神の化身
さて序列1位と対決?・・・
その佇んでいた人物は 不意にこちらを向いた。
「よく来た神の使いよ。私は ”ペルセポネの化身”だ。我が愛する夫の復活を阻もうとする者に死の鉄槌を!」
おいおい 化身とか言っちゃてるけど 神が地上に出て身体を持っただけじゃん!!
ウェネス様と同じ存在だけども 相手はほぼ本来の力持ってるんだろう?
VS神って最後にしてくれよぉ-
「久しぶりね ペルセポネ。まさかあなたまで出てくるなんてね。ゼウス様も可哀そうに」
「父など関係ないわ!! その忌々しい口を今すぐ塞いでやろうか! ウェネス!」
ちょっと! 煽ってどうすんだよ? そうでなくても やばいって言うのに・・
「ふふふ 闇落ちした神など この子の敵ではないわ! そうよね?」
って勝手な事言わないでぇぇぇぇl!!
「はぁ もういいです。できるだけ頑張ります・・」
「面白い!さぁやろうか」
言ったが同時に 恐ろしいほどの冷気が辺りを包む。 只の冷気ではない その温度は絶対零度。
俺は 自分の周りに 炎の障壁を張る。慌ててウェネス様が障壁内に走ってきた。神様なんだから
自分で何とかできるでしょ? そばに居たら危ないのに。
冷気を防ぎながら それなら 煉獄魔法”地獄の業火”を放つ。
まぁ効かないだろうがな。寒いの苦手なんだよ俺。
ペルセポネは さらに冷気を強めてくる。彼女の周りには黒い雪が舞っている。
「アナタ あの雪に触っちゃだめよ。あれは邪気も含んでるんだけど 身体が溶けるからね!」
うわぁ 溶けるのはいかん こえ-な 冥界神の嫁。きっと夫婦喧嘩とかしたら えげつない事されそう。
とは言ってもいつまでも 障壁内に居ては 攻撃ができない。魔法を放っても相殺されるだけだからな。
神を滅する魔法ってあるのか? 複合魔法”爆撃の雨”をばら撒きながら
「ウェネス様。神を滅する魔法って存在するんですか?」
「あなた・・・怖いわね!私を消す気なのね?!」
いやなんでそうなるんだよ? 俺今神と同等の存在と戦ってるでしょ?
「違います!ペルセポネに効く魔法ですよ!」
「ああ わからないわ。基本的に神は死なないのよ。私達の存在を消せる程の魔法があったら すでにこの世界は存在して居なわよ。だから前回の神々の戦いのときにクトニウス達を封印したのよ」
「あちゃ- そしたら打てる手がありませんよ。せっかくここまで魔人を滅してきたって言うのに・・」
「え?アナタ 魔人滅しちゃったの? 私達でも無理だったのに? アナタ実は クロノスじゃないでしょうね?!」
「違いますよ。俺はたぶん人間です。で 名前はシゲルです。名乗ってませんでしたね。」
「シゲルね。でもあなたからクロノスの気配がするよ?」
「ああ たぶんクロノス様の試練を受けたときに 身体をいじってくれたんで それじゃないですかね?」
「あの試練を超えたの?! 人間が? ありえない。私達 選ばれた神でもあの試練は無理なのに・・」
「ああ 俺もまぐれっす。試練の間に100年居たらしいですし。よく生きてるなって思いますもん」
とか会話をしていたら 禍々しく燃える黒氷が障壁を抜けてくる! しまった 油断した。
障壁を 幾重にも重ね何とか防ぎ切った。あっぶね- それにしても対応が早いなぁ。俺の障壁も大概強いはずなんだが まさか抜いてくるとは。さすがは神の化身だな。
そこで俺は 水魔法と神聖魔法の複合魔法”聖なる激流”をペルセポネの周りに放つ。
「ちょっと 今の魔法 何なのよ! おかしいじゃない!神聖魔法を属性魔法と組み合わせるとか?頭おかしいんじゃない?!」
おいっ!!なんで怒られてるんだよ俺。 頭おかしいとか・・・大丈夫?ですよね・・
流石に ペルセポネですら目を広げた。そんなにおかしいんだろうか? だってやったらできたんだよ。
4属性複合できるなら出来るんだ・・・よね?
「はぁ 規格外ってこおいうのを言うのね。神でもできない事を平気でやるのって そうか!シゲル異世界人だね?」
「ええ そうですよ。でも異世界人他にもいますよ?」
「普通 異世界から来たって 限界があるのよ。ステ-タスは平均的に高いし、無双するだけの地盤はあるけど シゲルの力は 神に匹敵するわよ! 人間辞めたのね おめでとう!」
「辞めてません」
どうして神は 俺を人外認定したがるんだよ。このやり取り前もしたよ。
ペルセポネは 俺の魔法を嫌がっている。相殺しようとしているが 動きが止まった。
これはチャンスなのだろうか?でもうかつに近づくと あの雪がなぁ。今の状態も罠の可能性を否定できないし。
そしてペルセポネを打ち倒すことは出来るのだろうか? 今はただ 動きを止めただけだ。
ここから 恐ろしいほどの戦いになることを この時 俺は知らなかったんだ。




