第1章9話ロリコンに行く
クロは自分の国を出ると、普通の人は絶対に飛び
越えられない川を、ジャンプで飛び越えた。その先
にロリコンへ行くための洞窟がある。そこの入り口
付近にオークの群れがいた。
どうする? ゴブリンが占拠していてはいれない
ぞと話し合っていた。クロは離れた位置から聞き、
その群れをジャンプで飛び越え突き進む。
トンネルを半分ぐらい進むと広い休憩所にでた。
そこにはゴブリンの群れがいて、道を塞ぐように通
せんぼしている。クロが近くまで行くとゴブリン達
が慌て始める。
「部隊長を呼んで来い!」
見張りが伝令係に伝えた。伝令係は走って部隊長
を呼びに行く、その間見張りが時間稼ぎするつもり
だ。
「何の用だ人間! 今ここは封鎖中だ!」
クロは急いでいることを伝えると、通って良いか
部隊長が決めるから待て! と見張りが言った。
クロは待てずに、そいつを蹴り飛ばす。
「ま……まてー!」
蹴られた見張りは、必死に呼び止める。クロはそ
の場を走り抜けようとしたが、大きい棒が道を塞ぐ
ように地面に刺さった。
「待ってもらおうか! お前……俺の部下を攻撃し
たな?俺はゴブリンロード! ゴブリン部隊の隊長
だ! 魔王様の命令でこの場所を占拠した!」
暗い場所から大きいゴブリンが姿を徐々に現し自
己紹介した。ゴブリンはニーナを抱いているクロの
姿をみると、態度を急変させた。
「魔王様からの命令でお通りください」
跪きながら、ゴブリンロードが言った。クロは、
ありがとう! と感謝してトンネルを抜けた。
眩しい光がクロを迎えるように照り付ける。ここ
ら一帯は荒野で、クロは駆け抜ける。徐々に壁が見
えてくる。すると、壁の近くまで移動していた。ク
ロは速かった。二人は門をくぐりロリコンに入ると
北側のクリムが居そうな場所を転々と探す。
まだ来てないのかな? クロはそう思いヨウジョ
イノチの家に向かった。
家に入ると、ヨウジョイノチとクリム、ユリノさ
らに魔王モナーミがクロを迎えた。
ヨウジョイノチは性別は男、黒い髪、背が180
cmのハンサムだ。服装は全身鎧で覆われている。
名前の通りヨウジョを大事にする優しい男だ。ヨウ
ジョに触らない、見守る、触らせないを信条として
いる。
クリムは尻まである白いロングの髪、顔は小顔で
幼く見える。身長がクロより低い130cm、とん
がり帽子を被っていて服装は大きい白いワイシャツ
をワンピースのように着ている。知らない人が近く
にいると帽子で顔を見えないようにするが、いるメ
ンバーは知り合いなので顔を帽子で隠していない。
ユリノは茶髪で首までの髪型、身長は160cm
の女性。服装は頭にゴーグルをつけていて、茶色の
ジャケットとズボン、シャツを着ている。ジャケッ
トは前が開いている状態で、隙間から茶色のシャツ
が見えている。可愛いものが好きで、機械が得意。
モナーミは、赤髪の肩まである髪型、髪で出来て
る角が2本と尻尾が生えていて、薄っぺらな胸で赤
いタキシードを着ている。身長は200cmでこの
中の誰よりも背が高いが性別は女である。
クロはクリムに抱いている人を見せお願いする。
「ニーナを治して!」
クリムがニーナをみると、えっ! はぁ? と言
ってクロが嫁の名前を別の子に付けたと思って、ク
リムはびっくりしたのだ。さらに、顔をみるとやば
い状態というのが見てわかる。クリムがニーナを奪
い取り家にある、クリムが泊まる予定の個室まで運
んだ。すると、皆がその部屋まで押し掛ける。
「女の子専用!」
クリムが言いながらドアを閉める。追い出された
のはこの家の主人ヨウジョイノチ一人だけだった。
中にあるベッドの上にニーナを寝かせる。そして、
クリムの手が虹の光に包まれ、病人の頭に手を当て
た。数秒後に光が消えると、ニーナが目を覚まし涙
をながす。
「あれ? ここ天国? あっ……悪い子だから地獄
かな……悪いことしたから……痛い思いして……死
んだんだよね……」
ニーナの口は動くが、体がまだ動かせない。そし
て、独り言のように言うとクロは天井を向いている
ニーナの視線に、映るように顔を出す。
「私のお姫様おはよう」
クロが言うとニーナの唇にキスをする。ニーナは
生きていることに嬉しくなり涙がでる。
【きっと! 痛かったのは夢だ! とニーナの脳は
解釈した】
モナーミが、おはようと言った。それを聞いたニ
ーナは、どこかで聞いたことのある声だ!と思いな
がら、おはようございますと返した。
「あの、今の声の人顔を見せてください……」
ニーナは寝たまま頼むと、モナーミが顔を出す。
たまに聞こえてくる声の人ですか? とニーナが尋
ね、モナーミはニーナの耳に近づき、そうだよと囁
き、耳を唇で優しく挟んで舐めた。
ニーナは、耳に何かされているのかな? と思い
ながら瞼が重く感じ、目を閉じた。
モナーミはニーナが眠ったことを確認すると、あ
とでニーナに関して、全員に話さないといけないこ
とがある。と言って部屋を出た。それに続いて、ク
リムとユリノが私たちは皆で食べるための、料理作
ってくるからごゆっくりと言い去っていく。残った
クロはニーナの手を握りながら眠った。
その後、ブライン達が到着して、ユリノがクロを
起こしに来た。クロはまだ眠っているニーナを持ち
食堂へ行くとそこには、勇者4人+一人と1匹それ
に魔王が待っていた。
食堂は広く四角部屋で大きい丸い机があり、それ
を囲むように、椅子が並んでいる。料理がないよ?
とクロが訊くと、モナーミが話があると言っておい
ただろ? と返す。クロはそうだった忘れてたよと
笑った。アリスはずっとクロが持っている、ニーナ
を見てハンカチを取り出し噛み締めた。
(私のなのにームキー)
全員が椅子に座ると、モナーミがニーナについて
話始める。クロが持っているニーナは、もともとク
ロの嫁だった妖狐だ。少し前、私がそこにいるリス
と、森で遊んでいたときに、ニーナが森に戻ってき
たんだけど、心が壊れかけていたよ。
理由を聞いたら、自分の所為でクリムとユリノが
戦争を起こしそうだったのを気にしていたみたいで
自分を殺してほしいと泣きながら言ってきたから、
私の術で幼い体にして、記憶を封印した。それと、
ニーナはもともと過去の世界の住人で、可愛すぎた
から欲しい人たちが戦争を起こし、ニーナを逃がそ
うとした妖狐達は皆殺しにされたらしく、木で転移
する瞬間まで仲間が殺される姿をリスと一緒に見せ
られたそうだ。
それは私が封印する前に、ニーナの記憶を、覗い
てわかった事だ! とモナーミが話しを終える。
リスと寝ているニーナ以外の女性は涙を流し、男
性二人は涙を隠した。そして、リスが丸いテーブル
の真ん中に立って、喋り始めた。
「俺はニーナに幸せになってほしいと考えている」
記憶がない方が幸せか、それとも、ニーナの同族
全てを救うのが良いか悩んでいる。勇者5人が居れ
ば、救えるだろう。だがその後、ニーナが残ると決
めたら別れる覚悟はしておいてほしい。それでも救
いたいやつはいるか?
リスが喋り終わると、皆は黙ったまま下を向く。
さらに、リスが付け足す。ニーナには勇者の契約は
しないでほしい。ブラインで試したが、時間を戻す
以外、どうにもできなかった。ニーナは契約した瞬
間全てを思い出し発狂して自殺する。自殺しても復
活ポイントに行くから、段々と心が壊れていき二度
と目を覚まさなくなった。俺はニーナが壊れていく
のをみたくないだから話した。聞いてくれてありが
とう。とリスは感謝しながら、ブラインの肩に戻る
と重たい空気のなかユリノが口を開ける。
「ゲームしない? ルールは自分の場所の料理を全
部食べて、ニーナに触る。景品はニーナと今日だけ
一緒に寝る権利」
クロが面白そうと言って、それに続いて皆が賛成
した。テーブルの真ん中にニーナを置き、ユリノと
クリム、クロが料理をニーナの周りに運ぶと私も参
加していい? とアリスが言った。ブラインがだめ
だぁ! と怒るが、良いよとユリノが許可する。
並べ終わってから、ユリノの合図で始まった。ブ
ラインはクロと自分の時間を加速させ、クロの場所
を高速で減らしていく。リスも少しずつクロの場所
を減らす。
ヨウジョイノチは勝つ気がないのかクリムちゃん
の料理うめぇ! とゆっくり食べる。
クリムとユリノは胃袋が小さいので半分ぐらい食
べると、お腹は膨らんでいて後ろに倒れた。
アリスはブラインに指を差しながら、裏切り者ー
と食べ物を頬張りながら喋る。気管に入ったのか、
ごほっ! ごほっ! 咳をする。
モナーミは倒れた人達の残飯処理をしていた。