瞬で笑顔になった。


『やっぱり、このきもち変えられない!』


キャンバスに絵を描き足す。



すると、フルートの音色が聞こえてきた。



『この感じ

久しぶり…。』


すごく嬉しくなった。



『あなたが誰を好きだろうと

私が、あなたを好きなのには変わらない!』



だから、せめて、この絵が完成するまでは、あなたを好きでいていいですか?



キャンバスに鉛筆の力が入った。

笑顔でいとおしくそのキャンバスを見つめた。




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