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BRAVE STORY  作者: ライト
覚悟
10/10

第一話 予想外な日常

現代〜

夏の蒸し暑い季節さえも美しい、雅な街京都に僕は住んでいる


流石に都市なため、人はむさ苦しいほど多いがそれでもその対価としてこのような風情を楽しめるなら悪くないと思う


僕は橘直人。毎日をやりたいこともなく自堕落に生きてる高校生だ。

そういった日々を許容し、日々何の目的もなく生きている。


だが、そんな僕にも夢がある。それは不労所得を手に入れ、金に困らず、安定した暮らしを手に入れてひっそりと死ぬことだ。


不労所得を手に入れるためには幾つかの方法がある。ぶっちゃけ働きたくないから生活保護もなしではないなと考えたが、家の事情が複雑だからあまり家は手放したくないんだよな…


「あーあ…早くベーシックインカム来ないかな」


「ナオト〜、お前まだそんなこと言ってんのかよ」

右の席の真夏の蝿みたいなやつが話しかけてきた。


「いい加減、金の話ばかりじゃなくてよ。もっと楽しいこととかしようぜ?」


「ふん、君はわかってないんだ。この世は金で回ってる。

頭お花畑で欲望に従うだけの人生だったら、楽しむがいいさ」


「そういう訳じゃねぇけどよ…あ、そういや今日転校生が来るらしいぜ!」


「別に興味ないね。どうせ普通のやつでしょ。転校生が変わり者なんてベタな展開はそうないさ」

僕は日頃の鬱憤を晴らすかのように机にうつぶせになった。

「はぁ〜あ、どっかに有価証券落ちてないかな、一枚でもいいからさー」

矛盾した二つのものを空にはき出した。


バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ


高速で書いてるような音が聞こえる

「うるさいなぁ…なんだ?」窓の向こうに目をやるとヘリが…ヘリ!?どうなってんだ一体!?

「はじめまして〜」ヘリから女性が降りてきた…「私、流咲華憐と申します。以後お見知り置きを〜。」


クラスは騒然とした。「か、カレンちゃんだっけ、な、何でヘリで来てるの?」


「ちょっと地上からはいけない理由がありましてね…あ!いけない!とりあえず自己紹介します!」


「あ、じゃあ、転校生のカレンさん。前で自己紹介をお願いします。」


颯爽と黒板前に向かう彼女…ってか何で先生は何にも無いように対応してんのよ…


「私は華憐。流咲華憐です。今日から諸事情でこの学校に転校して参りましたの!よろしくお願いします!」

「あ!華憐さん!華隣さんって、なんかの会社の娘さんなの?」


僕の隣の真夏のトリケラトプスみたいなやつが質問した。あいつならやりそうだったが


「… 流、流咲グループの社長の娘ですわ。」


教室中がまたざわつき始める。「え!?流咲ってあの…!?」「確か大企業じゃない…?」「外資系の大手だから、メチャクチャ金持ちじゃねーか!」「マジかよ…超お嬢様じゃん!」「離職率も低く、ボーナスもバカ高い、誰でも行きたい会社No1じゃん」「仲良くしたら、会社に入れてもらえるかも…!」


下心丸出しのクラスメイトだが普通はまぁ、こんな感じだろう。僕だって、目から鱗が落ちるくらいには衝撃を受けている。


「…ですが!育ちなどは関係なく、友人になってくださると嬉しいですわ!」


「それじゃ、華憐さん。あそこの席に座ってもらえるかな。」


何もなかったかのように席に着かせようとする先生。多分疲れてるんだろうな…


しかし、指を刺した席の場所を見て、僕は血の気が引いた

…僕の左の席はお祭り状態になってる。これは田舎の人たちもびっくりするくらいの過密だな…


「おー、おー人気だな!華隣さん!」右隣の浜辺にいる蟹みたいなやつが何か言ってる


「今回程、最後尾の席であったことが恨めしいことはないよ…」

閑古鳥が鳴くような声で呟いた。まぁ、隣の声でかき消されるんだが…


「いいじゃねーか!一番後ろの席って、あんま何もないから面白くないしよ、こんくらい賑やかな方が楽しいぜ!」


「君は後ろの席がどのくらいいいか、わかってない!寝てても何もしないでも授業を受けたことになり、しまいにはバレても後ろの席だから仕方ないっていうことで片付けられるし。集団認知によって許されるんだぞ!?ある意味特権を持ってるようなもんだ!」


「えぇ…」ようやく右の太陽が沈んだ気がする。さて問題は左の祭りがいつまで続くかだ。


「華憐ちゃん、趣味はなんなの?」クラスの穢れを知らなさそうな女子が質問する。

「趣味は生花や旅行が好きですわ!」


…「わ」?周囲の空気が凍りついた


「あら…やだ。私ったらつい家系の口癖でこう喋ってしまうんですの…」

顔を赤らめながらもどことなく憂いを感じる表情をしてた。


「ですのってお嬢様みたーい。」クラスの面々が笑い飛ばした。

流咲に対して次々と質問が飛んでくる。


得意なスポーツとかは?スポーツではありませんが、武道は好きで嗜んでおります。


じゃあ、転校生…えーっと流咲ここの問題わかるか…?

あ、はい。彼女は当たり前のように専門科目の難問を解いてしまった。


「転校生…馴染めたようだな!よかったな、ナオ…」


「フッフゥ…!ヘッヘッへ」笑みをこぼさずにはいられない!


「おまえなんか楽しそうだな…」


最高の条件だ!容姿端麗、頭脳明晰、おまけに流咲グループの娘!狙うには間違いない!決めた…貴様のことを徹底的にリサーチして…お前を俺の安定した生活の礎にさっせてもらおう…!


それから、俺は日本伝統や流咲の好きなものを徹底的に学んでいった。


文化は日本古来のものが多かったが幸いにも、僕は家でそういうことを学ばされていたからそこまで苦ではなく、むしろ家柄もあり風情を感じるため僕は好きだった。


〜数日後

よし、大体身についた。あとはどう話しかけるかだが…


「…おいナオト。なんか、最近のカレンさん妙じゃねぇか?」

沈み掛かった夕日みたいな右の席のやつが話しかけてきた。


「ん?何が?至っていつも通り、普通に元気そうじゃないか」


「いや、なんかさ。ずっと受け身で自分から話しかけてないっていうか、話したいことがありそうなのに…話せなさそうな…そんな顔してんだよな


「…お前は考えすぎだ。全人類がお前みたいなやつじゃないんだ。むしろ、あれくらいの方が高値の花っぽくていいだろ。」

気づかれないかと、数日前に買った生花についての本を読む。



「…貴方…ちょっとよろしくて?」「は、はい!なんでしょう?」

長らく待った釣り糸にようやく大物がかかった!


「貴方も生花お好きですの?」

「あ、あ、いや、流咲さんがきっかkで!僕も最近ハマってるんですyっね!」

緊張してろれつが上手く回転しない。いくら僕でもやはり女性と話すのは苦手だな 


「なるほど…」

こちらをじっと強い眼で見つめている」


恥ずかしい


「でしたら、私の家で本日一緒に生花のレッスンでもどうですか?」


ナニィ!?願ってもないチャンスだ!

「はい!是非!」


「それとそこのあなた」「ん?俺」

沈み掛かった夕日が指を刺された。


「憶測でも、あなたは私の心情を理解してるんですね。ですが、あくまで憶測

勝手に私のことを見透かすような発言は慎んでくださいまし。」

さっきの話聞かれてたのか…でも彼はそんなやつではないと思うが…


「…バレたか。浮かない顔してると思ってな。余計なお世話だったな。

でも、ナオトとこうやって仲良くなれそうだし、良かった!良かった!」

沈んでたと思ったがそうでもなかった。


〜放課後〜


「では、行きましょうか。」「は、はい!」少し緊張が走る


「ナオト!また、明日な!楽しみにしてるぜ!」「あ、ああ、またね」

…やっぱ、真夏の太陽みたいなやつだ…


流咲と一緒に流咲の家に向かうことになった。


「私のこの話し方どう思いますか?」 

「いや、いいと思いますよ!すごい素敵です」 

カレンの表情が少し変わった。


「貴方、本当に生花や伝統芸能に興味がおありですの…?」


針で胸を貫かれた感覚がした。「え?急になんです?も、もちろんそうですよ…?」


「嘘つき… 私は貴方のような大人は何人も見てきました。私が明るいから、取り込みやすそうだからと…こちらに踏み込んでくる方を…貴方は彼らと同じ眼をしています…」

彼女の纏っている雰囲気が変わっている


「目的はなんですか…お金ですか…それとも、財産ですか…?」 


「な、なんのことかわかりませんね!僕は全くそんなの興味ないです!」

正直両方だったが…ここはとぼける以外あるまい。


「馬鹿なふりをするのはやめなさい…」

え?なんで、この人こっちのこと大体わかってるんだ?


「軽蔑しますわ」


ウッ!…鋭い矢が胸に突き刺さった気分だ…


ゴゾゴゾゴゾ カバンから何かを徐に探し出している

「500万。ここに500万あります。これで私にはもう近寄らないでください。」


見透かされた動揺と自分がこの世で一番欲しいものが同時に渡される状況で

僕は狼狽えてしどろもどろしていた…


「あ、…え、え、えっと」

「受け取りなさいッ!」

無理やり手に渡されてそのまま、強い足踏みの中少女はその場を立ち去った。


「まぁ、金は手に入ったし、良しとするか…何が軽蔑する、だ。本心を見透かすだとかなんだとか言ってたくせに自分も同じじゃないか」

しばらくの間、その場にいた気がする。


あー、イライラする。アタマをぐしゃぐしゃと掻きむしった


「なんかムシャクシャするな… カラオケでも行くか…」

………本当に…それでいいのか?


「いや、良くねぇ!やっぱ腹立つ!」

「腹の底探られたよな気分だ!こんな金いらん!」

ヘッドバックをしながら叫んだ。


「返しに行ってやるよ!僕はそんな小さい男じゃない!」

全速力で流咲を追いかけた。


「うぅ…結局人ってそうなんですわ…そういうお金とか容姿とか表面的で浅いことばかりで人を評価して、私のことなんて…ちっとも見てくれてないんですわ!」


今にでも零れ落ちそうな顔をして、少女はひたすらに逃げるようにどこでもない場所に向かって走り続けていた。


「ウワッ!危ない!お嬢さん!」


「え…」流咲にレンガが降りかかった。運命というのは唐突で残酷で状況が整理されないまま突然降りかかるものだ。それが物理的であれ精神的であれ


「不味い…!」なんとか、ナオトがカレンの付近まで来て、レンガが落ちてくる状況を確認する。カレンは転んで腰が抜けて逃げれそうにもない


「この大きさのレンガは普通だったら絶対死ぬ!」

その時ナオトのなかで父との記憶が蘇る 


いいか…直人眼の力は強大だがその分代償を伴う…

お前は…それでも守りたいものがある時に使え…


父さん!父さん!父は死んだ…守りたいものを守って


僕がアイツを守りたいか?「違うな!」

アイツにまだ…金返してないからそれまで…「死んでもらっちゃ困る…!」 



運命は残酷…だが、少女は1人の少年との出会いでそれを変えることができた。

降りかかると同時に黒を帯びた「眼」の直人がレンガを吹っ飛ばした。


吹っ飛んだレンガはそのままバラバラになり、木っ端微塵になった


「あ、貴方…」カレンは目の前で起きた出来事でかなり動揺もしてるが、

それ以上にナオトが自分を助けてくれたことに衝撃を受けていた。

「どうして…私…貴方にあんなことを…」


「流咲華憐!」言葉を遮るかの様にナオトが叫ぶ。

「俺には夢がある!」

「それは一生働かないで残った余生を平和に暮らすことだ!」

「だから、お前には…俺の礎になってもらう!」


手に持ってる金を先程の半分くらいの力でカレンに返した。


状況は打破して、金も返せて一安心…

だが、ナオトにあの言葉がよぎる…俺の代償はなんだ…?


ガシャん 「痛!は!?」

タライがどこからともなく落ちてきた。続け様に落ちてくる。


「おい!痛!待て!痛!俺の代償!痛!なんだこれ!痛!」

「…お笑い芸人か何かですの…?」キョトンとした顔をしたカレンが言う


「君には言われたくないな!」ナオトが恥ずかしく、半ギレした様な表情を浮かべる


「フフッ…変な方ですわね…」

苦悶を浮かべていた少女の陰鬱な表情は晴れやかな笑顔に変わっていた


「だったら、残りの学生生活で私に好きって言わせてみなさい!橘直人!」

少女は未来に挑戦権を差し出した。


「上等だ!君のような、頑固者苦労しそうだが、僕の手にかかれば余裕さ!」

夕陽が沈もうとする中で智略に長けている、2人の挑戦者は馬鹿みたいになってその場を共に発ち去った。


これからどうなるかが…楽しみだ















流咲華隣=るざき かれん 橘直人=たちばな なおと

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