チェーン葬
チェーン葬
これはある葬儀屋さんお話である。
従業員は最近経済が落ち込んでいるこの国で、少しでも安く葬儀を済ませようとしているお客さん対応に追われていたのだ。
「これ以上安く葬儀を行うとなるととても……」
「何とかならないのか? 死体を野ざらしにしてもいいのなら問題ないのだが」
「お客様。 おすすめはしませんが、 葬儀のお金を出してくれる団体があります」
「なんだと! では葬儀はいくらくらいになるのかな?」
「逆に100万円もらえます」
「えっ? 」
「ただしその葬儀はインターネットで公開されます。 死んだ者だけでなく生きているものの葬儀も行っております」
「それでどういう葬儀なんだ?」
「チェーン葬。 文字通りチェーンソーでバラバラにする葬儀でございます」
「うげっ」
「とあるチェーンソー使いが出資している葬儀でございまして、 技術研修のためにビデオに保管する決まりになっています」
「お金がないから仕方がないその葬儀にしよう」
———―そして葬儀場
絶叫とけたたましい音が絶えない都心の防音された地下ビルだった。
ういいいいいいいいいいん
「ギャー―」
ういいいいいいん
「そこ吹かしが足りない!」
ういいいいいん
「角度が悪い」
ういいいいいいん
「血を飛ばしすぎだ!」
と壮絶な光景だった。
そして遺族の棺が……。
けたたましい音と共にバラバラになり。
みじん切りにされてトイレに流されたのだった……。