第1章17話新しい奴隷
3人は部屋に戻ると写真を皆に見せながらクロが
問う。
「これ撮ったのだれ?」
ブラインは手を頭に当てため息を吐き、手を体に
密着させ頭を下げると謝罪をする。その時に、カメ
ラを持ったアリスが入ってきた。
ブラインが頭下げている姿を見たアリスは驚く。
「なにか悪いことしたのぉ?」
ニヤニヤしながら近づくアリスに事情を説明する
と、顔から汗が大量に流れる。とっさに写真集をユ
リノが作った複製機で大量に作る。
「これで許してぇ!」
アリスが許しを請うと皆に写真集を配ると皆はそ
れを見て時間が過ぎてゆくすると、ニーナが入って
くる。皆は咄嗟に隠すがクロだけは隠せていなかっ
た。クロが隠したのをニーナが見つけると、奪い取
り自分の恥ずかしい写真をみた。
クロをポコポコと優しく叩き、興奮して頬が赤く
染まる。
「信じてたのに!」
ニーナは信じていた人に、裏切られたと感じ、悲
しみ、涙を流すと、全員がその写真集を見せアリス
に向けて指をさした。
「わたしじゃないよ!」
必死にアリスは否定をすると、美味しい食べ物を
鞄からだして自分の口に入れると、当たり前のよう
にニーナの口へ移し、美味しいという感情に支配さ
れたニーナはさっきのを忘れても良いと口にする。
エルはニーナの食事方法を不思議に思い、食べ方
が変だよ! と教える。
「普通の食べ方だよ? この方法以外どうやって食
べるの?」
ニーナの返しにヒプノがアリスを見る。
「常識変えられてるね……」
思わず口にだしニーナの催眠状態を知らせると、
怖い顔のクロがアリスを尋問する。
即ごめんなさい出来心でしたとアリスはクロに謝
り、催眠にかかりやすいニーナが悪いと言い訳を始
める。
ブラインがヒプノを掴み上に持ち上げ、足を地面
から遠ざける。
「こいつの処分どうするんだぁ?」
「ユリノの国に行って罰を与える! その後奴隷か
な?」
ブラインの質問にクロが答えるとヒプノは怯え、
奴隷はやめてぇ! と頭を抱え悲鳴をあげると手刀
を食らい気絶した。そして、クロがユリンへ行くた
めの準備を始めるとクリムとニーナ捜索隊、ニーナ
も準備を始めた。
数十分が経ち、南の門からユリンへと旅立った。
坑道を抜けるとロリコンに入らぬよう迂回しまた坑
道を抜ける。そして歩きユリンに到着した。一行は
誰かに見られている感じがして、ユリノの家に行く
と家主が待ち構えてた。
「こんな大勢でどうしたの?」
ユリノが訊くとクロがヒプノを前に出した。
「こいつを女奴隷にしたい! それとこの町で見ら
れてる感じがしたんだけど……」
ユリノは私が監視カメラで見てたと白状すると、
ヒプノの体をじっくり見ると手を掴み、了解と頷き
手を引っ張って家の中に連れ込みドアを閉めた。
数秒後、ドアが少し開きユリノが顔を出す。
「観たいなら入って良いよ」
そしてもう一度閉まった。
皆が家に入ると、機械が色々と並んでいた。初め
て来た人は凄いと思っている。ニーナを苦しめた機
械もそこにあった。それをみると震えながら身を小
さくして、クロの腕にくっつけると機械を指差す。
「クロがアイス買いに行った時に、拐われて入れら
れたやつ」
クロはそれを聞くとニーナに寄り添い目を塞ぎ、
ユリノがいる場所に進む。そこへ着くとヒプノの姿
が見えない。ユリノが観てる機械を見るとそこに入
っていた。出して! とガラスを叩き叫んでいる。
「少し気分が悪くなるけど我慢してね」
煙がプシューとガラスの中に充満しヒプノが咳き
込みながら助けを求める。男性ホルモンが全て女性
ホルモンに変えられ、声が段々と女よりになってゆ
き、男の大事なものが取れて下に落ちた。すると、
体の中が女性へと変貌してゆく。
髪が細くさらさらとした状態で長くなると、顔が
見えなくなり、数秒後、足まで髪の毛が伸びた。胸
がアリスより大きくなると身長は10cm下がり足
が小さく、太ももとお尻に肉がつき顔も可愛くなっ
ている。ヒプノは変化し終えると、体の物を口から
吐くと体がうずくまり倒れた。
機械が汚れを吸い取り対象者の体もキレイに洗う
と汚れは下水道に流れていく。
ユリノがガラス扉を開けてヒプノを取り出しクロ
に見せた。
「これで良い?」
クロはよくやった! と頷くと洗脳もお願いしま
す! と態度を急変させ追加注文をする。
ヒプノが意識を取り戻すと、洗脳と言う言葉に反
応して思わずへたり込む。
「洗脳はイヤだ……意識まで侵されたくない。忘れ
たくないよ……大好きな人を忘れたくない……」
泣きながら訴えると、ニーナが抱きしめ頭を撫で
クロとユリノの前に足を震わせながら立ちふさがっ
た。
「可哀想だよ! もう許してあげて? ね?」
ニーナの可愛さと優しさに心打たれるクロだが、
許さないよ! このままだとニーナがまた襲われる
から洗脳する。と考えを曲げない。
「ニーナはまだ催眠状態なんだよ! きっと……」
ニーナに守られているヒプノが羨ましくて、嫉妬
したアリスが出鱈目な事を言う。すると、クリムが
私が治療したからありえないんだけど? と反論し
た。ブラインの拳がアリスに直撃すると座り込み拗
ねた。
「ニーナは私とクロの者……」
アリスはぶつぶつとそれを繰り返し言い始めた。
「新作の首輪があるからそれを着けて調教すれば?
だめだったら洗脳で良いんじゃない? かな?」
ユリノが提案するとクロも賛成した。すると、エ
ルが首輪の辛さを語った。
「それ着けて命令されると体の自由がきかなくなっ
て【力を抜け】って言われると服が汚れるよ……」
「そのことを言うでない!」
ベルが必死に止めようとしたが、手遅れだった。
皆は今の話を聞きエルを哀れむ。すると、ニーナが
ヒプノの手を掴むと連れ去る。呆然としたクロは、
すぐ我に返りニーナの後を追った。他はユリノに案
内され部屋でくつろぐ。
【二人は走り路地にはいると、行き止まりだった】
クロの足音が少しずつ近づいてくる。二人は近く
の縦に長く、人が入れそうなロッカーがあるのを見
つけ、そこに隠れた。クロの足音がロッカーの前ま
で来ると途切れる。
「どこ行ったんだ?」
クロがロッカーの裏を見て言うと他の場所を探し
に行く。二人はクロが去るまで息を殺して隠れてい
た。
ヒプノは隠れている間、ニーナの体が密着してい
て興奮すると、クロと言う恐怖が味付けされ、ニー
ナに恋の感情を抱いた。
「もう大丈夫だよ! これからどうしよう……」
ニーナがヒプノに相談すると、ニーナは頭を撫で
られる。ヒプノがニーナに誓う。
「僕がニーナを守る!」
ニーナはありがとうを言うと路地から出る。それ
にヒプノはついて行く。そのまま南の門を出てしま
った。そのまま歩いていくと海が見える。夕日が海
の色を染めた。
「き、綺麗!」
「ひゃっほー」
ニーナは見蕩れていて、ヒプノは初デートで盛り
上がっていた。やがて、夕日が沈み闇が訪れる。
「僕、本当は魔法で女の体になりたかったんだ……
たまにいるでしょそういう人。それで、勇者様……
クリムと一緒に居たかったんだ……でも、もうこの
体から男に戻れない……改造されたから……でも!
ニーナとのデートで心は満たされた。だからもう、
心が消えても大丈夫! 君なら優しく扱ってくれる
そう思えた最後にキスして?」
「うるさい! 話し長い! 星が綺麗なんだから!
静かにして!」
【ニーナの言葉で場が静まり返る】
二人はキラキラ光る星を眺め、気分に任せてキス
をした。すると、何かの声が聞こえる。
「ニィーナァァ! どぉごぉだぁー!」
クロがあっちこっち探し回り、海まできた。ニー
ナのお腹がグゥと鳴り、お腹空いたから戻ろう?
とヒプノの手を引いて、共に歩いていく。
二人は何故逃げていたのか忘れていた。クロに見
つかると両腕に抱えられ家に戻される。そして、皆
でご飯を食べると、ヒプノが首輪を着けてとユリノ
に頼んだ。すると、ユリノがその必要はなさそうと
断り出て行った。
「ニーナに催眠術かけてみて?」
クリムがそう言うと、ヒプノはためらいながら催
眠をかけるがニーナは催眠状態にはならなかった。
「え? なんで?」
ヒプノが驚き、疑問に思う。すると、クリムが説
明する。
「二人が出る前に隷属の魔法をかけていたんだよ!
ニーナを守るとか言ったでしょ? 監視カメラでバ
レバレだったよ? 誓ったものを守るだけの魔法だ
から上書きとかはできないよ! 安心だね!」
それを聞いたヒプノは肩を落とし喋る。
「もう……僕の催眠が効く人は、この世にいないん
だね……クリム、君の事は好きだったけど、今はニ
ーナが好きだ。クロムを拠点に活動するよ」
「私振られた? 告白もなにもしてないのに? お
かしいな……ヒプノは魔法の才能ないから追放ね?
加護も解除しておくから、クロにしてもらってね」
クリムは涙を1滴落としてその場から出て行き、
ユリノの部屋へ向かった。
(女の子になったヒプノ可愛くて欲しかった……)
話し終えたヒプノに、クロが近づいてくる。そし
て、ヒプノのお腹を触る。
「ニーナが泣いて土下座までしたから、加護あげた
んだよ」
そう言ってニーナの近くに戻った。そして、ヒプ
ノも後を追う。
アリスとエルが喧嘩をしていて、ニーナはベルに
くっついている。ブラインとベルは二人の仲裁をし
ていてクロは見ていた。ヒプノが近くにくるとニー
ナは手招きをして輪にいれた。
その場にいたが魔王は空気になっていた。