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新たな魔人

ユリウス帝国の内部は、邪気に侵されていた。新たな魔人が生まれる土壌が出来つつあるのだろう。

俺は、精霊達と共に土地の浄化も進めていく。冥界神クトニウスの良いようにさせてはいけない。プロミネンス大陸での戦いの時に力を削ぐことが出来なかった事が悔やまれる。へ-ラ-様が、ペルセポネとゼウス神が戦っているかも知れないと言っていたが、それは間違いないんじゃないだろうか?俺はそのおかげで、この大陸の被害が抑えられているんだと思う。だが、少なくとも7つの国が被害にあっている。それだけの人命が失われているとしたらクトニウスの力は更に増強されているだろう。果たして俺に止めることができるのか?そんな事を考えて歩いていた俺の肩を精霊たちが叩く。え? 大丈夫? 親指を立てながらこちらを見ている精霊たちに俺は微笑みながら感謝した。そうだな 色々考えても仕方ない。出来ることをやるしかないんだもんな。ありがとね。


そして旧パ-ム帝国の国境付近まで到着したころ気配察知に反応があった。元住民たちがその身を変えられたであろう魔物の軍勢だ。訳も分からずその姿にされてしまったんだろうな。俺達が、今楽にします。


俺は、皆に指示を出した。早く終わらせよう。こんな事続けさせてはいけないんだ。

そう気持ちを込めて詠唱する。


”深く傷ついた心を慈しみが包み込む 苦しみ 痛み 嘆き その全てを解放せよ”


神聖魔法 ”神々の祝福(ブレッシングゴッド)


空から舞い降りる清らかな光の渦が、その軍勢に降り注ぐ。心なしか穏やかな表情でその存在を消滅させていく魔物にされた人々。その光が収まるころには目の前の軍勢は消えていた。そして残ったのは・・・


「何だ この力は⁈ 貴様が我らにあだなす神の使徒か!!」


そう叫んだのは、魔人。その身は固い鱗に包まれ 身体全体から邪気を溢れ出させる。その姿はドラゴニュ-トだ。


「俺の事か? 貴様が冥界神の手先なら敵で間違いないがな」


「ほう ならばこの場で消えてもらおう。」そう言った魔人の背後から眷属と思われる複数のドラゴンもどきが出て来る。その中には人型の姿も見える。


「みんな、魔人の相手は俺がする。周りの眷属どもを頼む」


そう声を掛け 俺は神剣を構えた。初手は魔人からだ。目で追えるギリギリのスピ-ドでパンチが来た。

腕ごと斬るつもりで応戦するも魔人の鱗で防がれる。硬いな。試す意味で風の刃を放ってみたが、届いた時には掻き消えてしまった。ドラゴンに魔法が効かないのはわかっていたので確認できただけで良い。

それならば、拳と剣で戦うまでだ。それからは、俺も身体強化を重ね掛けしてガチンコで渡り合う。


シゲルと魔人がやり合っている場所から少し離れた位置では レイン達が眷属のドラゴン達と戦っていた。


「ふむ。魔法が効かないのであれば、我もこの姿では分が悪い」そう言ったレインは幼女姿から大人モ-ドへ変化した。ここにシゲルが居たら じゃぁなんでいつも幼女姿なんだよ!って突っ込んでいるだろう。

そんな事を思いながら不敵な笑みを浮かべ、レインはドラゴンに殴り掛かる。元魔王の一撃は、ドラゴンを吹っ飛ばす。忘れてはいけない。レインはヴァンパイアの真祖なのだ。そのパワ-は並みの魔物では太刀打ちできない。


それに触発されたのは、大精霊の皆さん。こちらも全員が元の姿に戻る。色っぽい大人の姿で手加減なしの属性魔法をぶっ放している。直接攻撃できないならと 周りの岩や建物を巻き込みながら投げつけていた。

そうなんだ精霊達も普段は何故か幼女スタイルなんだよね。なんで?って聞かれたらシゲルが好きそうだからとか言うんだろう。シゲルは違うと否定するだろうがww


勇者達は、3人で連携して戦っている。アオイとヒトミが相手を斬りつけ 斬った場所をアズミが神気を当てて再生を防ぐスタイルだ。アズミは、大人モ-ドのレインや精霊たちを見て複雑そうな表情をしている。

私だってとか小さく呟いているのだが。アオイとヒトミに慰められて 余計に黒い笑顔になっている事に気づいていないようだ・・・・


リゼット、ウルルカ、デニスは元々近接戦闘が得意だから この相手には相性が良かった。連携も此処までの戦闘でかなり深まっていた。パワ-負けしている部分を補いながら相手をスイッチする事で優位に戦いを進めている。戦い方を把握しているマリアが要所要所でカバ-に入り付け入るスキを与えない。


このままシゲルたちが押し切るかと思われていた戦闘に変化が起きたのは、シゲルと戦っていた魔人が


その姿を変化させた時だった。


「このままでは、埒が明かないな」そう呟いた魔人が身体から禍々しい邪気を溢れさせ・・・・


シゲルの目の前に 邪気に包まれたドラゴンが現れた。え? お前って・・


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