感じる疑問・・
動かされてるんだろうか?
マクガイア王国を出た俺達は、ㇺ-ラン帝国へ急いでいた。しかしこの情報も本当に確かなのか?という疑問も浮かんでくる。巧妙な奴らのわりに 足取りを残している事に俺はどうも引っ掛かっていた。
それと今回の魔物の誘導だ。今回は、例の魔道具が使われた形跡が無かった。俺は何度も襲撃を防いだ後に周辺を探したんだ。だが見つからなかった。もしかしたら魔物除けの匂い袋があるなら 逆に引き寄せる物もあるのかもしれない。そしてあの規模だ。確実に人数が必要になる。協力者が色々な国に居るのは疑いようがない。いったいどれだけの規模の集団なんだろうか?そんな事を考えながら俺達は、ㇺ-ラン帝国へ向け馬車を進めた。
1週間の道のりで立ち寄る村や街に聞き込みをしたが、今のところ情報はない。昼間は、身を隠し夜に移動しているんだろうか? しかし先行して辺りを偵察している シルフィ-やサタンからも発見の一報は入ってこなかったんだ。そしてㇺ-ラン帝国の国境にたどり着いた。入国に関してはいつも通り素通りだ。
俺達はまず一番近い街、ノ-ツへ向かった。この街は、大きな湖があるので観光の人間も多い。
まずは、宿を取りその足でギルドへ向かった。ギルドでは、残念ながら有力な情報は無かった。ここまで張り詰めた雰囲気での旅だったから気分転換に湖で休憩する事にしたよ。それを聞いた皆が嬉しそうにしてたから良かった。一番喜んでたのはウンディーネだけどね。一日皆を遊ばせて 翌日街を発つことを決めた夜
、俺はいつもの白い部屋に居た・・・・・なんか久しぶりだなって考えてたら目の前に顔が・・へ?
驚いた俺に話しかけたのは・・・
「大丈夫?びっくりした?」
「え、ええ。すみませんどなた何でしょう?」
「私は アフロディ-テ。いつまで経っても来ないから 待ちくたびれたよ!!」
「いや 来ないと言われましても・・ 俺自分からこの空間来たことないです・・」
「ええー?! あなた半分神じゃない? 出来るって!!」
「そう言われましても どうやって来るのかわかりません」
「そんなの ちょちょいのちょいだよぉ」と何か膨れているアフロディーテ様。しかし ちょちょいのとか随分人間臭い神様だし。説明にもなってないから!!
「こ、今度頑張ってみますね。それで今日はどんな話なんですか?」
「えっと・・・そうだ! 伝言頼まれてたのよ シ-ルズから!」
「シ-ルズ様からですか。で、何と」
「この世界”ブランチ”と”エベレット”の両方を見る事になったから 忙しい。クトニウスの件は任せるだったかしら・・」
「え?それ丸投げじゃないですか?ゼウス様の件もどうなってるか聞いてませんし」
「ああ ゼウスねぇ また聞いとくわ。じゃ伝えたからね」
そう言って消えていくアフロディーテ様。この世界の神ってみんな言うだけ言って帰っていくよね・・
そしてリフレッシュした俺達は、ノーツの街を後にした。やっぱり一番情報があるのは王都でしょ?ってことで王都へ向かっている。王都へ向かう途中の街で、闇ギルドに繋がる情報を得た。その情報は、王都の貴族が、対立する帰属に対して暗殺者を送ったという話。王都から離れているから噂話程度だったんだが、暗殺を依頼するって事は、その貴族と闇ギルドが接触した可能性がある。王都で情報収集しないと。
少しでも情報を得られたことで気分的には軽くなった。そし4日目の夕方に王都へ到着した。
時間が遅くなったので、宿の心配をしたが何とか確保できた。疲れていたこともあり食事は宿で済ませて早めに休んだ。
翌日。ㇺ-ラン帝国 冒険者ギルド本部に俺達は向かった。マクガイアのギルドから連絡が入っていたらしく俺達は、ギルド長の部屋へ案内された。
「何があったか マクガイアから連絡は来ておる。私は、ギルド長のドナルド・リップスだ。」
「初めまして 金級冒険者 シゲル・アレフガルドです」
ここで、刺青の男たちの情報は得られなかった。各所に情報が回っているので新しい情報があれば伝えてくれるらしい。で、聞きたかった貴族の話なんだが・・・
この国の貴族は、皇帝の側近である 宰相派と将軍派で派閥争いをしているようなんだ。穏健派の宰相と軍を動かしたい将軍派って感じだ。どうもこの大陸では戦争なんかもあるようだな。それでこの将軍派の派閥貴族が宰相派の貴族に対して暗殺者を送った。って言うのが噂の中身だった。ギルドとしては、貴族間の争いには手出し無用らしいのだが、闇ギルドが関わっているとなるとそうもいかない。なのでこの件も今調査をしている段階だ。この貴族の件は俺達独自で動こうかと思っている。俺達には、忍者がいるからなw
問題の貴族って言うのが、セレ-ド伯爵。送られたのはミード伯爵だ。どうにかお近づきになれる方法も考えてはいるんだが、とりあえず夜に精霊たちが、セレ-ド伯爵の屋敷に忍び込む事になっている。
何か掴めれば良いんだが・・




