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次は 化け物だ・・・

連戦に続く連戦で俺の身体もボロボロだ。強化されたはずの身体も魔人を相手にこれだけ戦うと


疲労も蓄積される。しかし世界の人々を人質にされてるような状態で 俺が休んでいる時間は無い。


俺が敗れれば、この世界が蹂躙されてしまうだろう。神様たちもまだ本来の力は戻っていないのだから。


俺は仲間の顔を思い浮かべた。うん。みんなの為に俺は負けない。


もう一度 立ち上がった俺は また歩き出した。少しは体力も回復できた。気配察知は、この島に上陸してから警報が鳴り続けている。中央に進めば進むほど 巨大な邪気を感じているんだ。


しばらく進むと 水辺にでた。しかしそこにある水は黒く淀んでいる。俺は、空間収納から水を取り出し口に含む。


「おいおい なに余裕をかましているんだ? 」


「いや 水が飲みたくなってな」


冗談で言ったわけではない。相手から感じる重圧にのどがカラカラに乾いてしまったんだ。


「ここまで来たと言う事は、下位の魔人は倒されたのだな。」


「ああ 俺が倒してきた。危なすぎて困るんでな」


「ははは まぁ あ奴ら程度。我の足元にも及ばんがなぁ。」


「そうなのか?それなりに強いと思ったが・・・・」


「そう (うそぶ)くな。程度が知れるぞ?」


ああ バレてたかぁ ちょっと気持ちで負けてるんだよ。身体が戦うのを拒否しているんだ。


「バレてたか。因みにアンタの名前ぐらい教えてくれよ?」


「死にゆく相手に名乗るのも一興か! 我は十魔人序列2位 ”常闇の王” ヤシャ」


そう名乗ったヤシャは、容姿が中性的なのだが 名前からも予想するに鬼神だ。


腕は、4本ある。王という事からもそれだけの実力者だということは、


ここに来るまでに充分理解している。


「俺は、シゲルだ。お前を倒す男だ!」


「さぁ シゲルよ!その実力見せてもらおうか!」


4本の手に握った剣を構えるそぶりすら見えない状態で 次の瞬間・・・・・


俺の左腕は 切り落とされていた。 ・・・・全く見えなかった。すぐに腕を拾いつつ再生した。


剣が来るのも感知できない。今までは本能で避けていたのだが それすら反応できなかった。


俺は限界まで目の強化を施した。身体強化も本当のギリギリまで上げる。


ヤシャの姿がブレた瞬間 身体に衝撃が走る。なんとか切られはしなかったが 受ける以上のことはできない。ヤバすぎるな。しかも一度で4回斬撃が来るし。パワ-も尋常じゃ無い。さらにまだ本気も出していないだろう。今の時点で、序列3位のグエンより強いと思う。ほんとに天災だなこりゃ。なんで元社畜のおっさんがこんな化け物と戦ってんだよ・・・。


待ってたら切られる。こちらからも切り込む。ヤシャは微笑を浮かべながらその全てをはじいていく。

くそっ余裕ありすぎるだろ。俺は斬撃の速度を上げていく。今はこれしかない。

しかし 全く怯む様子も見せないヤシャは 俺の攻撃をはじきながら蹴りを出してくる。軽く出してくる足蹴りですら大地を切り裂く威力だ。


攻撃してる俺が 逆に追い込まれている。勝てるビジョンが一切浮かばない。魔法も出すタイミングすら無い。俺も気を抜いたら吹き飛ばされるから必死だ。相手の斬撃を受けていた神剣から神気が消えていく。

ヤシャの持つ剣は 邪気を纏っているが 神気が浸食されるなんて初めてだ。


俺は 戦いながらヤシャの正体を感じていた。 ヤシャは たぶん神に近いだろう。纏う邪気も身に宿せば


身体がもたない量だ。俺の予想でしかないが 闇落ちしたんじゃないか? それだけ圧倒的だ。


そんな事を考えていたせいで ほんの一瞬油断した。 ドゴッ!!! 切られる前に何とか神剣を差し入れたが、身体ごと 近くの岩場に飛ばされた。硬い岩に直撃する。


「グハァ!!」 たまらず声を漏らす。岩を粉々にして さらに先まで飛ばされて止まった。


「ああ きっついのありがと」と口から血を吐き出しながら強がった。


ちくしょうめ。吹っ飛ばされて目が覚めたわ! 色々考えても どうにもならないなら 力ずくで


行くしかないだろう。小細工が効く相手では 最初からないだろ? 俺は、身体のあらゆるリミットを


外した。身体をかばい限界のギリギリで制御していたんだが、そんな余裕はない。


身体から立ち昇る神気。頭の中もクリアになった。ここで本気を出さねばならないとは・・・


まぁ もう後の事 どうでもいいわ。どうせ生きるか死ぬか出しな。


それを見た ヤシャは 浮かべていた微笑をやめた。


「なんだ 半神か 貴様。余計に ここで仕留めさせてもらおう。それ以上育ったら厄介だ」


先ほどまでの余裕の態度を辞めたヤシャの斬撃は 嵐のようだ。だが、俺も負けちゃぁいない。


斬撃の応酬で 俺達が戦っている場所は、全てが吹き飛ばされていく。 


神話の神々の戦いのように 2人の戦いは熾烈をきわめていく。世界中の人々は その2人の姿を


遠く離れた地で 祈るように見守っていたのだった.......



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